オーストラリアは「カフェソサエティ」と呼ばれるほどに、コーヒー文化が浸透しています。街のいたるところにカフェがあり、朝早い時間からコーヒーを楽しむ人が見られます。
もともとはイタリア移民が持ち込んだコーヒー文化ですが、いまではすっかりオーストラリア社会に溶け込んで、「Good Cafe Guide」なるガイド本も出るほどです。もっとも、本場イタリア人にしてみれば、オーストラリアのコーヒー文化は本場とは少し違うようですが…。
さて、そんなカフェの隆盛ですが、最近注目のカフェは、美味しいコーヒーを出すお店よりも、インターネット接続ができるお店に人気が集中しているようです。
ラップトップを持ち込んで、コーヒーを飲みながら仕事を片付ける…そんな人が増えているんです。最近は街角のカフェで、そういう人をよく見ます。
結局これもインターネットの普及のおかげということですね。
そんな現象は、わたしたちの勤務形態まで大きく影響を与えています。最近ではテレワーク(telework)という勤務形態が増えているようです。
テレワークというのは、インターネットを利用して、オフィス以外の場所で働くことをいいます。まあ、在宅勤務の一種ですね。社員にとっては通勤の必要がなく、自由に勤務時間を選べるなどメリットがあります。一方、会社も広いオフィススペースを用意する必要がなく、コスト削減になります。
調査によると、ニュー・サウス・ウェールズ州では約230万人の労働人口のうち、7.5%、17万2,000人がテレワーク勤務をしているようです(2009年)。この数字は、2001年の3.8%(7万2,000人)、2005年の5.8%(12万人)から着実に増えてきています。
このテレワーカーたちは、年齢が30代から50代で、給与も7割は6万ドル以上という高給の人たちで、8割以上はマネージャーや専門職という人たちです。
今後、一部の職種のみならず、一般職の人にももっとテレワークが広がっていくのかどうか、企業の仕事内容、組織形態によりますが、今後もインターネットの発展がそれを後押しするのは確実です。
注目すべきは、労働者の自宅から職場までの平均移動距離です。調査では、平均15.6キロを移動しているとされていますが、テレワーカーの平均は19.7キロです。通勤時間がかかるからテレワークを選ぶのか、テレワークだから郊外に住むことにしたのか、どちらが先か不明ですが、ニュー・サウス・ウェールズ州の公共交通機関、特に電車の不便さを考えると、将来的にテレワークが広がるのではないかと思ってしまいます。
問題は、テレワークの増加により、交通渋滞や通勤ラッシュの緩和など、社会的なメリットが多いなどと、州政府の運輸当局が考えてしまうことです。ただでさえ、まったく不便な現在の電車運行ですから、テレワーク現象をよいことに、電車運行の改善など考えずに、逆に運行本数を減らしたりしやしないかと、非常に心配になります。
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