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今回は、ヒザのケガの中でも1位2位を争うほど一般的なケースのもうひとつを紹介します。
腸脛靭帯炎(チョウケイジンタイエン)です。通称、”ランナー膝” ”ランナーズニー”と呼ばれています。
ランナー膝という言葉は他にもある膝関節周辺の障害の総称として使われることもあります。
この場では上記の膓脛靭帯炎のこととして説明します。
人はランニング中に膝の屈伸運動を繰り返しています。この屈伸運動により、腸脛靭帯と膝外部間で圧迫や摩擦を受け、炎症をおこします。
では、一体何が炎症をおこすのか。それは今でも色々な学説があります。
一つは、腸脛靭帯と大腿骨外顆の間にある脂肪で炎症が起きるという説です。脂肪にはスペースを埋める役割に加え、靭帯が大腿骨外側顆を直接圧迫するのを和らげる役割があります。この脂肪分が度重なる過度の圧迫によって炎症がおきると考えられています。
もう一つは、腸脛靭帯と大腿骨の外側顆のあいだの骨膜が炎症をおこすという考えです。膝屈伸運動の時におこる摩擦によって大腿骨の外側顆で骨膜炎が引き起こされるとも考えられています。
主な原因としてあげられるのは、
オーバーユース(過度のトレーニング)
オーバーユースのひきおこす大腿筋膜張筋の痙攣
腸脛靭帯の堅さ
大腿筋、中臀筋、小臀筋の弱さ
などがあります。
症状は
痛みや、腫れがヒザ外側周辺に見受けられます。炎症反応が強くでる急性期には、歩くだけで痛むこともあります。
中でも、特に痛みがでるのはヒザを完全に伸ばす10−15度前(ヒザが少し曲がった状態)の時です。
ヒザがこの角度の時に一番痛いのは腸脛靭帯が大腿骨外側顆に一番圧迫を加えるからです。
理学療法(フィジオセラピー)の治療は急性期の炎症の早期解消を促し、靭帯や筋肉を伸ばすように治療を施し、最適なストレッチなどを処方します。
痛みが無くなるに連れて、特定の筋力の強化をするための運動療法を処方してリハビリを指導します。
このケガの回復期間中も他のケガと同じように、体力をはじめ筋力や靭帯の強度が衰える可能性があります。
痛みが無なくなってからランニングを再開すると二次的なケガを併発しやすくなります。そのため理学療法士(フィジオセラピスト)の指導を受けながら、痛みのでない程度に自転車、水中ランニングなどを用いて体力の維持をするためリハビリを行うことが大切です。
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