15日(土)の日本の祭り「Matsuri in Sydney」は、晴天に恵まれて、延べ8,000人もの人が集まり、大盛況でしたね。
日本食の屋台や、ステージでは剣道や空手、日本舞踊、雅楽の演奏まであり、日本のお祭り気分いっぱいのイベントでした。
ステージに小学生の小さな子どもたちが勢揃いして日本の歌を歌っていましたが、シドニー北西部、CarlingfordにあるMurray Farm Public Schoolの子どもたちです。
日本語の授業を行っている小学校がありますから、その子どもたちかと思ったら、この小学校では日本語のクラスだけではなく、理科や社会などの授業も日本語で行う「日本語バイリンガルプログラム」を実施しているんです。まさに学校全体で日本語に力を入れているんですね。
ステージでは一生懸命に日本語の歌を歌ってくれました。みんな、大きくなっても日本語や日本文化に興味を持ち続けてくれるといいですね。
ところでこんなジョークがあります。
「2カ国語を話せる人をなんていう?」
「バイリンガル」
「じゃあ、3カ国語は?」
「トライリンガル」
「それじゃ、1カ国語しか話せない人は?」
「アメリカ人」
英語が世界共通語のようになってしまい、アメリカ人は他国の言語を覚える必要がないわけで、そんな彼らを揶揄したジョークですが、イギリス人じゃないところがポイントですね。
大英帝国の権勢をもって世界に英語を広めたわりには、帝国の没落とともに、自国の言葉の地位をアメリカに奪われてしまった感があります。そしてアメリカ人の、世界でナンバーワンの国はアメリカだ、という傲慢な態度を笑うジョークです。
オーストラリアは移民の国、多民族国家ですから、ほとんどの人がバイリンガル、マルチリンガルではないでしょうか。
国際結婚した日本人の場合、子どもに日本語を覚えてもらおうと、週末の日本語学校・日本語補習校に子どもを通わせて、バイリンガルの子どもに育てようとしています。
普段は現地校で英語の世界に浸っているわけですから、子どもはどんどん英語を吸収してしまいます。なんとか日本語を覚えてもらいたいというのは、親の願いですね。
そんな人に刺激的な本が、『間違いだらけの子育て』(インターシフト刊)です。小さい頃から、塾や習い事で勉強を押し付けるのはよくない、IQテストは役に立たない、など子育てや育児法がいかに嘘や迷信に満ちているかというのです。
せめてバイリンガルに育てたいと願う親の気持ちが、子どもにとってプレッシャーになると逆効果です。
今日では、二世、三世の日系人がオーストラリアで育っていますが、バイリンガルとして育った子どもたちも、親にとってはさまざまな育て方をしているのが実情です。
「別にことさら日本語を教え込まなかったわ」
「毎日、家では日本語で話しかけていたわ」
「日本に短期留学させました」
「家では英語でした。でも、本人が日本に留学したんです」
家庭によって、さまざまですね。せっかく身近に日本の環境があるわけだからと、日本語や日本文化を教えたいのは理解できますが、子どもにとってのびのびと身につけられるようにしてあげたいですね。