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シドニー発豪ドル見通し(2011年6月13日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

今週の主な予定、イベント

6/13(月)豪州、スイス休場、トリシェECB総裁講演、ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演

14(火)日銀会合、中国5月主要指標(CPI、PPI、小売売上高、鉱工業生産)、英5月CPI、米5月小売売上高、米5月PPI、フィッシャー・ダラス連銀総裁講演、ドラギ・イタリア中銀総裁

15(水)日銀金融経済月報、英5月失業率、米6月NY連銀製造業景気指数、米5月CPI、米5月鉱工業生産、スティーブンスRBA総裁講演、ドラギ・イタリア連銀総裁講演、キング英中銀総裁講演

16(木)スイス中銀政策金利、英5月小売売上高、EU5月CPI、米5月住宅建設許可、住宅着工件数、米新規失業保険申請件数、米6月フィラデルフィア連銀景況指数

17(金)日銀議事録、EU4月貿易収支、米5月景気先行指数、米6月ミシガン大学消費者信頼感指数

マーケットの焦点

キーワード― ドル安、ギリシャ問題の行方、米経済指標

先週も各国中銀の金融政策会合、ギリシャの債務問題などを背景に忙しい週でした。

結果的にはギリシャ債務問題や米国景気懸念からの市場のリスク回避の動きが勝り、主要国の株価は下落し(NYKダウは前週比200ポイント下落)、商品相場も軟調でした。

ギリシャ問題では追加支援策を巡って欧州各国の意見の対立が表面化しました。

また各国中銀の金融政策会合では総じて現在の金融政策が維持されましたが、各国別には韓国中銀が利上げ(3.0→3.25%)、NZ準備銀行が向こう2年間の利上げを示唆、ECBが7月利上げを示唆、RBAの利上げ示唆なしで、バーナンキ発言では更に超低金利継続を示唆、、、このような感じでした。

為替市場では前週の弱い米雇用統計の影響が残って米ドル軟調地合が継続し、米ドル/スイスフランは史上安値を、またNZドル/米ドルは史上高値を付け、ドル円も79円台半ばと1ヶ月ぶりの安値をつけています。

今週も引き続きギリシャ債務問題と米経済動向が市場の焦点でしょう。ギリシャ問題は追加支援策の成否に対する各国の調整が焦点。再来週の欧州連合(EU)首脳会議(6/23-24)に向けて、ギリシャに対する追加金融支援(900億ユーロ-1200億ユーロ)の実施の可能性、時期を見極めていく展開となるでしょう。ギリシャ政府は、財政再建・民営化に向けた追加計画(4年間282.6億ユーロ)を議会へ提出しており、今後野党との協議を行っていきます。またショイブレ独財務相は、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に対して、ギリシャ国債の償還を7年間延長する案を提出しましたが、トリシェ欧州中銀総裁は、ギリシャ国債の債務再編、ロールオーバーには反対を表明しており(仏も同じ立場)、依然として予断を許せない展開が続きます。

先週のECB理事会後のトリシェ会見で”7月利上げ”が示唆されましたが、一連の引き締めサイクル入りとの見方は少なく、市場はかなり利上げを織り込み済みですが、いずれにしてもユーロについてはギリシャ債務関連と利上げの両面から相場を見る必要があります。

今週も米金利及び米景気動向がもう一つの焦点となりますが、今週も多くの米国重要諸指標―インフレ率(生産者物価指数、消費者物価指数)、個人の景況感(小売売上高、ミシガン大消費者信頼感指数、景気先行指数)、企業の景況感(鉱工業生産、設備稼働率)、住宅指標(住宅着工件数、住宅着工許可件数)が発表されます。

6月末での量的緩和第2弾(QE2)の終了を控え、最近の景況感の悪化から緩和第3弾(QE3)の思惑も聞かれる中、次週の連邦公開市場委員会(FOMC)(6月21-22日)に向けたQE3や出口戦略の思惑が交錯するでしょう。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0525-1.0767 AUDYEN 84.46-86.45

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0550-1.0850 AUDYEN 84.50-87.50

今週の豪ドルは軟調で下値テストでしょう

先週の豪ドルは”週初の高値圏から下げる”展開でした。

ユーロは週初米ドル安から1.47台で堅調を維持しましたが、週末にかけてはギリシャ不安が再びぶり返したことから1.43台前半まで下落して越週しています。

豪ドルも週初は1.07近辺、86円台半ばの高値圏にありましたが、この欧州関連リスク回避 の動きに加えて、火曜日のRBA理事会での“あまりタカ派的とは言えない声明文”や、木曜日の5月雇用統計の結果が軟調であった(就業者数+7.8千人、予想+25千人、前回-29.4千人)ことなど内 外の悪材料から1.05台前半、84円台半ばに値を落として越週しています。

火曜日のRBA理事会では金利据え置き(4.75%)は予想通りでしたが、RBAの”声明文”からは次の利上げを示唆する強い論調は見られず、豪ドル失望売りを誘いました。

今週は豪州国内では重要指標やイベントは水曜日のスティーブンスRBA総裁講演以外は目立ったものはなく、豪ドルはリスク回避とその巻き戻しの動きを受けたユーロの動きにフォローすることが予想されます。

ギリシャ不安や米国の景気懸念が強く、加えて上記のように足元のRBA利上げ観測が後退したことや、豪州国内景況悪化懸念から、豪ドルは5月以来のレンジ(1.04-1.10、84円-87円)の下限をテストする動きが予想されます。

特に豪ドル円は米ドル円の下値圧力が依然として強く、米ドル円が再び80円を割り込んでいく場合は、軟調推移が予想されます。東日本大震災直後の緊急時と異なり、今回は協調介入による米ドル円サポートが出る可能性は少ないでしょう。

ただその下落局面でボーナス月を迎えた本邦個人投資家が豪ドル初めとした外貨投資をいかに積極的に行うかがポイントとなります。

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

       

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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