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シドニー発豪ドル見通し(2011年7月18日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

今週の主な予定、イベント

今週米国、債務上限引き上げ採決

7/18(月)東京休場(海の日)、5月対米証券投資

19(火)RBA理事会議事録、独7月ZEW景況感指数、米6月住宅着工件数、カナダ中銀政策金利

20(水)英金融政策委員会議事録、米6月中古住宅販売件数

21(木)EU首脳会談―議題/金融安定とギリシャ問題

日本6月貿易収支、ユーロ圏7月PMI、米6月景気先行指数

22(金)独7月ifo景況感指数

マーケットの焦点

キーワード― 欧州問題(ギリシャ、イタリア)―7/21EU首脳会談、米国債務上限引き上げ問題―今週、米下院は債務上限引き上げ採決予定

先週も欧米の財政赤字を巡る動き、中国のQ2GDP発表、バーナンキ米FRB議長の半期議会証言、欧州銀行ストレステストの結果発表と材料豊富な一週間でした。

結果的には依然として市場のリスク警戒感が残り、中国(上海総合指数)を除いて世界的に株価は軟調推移しています。

ただ中国のQ2GDPが+9.5%と堅調であったことから原油価格は反発し、また金は安全資産として買われて史上高値を更新しており、結果として商品相場(商品先物インデックス-CRB)は前週比で値を上げています。

週初はEU会合でギリシャ問題の解決が先送りされ、加えてイタリアやアイルランドの債務問題にも脚光があたり、欧州懸念からリスク回避色が強まりました。

ただ水曜日に発表された中国のQ2GDPは予想値(前年比)+9.3%を上回る+9.5%となり、鉱工業生産や小売売上高も堅調で市場の楽観論が徐々に回復。

水曜日と木曜日のバーナンキFRB議長の半期議会証言(上下院)では第一日目の下院証言では”追加金融緩和の可能性を示唆”したことから米ドルが売られ、第二日目の上院証言では、逆に”現時点での追加緩和を検討せず”との発言で米ドルが買い戻されるなど、振り回されました。

金曜日に発表になった欧州銀行ストレステストの結果は、90行中不合格は8行に留まり、安ど感から若干ユーロが買い戻されましたが、依然として不透明感払拭には至っていません。

今週も引き続き欧米のソブリンリスクが市場の焦点ですが、欧州サイドでは木曜日のEU首脳会談が注目されます。”金融安定とギリシャ問題”がテーマですが、その他周辺国の債務問題も含めて目が離せません。

また8/2の米連邦債務上限引き上げタイムリミットを前に、依然として大統領と与野党間に妥協を見いだせずにおり、米国債デフォルトのシナリオは描きがたいものの、こちらも予断を許せない状態です。

北半球はそろそろ夏休みシーズンですが、この”欧米ソブリンリスクとのガップリ四つ”の状態はまだ解消されそうにありません。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0525-1.0802 AUDYEN 83.16-86.62

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0500-1.0800 AUDYEN 82.50-85.50

今週の豪ドルはリスク回避とその巻き戻しの動きに翻弄されてUP & DOWNでしょう

先週の豪ドルは”下げて上げて下げる”でした。

週初は欧州ソブリンリスク懸念からリスク回避の動きが活発化し、火曜日(水曜日早朝)には1.05台前半、83円台前半まで下落しました。

特に水曜日早朝のシドニー市場では、投機的な米ドル円売りが大量に出回り、米ドル円は3月の協調介入以来の安値である78円台半ばまで急落しました。この円買いはリスク回避としてその他通貨に対しても円クロスの急落を招き、豪ドル円は83円台前半に、またユーロ円も109円台半ばに急落しました。

その後、水曜日に発表された中国の諸経済指標が堅調であったことから豪ドルも反発し、同日のバーナンキFRB議長の”追加緩和示唆発言”を受けて1.08近辺まで反発しました。

ただ豪ドル円は豪ドルの反発と米ドル円の軟調が相殺し合う展開で84円台で揉み合いました。

結局週明けもリスク回避色強く今朝も一時1.06割れ、84円割れに軟調推移しています。

上記のように欧米ソブリンリスクがらみのニュースが支配的で、豪ドルも引き続きリスク回避/その巻き戻しの流れに翻弄されそうです。

また豪州国内要因としては”景気のまだら模様”は相変わらずですが、年内再利上げ観測がある一方、先週金曜日もWESTPAC銀行が”RBAによる12月利下げ説”を発表しており、金利も先行き不透明感がぬぐえません。

豪ドルも上昇トレンド入りのポイントでもあった1.07台後半、87円台後半を一旦上抜けしたかに見えましたが、結局同レベルブレークに失敗しており、むしろソブリンリスク懸念が長引く場合には、市場も嫌気して一旦豪ドル売りが活発化する可能性もあるでしょう。

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

 

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ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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