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シドニーで緊急避難所展が開幕

Emergency Shelter Exhibitionが開幕し、オープニング式典が行われた

シドニーの建築家による、東日本大震災支援の展示イベントが、2011年9月1日(木)、シドニー市内サーキュラー・キーのカスタムハウス前で開幕

この展示イベントは、東日本大震災の被災地を支援しようと、シドニーの建築関係者から呼びかけられたもので、地震や津波、洪水、干ばつなど自然災害の後に身を守るための実用的なシェルターを、身の回りの素材を使って提案しようというもの。

具体的なシェルターの提案はオーストラリア・日本・フランスの有名建築家によるもので、オーストラリアの建設会社や学生たちの協力によって実際にカスタムハウス前の広場も建設され、また学生からの提案が同じくカスタムハウス内にパネルなどによって展示されている。

このイベントは建築業界各社のスポンサーおよび一般からの募金によって運営され、収益は全てAustralian Red Crossを通じて日本の被災地に送られる。

9月1日(木)、カスタムハウスで行われたオープニング式典には、建築関係者をはじめ、多くのオーストラリア人や日本人が集まり、参加建築家の作品がスライド上映される中、このユニークな展示イベントの開催を祝った。

日本の建築界からは、2008年度日本建築大賞を受賞し、いま注目されている若手建築家の藤本壮介氏と、建築探偵団や路上観察学会で知られる建築史家・建築家の藤森照信氏が来豪して挨拶された。

藤森氏は、今回のシェルター展に、2メートル四方の四角い部屋をデザインし、四隅に車を付けて移動可能なシェルターを展示された。藤森氏によると、「2メートル四方の広さは、人間が両手両足を広げて入れる広さで、大人2人が寝ることのできる広さでもあります。車を付けることで、どこにでも引っ張って移動することができます」と説明。また、震災などの自然災害に遭遇した時、「人間はまず水のある場所に行きます。次に火をおこすことをします。そしてシェルターを作ります。この、水、火、シェルターという3つの重要な概念は、アボリジニのことを書いた本からアイデアを得ました」と話しているのが印象に残った。

主催者の建築家、坂口潤氏は、当初は果たしてイベントが本当に実現できるのかどうか不安だったが、多くの方の支援やスポンサー会社の協力を得て、実現の運びとなったことを非常に嬉しく思うと挨拶され、参加者に感謝の言葉を述べていた。

この展示会は3日(土)まで行われている。是非、いざという時のシェルターのアイデアを求めて、出かけられてはどうだろう。

Emergency Shelter Exhibition

会期:2011年9月1日(木)〜3日(土)

会場:Forecourt and Ground Floor, Customs House, Circular Quay

後援:Australian Institute of Architects、シドニー工科大学、ニュー・サウス・ウェールズ大学、シドニー大学、メルボルン工科大学、Green Building Council of Australia、Emergency Architects Australia、国際交流基金、日本国総領事館(予定)、紀伊國屋書店

参加建築家:Jean Nouvel、PTW Architects、Tonkin Zulaikha Greer、Francis-Jones Morehen Thorp、COX、LAVA、Koichi Takada Architects、藤本壮介、藤森照信

詳細:www.emergencyshelteraustralia.com/index.html

建築関係者をはじめ、多くの人が参加

挨拶される藤森氏(右)

ゲストの建築家たち

挨拶される坂口氏

藤森氏と坂口氏(右)

■展示されたシェルター作品

 

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