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シドニー発豪ドル見通し(2011年5月23日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

今週の主な予定、イベント

5/23(月)ユーロ圏・独5月製造業PMI、カナダ休場

24(火)独Q1GDP改定値、独5月ifo景況感指数、米4月新規住宅販売件数、ブラード・セントルイス連銀総裁講演、ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演、ホーニグ・カンザスシティー連銀総裁講演、デュークFRB理事講演、オバマ大統領アイルランド、英国、仏歴訪(28日まで)

25(水)日本4月貿易収支、日銀議事録、白川日銀総裁講演、英Q1GDP速報値、米4月耐久財受注、ドラギ・イタリア中銀総裁講演、リッカネン・フィンランド中銀総裁講演、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演、OECD世界経済見通し

26(木)豪Q1民間設備投資米Q1GDP改定値、米新規失業保険申請件数、G8フランスサミット~27日

27(金)日本4月CPI、英5月GFK消費者信頼感指数、米4月個人所得、米5月ミシガン大学消費者信頼感指数、米4月中古住宅販売件数

 

マーケットの焦点

キーワード― 欧州ソブリンリスク(ギリシャ債務再編問題)、G8フランスサミット、米ドル動向(不安材料―景況、財政赤字、サポート要因―出口戦略)、中国―景気スローダウンとインフレ懸念

先 週は週央に向けて一時リスク選好の動きが市場に戻りましたが、結局ギリシャの債務再編(金利減免、期間延長など)問題が解決せず、不安材料を抱えたまま、主要国の株価も冴えない展開で、週の上げを吐き出す形で前週末からは若干値を下げて終わっています。

週初はIMFストロスカーン専務理事の逮捕、そして退任と言うショッキングな出来事があり、欧州債務問題解決のキーパーソンであっただけに、今後のギリシャ救済のプロセスに悪影響が出るとの思惑もリスク回避の動きに繋がりました。

ユーロは5月初の高値1.49台から先週1.40台まで下落していますが、週半ばには武田薬品工業や東芝のスイス企業買収の話がユーロ買い戻しを誘った局面もありました。

先週発表された注目の米国指標(4月の住宅着工/建設許可、4月鉱工業生産、5月フィラデルフィア連銀景況指数)も総じて不冴えで、月曜日の”米国連邦債務上限到達”の報と相まって、米ドルも軟調地合変わらずと言ったところ。

年初来、株価、商品相場などのアセット市場もそこそこ回復地合を辿ってきましたが、さすがにここに来て、世界経済のスローダウンが見られること、根強い欧州ソブリンリスク懸念、中国の景気スローダウンとインフレ懸念などの不安材料に行く手を遮られた感じです。

ただ、リスク回避=円高の図式が長らく続いてきましたが、先週ドル円は一時80円割れをテストするかに見えましたが、日本の第一四半期GDPが震災の影響から前期比で-0.9%と予想値(-0.5%)を下回ったこと、上記の企業買収の話、更には今週発表される4月の日本の貿易収支がこれまた震災の影響から赤字に転落するとの観測もあり、80円台から一時82円台まで上伸し、81円台後半で越週しています。

今週の焦点は26日/27日とフランスのドービルで開催されるG8サミット。

欧州債務問題や日本の原発問題が協議されますが、悲観的な結果に終われば、再び円買いにつながる可能性もあります。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0507-1.0708 AUDYEN 84.95-87.53

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0400-1.0700 AUDYEN 84.50-87.50

今週の豪ドルは再び”上値圏での戻り売りと、下値圏での押し目買いのサンドイッチ状態”

先週の豪ドルは”上げて下げる”の展開でした。

前週の流れを継いで1.05近辺、85円割れの軟調地合でスタートしましたが、週央にかけては株価や商品相場の堅調から、リスク選好の動きが強まり上昇に転じました。

水曜日の予想比弱めのQ1賃金コスト指数(+0.8%、予想+1.1%)、5月WESTPAC消費者信頼感指数(-1.3、予想+1.2%)、更にはムーディーズによる豪銀格下げ(Aa1→Aa2)にも拘わらず下値は限定的で、金曜日には、週中高値1.07台、87円台まで反発します。

しかし金曜日の欧米市場で欧州懸念再燃からユーロが急落した動き(1.43台→1.40台)にフォローして1.06近辺に値を下げて越週。

一方豪ドル円はドル円の上昇に引っ張られる形で87円台キープで終わっています。

一方週明けのFar East市場では、週末のスペイン地方選挙でサバテロ首相率いる与党社会労働党が大敗する公算が強くなったことからユーロが1.41割れに続落しており、豪ドルも追随して1.06割れ、87円割れに値を下げています。

今週の豪州指標では26日(水)発表される第一四半期の民間設備投資が重要です。資源産業への投資熱から予想値(q/q)+2.7%と前回の+1.3%から上昇予想となっていますが、一方石炭産業への洪水の影響も懸念されるため、結果については不透明な部分もあります。

その他ではやはり、G8サミットを絡めて欧州ソブリンリスクの行方、更には米国経済指標が注目材料でしょう。

5月初旬以降調整色を深めてきた豪ドルですが、短期投機筋のポジションはかなり豪ドル買いポジションが減って、現在あまりポジションの偏りがない状態であると思われます。したがって相場変動エネルギーもあまり溜まっていない状況であり、日々のニュースで上下動する不安定な相場展開が目先続きそうです。

上記予想レンジの上値圏では利食い圧力が、また下値圏では押し目買い圧力が強くなると予想されます。

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

       

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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