オーストラリア人の持ち家率は70%以上と非常に高い数値を保ってきましたが、どうやら最近ではその状況に変化の兆しが現れているようです。
以前は、とにかく若い世代の人たちに、少し無理してでも、早く家を買って後々楽になるように、将来の設計をするようにと言われてきました。
おかげで国民の持ち家率も71%と、結構高い比率を誇っていたわけです。背景には、部屋を借りて家賃を毎週払っていても、結局自分のものになるわけでもないので、ローンを組んで、毎週の家賃より多少金額が大きくても、頑張って支払っていけば、最終的に自分のものになるわけだから、それが一番だ、という考え方があります。
ところが持ち家率も70%を切って60%台後半となり、あわてて政府も、初めて家を購入する人向けに補助金を用意して、積極的に後押ししていましたが、ここにきて、夢のマイホーム状況に変化が現れているようです。
これまではマイホームといえば、郊外の庭付きプール付きの一軒家に家族と犬の幸せな生活を想い描いたものですが、どうやら最近の不動産価格の上昇で、一軒家どころか、フラット(アパートメントの一室)におさまりそうです。
現在、各州都の平均住宅価格は、国民の平均所得の7年分以上と言われています。これは、1980年代の3年分と比較して2倍以上です。それほど上昇している不動産ですが、2011年3月のシドニーの平均住宅価格は、戸建てが64万3,713ドルで、ユニットが44万8,585ドルでした。
また、オーストラリア統計局の発表によると、2026年には、全世帯に占めるひとり世帯の割合は、30%、310万世帯(人)になるとされています。これは持ち家の種類に大きな変化をもたらしますし、高騰する不動産を前に、ユニットやタウンハウスへの志向が進むということです。
このオーストラリア人のマイホームの夢が、不動産価格の高騰と可処分所得の現実という事実の前に、ダウンサイジングを迫られているのは間違いないようです。庭付きプール付きの戸建てのバラ色の夢が、アパートメントブロックの一室へと変わってしまう現実に、なかには夢をあきらめて、生涯、家賃を支払うレント生活に甘んじるオージーも多くいるようです。
もちろん無理な支払い計画で、買ったはいいけれど、すぐに手放さざるを得ないようなことになるのは問題です。マイホーム実現のためには堅実な支払い計画と、長期戦略が必要です。厳しい現実を前にしても、しっかりとした戦略を立てて、一歩一歩前に進んでいけば必ず夢は現実になるでしょう。
政府の家の購入についての情報を参考に、まずは計画を立ててみましょう。→こちら
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