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シドニー発豪ドル見通し(2011年8月29日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴29年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

8/29(月)ロンドン休場、日本政府円高対策発表、民主党代表選挙、トリシェ総裁ユーロ圏債務危機打開について証言、米7月中古住宅販売

30(火)日本7月失業率、米国8月消費者信頼感指数、FOMC議事録、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演

31(水)日本7月鉱工業生産、外国為替平衡操作実施状況、独8月失業率、ユーロ圏7月失業率、米8月全国雇用者数、カナダQ2GDP、米7月製造業受注、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演

9/1(木)中国8月製造業PMI、豪7月小売売上高、スイスQ2GDP、独Q2GDP、米新規失業率、米8月ISM製造業景況指数

2(金)豪7月貿易収支、ユーロ圏7月PPI、米8月雇用統計(予想値失業率9.1%前回9.1%、非農業部門就業者数+95千人、前回+117千人)

マーケットの焦点

キーワード― 世界株価動向、米経済(9/2の8月雇用統計、9/20の9月FOMC)、円高対策、もちろん欧米債務問題、人民元切り上げ観測

8月初めの米国格下げに端を発したパニック的なアセット市場での投機売りも大分落ち着いてきました。

先週のニューヨーク市場の主要国株価や商品相場の引け値を前週末と比較すると、下げたのは金価格(1852ドル→1797ドル)とボンベイ株価(6311→6192)だけで、その他主要国の株価や商品相場は値を上げて終わっています。

先週24日(水)にはムーディーズによる日本の格下げがありましたが、これは今年1月のS&Pによる下げの後追いで一連のものであり、市場への大きな影響はありませんでした。

ただ、ドル円相場が前週金曜日の史上最安値75.95から一時的にせよ77円台後半まで戻った背景は、この日本格下げや15日に発表された日本のQ2GDPが三期連続でマイナスになったこと、更に直接的には先週水曜日に円高対策として発表された1000億ドル規模の基金創設などがあるようです。

また注目された金曜日のバーナンキFRB議長の講演(ジャクソンホール)では新たに具体的な金融緩和手段については言及されませんでしたが、やはり「FOMCは一連の追加的金融刺激策の検討を続ける」と述べて、市場安定化に注力している様子がうかがわれました。

さて、このように8月初のミニクラッシュは取り敢えず収まり、市場も安定化しつつありますが、一方では欧米の債務問題の短期間での解決は不可能であり、また米国景気後退懸念も依然強いものがあります。

その意味では今週金曜日に発表される米国の8月雇用統計、更には目を少し先に向ければ9/20-21日の米FOMCにおける追加金融緩和策の有無などが目先の焦点となります。

また欧米経済が今後減速する場合には、中国から同地域/国への輸出に大きな影響を与えますので、このあたりも注目する必要があります。

中国関連では景気懸念のほかにもインフレ懸念や、人民元切り上げ観測も見え隠れします。9/1に発表される8月中国製造業PMIも重要指標です。

先々週75.95の戦後安値を付けたドル円ですが、上述のように一旦77.70近辺まで上昇後、再び現在76.70近辺に反落しています。

ドルスイスはスイス中銀のスイス高抑制策を受けて、0.70台から現在0.81近辺まで大幅上昇しており、スイスと日本の当局戦略の効果は対照的な結果となっています。

調達通貨の2本柱の円とスイスフランですが、現在スイスフランが大幅に軟化しており、円買い需要だけが残された感じします。

更なる円高圧力をいかに日本の当局がかわすのか?

このあたりも今週の焦点となります。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 1.0368-1.0592 AUDYEN 79.57-81.28

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0400-1.0700  AUDYEN 79.00-83.00

今週の豪ドルは上値テスト余地あるが、基本的には揉み合い

先週の豪ドルは”上げて高値引け”展開でした。

基本的に前週に続いてリスク回避の巻き戻しが活発化し、ユーロや資源通貨を買い戻す動きが活発化しました。

豪ドル、豪ドル円共に月曜日の1.03台半ば、79円台半ばを安値にじり高推移して一週間を終わっています。週央に米ドル買い圧力が高まり豪ドルも一時1.04台前半に反落していますが、金曜日のバーナンキFRB議長の講演で、”必要とあれば追加緩和措置”の発言を受けて市場のリスク選好の動きが強まり、豪ドルなど資源通貨も高値圏での越週となりました。

取り敢えず8月上旬の”ミニクラッシュ”からのリカバリー局面が継続しているようですが、ただ上記のように不安材料も多く、ある程度上伸した局面では豪ドル利食い売りが強まるものと予想します。

年末にむけて豪ドル、及び豪ドル円が節目である1.0500、80.00円の上にあるのか下にあるのか?

現在1.06台、81円台と再びブルセンチメントが強くなってきていますが、まだ1.0500、80円の上に定着すると判断するには時期尚早であるように思います。むしろ上昇トレンドに入ったと判断するよりは”平時はコツコツ上昇し、有事発生でドスンと落ちる”といういつものパターンは変わっていないでしょう。

先週はバテリーノRBA副総裁とスティーブンスRBA総裁の発言がありましたが、足元の金融政策は要約すれば”まだ市場の不透明感強く暫くは金利据え置きで様子見”となると思います。

一方為替についはバテリーノ副総裁は「豪ドル相場押し下げのために介入しても大きな効果はない。豪ドル相場は交易条件や商品価格にあった水準にある」と豪ドル高要因とも思える発言をしていますが、やはり”金利引き上げを出来ない現状、インフレ抑制のためにある程度の豪ドル高はやむなし”というのが本音のようです。

今週の豪州国内指標では9/1(木)の7月小売売上高と2日(金)の7月貿易収支が注目されます。

 

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!

http://www.central-tanshifx.com/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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