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若くて元気な移民が欲しい

ラッド前首相の政府は、2050年にはオーストラリアの人口を3600万人に増やす「ビッグ・オーストラリア」政策を提唱していましたが、その後の経済状況などにより、現ギラード政府は「ビッグ・オーストラリア」政策の見直しに着手しました。

人口政策には世界から移住者や難民を受け入れるという移民政策がからんできますし、何よりも経済的基盤がしっかりしていないといけません。世界金融危機を経験し、財政赤字の増大を背負う政府にとっては、人口増にともなうインフラ整備など大きな財政支出を懸念する動きがあります。

高齢化社会の到来が言われていて、オーストラリアもその例外ではありません。現在、65歳以上の高齢者一人当たりを労働可能年齢の5人が支えているのですが、2050年にはこの比率が、2.7人にまで低下します。(それでも日本よりはましですが…)

日本での団塊の世代、西欧でのベビーブーマー世代の退職、そして高齢化により、すでに高齢化社会のスピードが高まっているのが現状です。

オーストラリアは移民の国として、世界中から移住者を受け入れて国の発展を支えてきました。世界金融危機によりここ最近は技術移住者の受け入れ数を削減したり、移民審査基準を改定するなど、移住者数の縮小傾向にありました。これまでの移住者総数は、2008年の31万5000人をピークに、その後は約18万人とほぼ半減しています。ここには経済状況を背景とした「持続可能な社会」を目指す政府の姿勢が現れています。

いまオーストラリアでは、特に地方部への移住者の受け入れが急務の課題になっています。今月発表された来年度の連邦政府予算では、資源開発で労働需要が高まっている地方部に1万6000人の新規移住者枠を設けるなど、技術移住者の受け入れを増やしていますが、全体の移住受け入れ総数は18万5000人と抑えています。

世論調査では移住者の受け入れを減少すべきという意見が多いようです。しかし、これからやってくる高齢化社会を前にして、経営者は圧倒的に熟練技術者の不足を急務の課題としています。大幅な移民政策の転換があるのか、それとも「持続可能な社会」をコンセンサスとして、緩やかに進んでいくのか。しかし、それは明らかに労働力不足を招く高齢化社会への道になるようです。

シドニーでも人口が増え続けて、郊外にどんどん住宅地が開発され、インフラ整備がなされているようですが、追いつかない現状があります。もちろんそれにともなう物価の上昇も見逃せません。移民の国の新しい移民政策が、そろそろ必要になっているのでしょうね。

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