昔、中国に行ったとき、お店で物を買うと、商品やお釣りを投げてよこしたので、民間企業がなくてすべて国営だとこうなるのかと感心したものです。旧ソ連や昔の中国では、顧客サービスなどという概念はないと言われていましたね。
オーストラリアだって似たようなもので、いまでもお店や企業のカスタマーサービスに、文句を言いたい時がよくあります。店員同士おしゃべりしていて、一向にお客に対応をしてくれない、商品知識が足りなくて質問しても満足な答えが得られない、決まりきった答えを繰り返すだけで、親身になって問題を解決しようとしない…など、日常的に経験されている方が多いと思います。
もちろん親切で丁寧なサービスを受けると嬉しくなって、また来ようと思ったりしますから、カスタマーサービスはお店や企業にとって大事なものです。
アメリカンエキスプレスが世界10カ国の人を対象に行った調査(2011 Global Customer Service Barometer)で、面白い結果が出ています。(対象は、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、オランダ、イギリス、アメリカ)
例えばオーストラリア人の場合、受けたサービスが良かった場合にほかの人にも「あそこのサービスは良いよ」と話す率は、常にそうする(49%)、時々そうする(46%)、ごくたまにする(4%)、絶対しない(1%)と、オーストラリア人は平均して10人にサービスが良かったと話すそうです。
インド人は32人に話し、イタリア人は14人に、メキシコ人は11人に話すようです。インド人はおしゃべりなんですかね。逆にあまり話さないのはドイツ人で、常に話す人は26%と一番低く、人数も8人と少ないんです。寡黙なドイツ人?
では、反対にひどいカスタマーサービスを受けた場合にオーストラリア人はどうするかというと、常に他人に話す(65%)、時々そうする(31%)、ごくたまにする(3%)、絶対しない(1%)で、平均して23人に話しています。やはり態度の悪い店員や、横柄なサービスを受けた場合は、皆さん友人にしっかりと話しているようです。
この場合も、最も多くの人に話すのはインド人で35人。次いでイタリア人の27人です。一番少ないのはやはりドイツ人で、いつも話すのは47%と一番低い結果がでています。おしゃべりなインド人とイタリア人、寡黙なドイツ人は世界的に知られたイメージでもありますね。
さて、良いサービスを受けるにはどうするかというと、多くの人がカスタマーサービスの人に親しげに、かつ尊敬する態度で接すると、非常に良いサービスを受けられると考えているようです。オーストラリアでは87%の人がそう信じています。それでもひどい態度だったら、100人ぐらいに話すでしょうね。フランスが一番低く、66%しかそう思っていません。フランス人は相手を信用していない? それとも自分から下手には出ない?
ひどいサービスについにブチ切れた人は、オーストラリアでは61%とそれほど多くはないようですが、一番切れやすいのがメキシコ人で、86%。一番低いのがドイツ人で37%。さすがドイツ人、冷静沈着で理知的な国民性が窺えます。
頭に来た場合にどうするかというと、オーストラリア人は、まず上司やマネジャーを出せと要求(64%)、次いで、電話を切る(44%)、競争相手に乗り換えると脅す(36%)、相手の名前を尋ねる(27%)、怒り狂って店を出る(17%)、悪態を吐く(12%)、まあ、こんなところでしょうね。
ほかの国ではどうかというと、マネジャーを出せと怒るのはアメリカ人、電話を切るのはメキシコ人、他社の商品に乗り換えるのはフランス人、相手の名前を質すのはインド人、暴言を吐くのがアメリカ人とカナダ人、怒って店を出るのがメキシコ人。お国柄が分かりますね。
ひどいサービスに対して、粘り強く交渉して、なんとか返金させたり、代替品を得たりと、結構骨が折れるものですが、カスタマーサービスの担当者と交渉するのはどのくらい面倒なんでしょう?
ほかのいやがるものと比較して順位を付けると、オーストラリア人が一番いやがるのは、お店で他人の子どもの態度を注意することで、次いで、大勢の前でスピーチすること、3番目が上司に給与アップを申し出ること、4番目が、義父や義母など姻戚と旅行に行くこと、そして最後がカスタマーサービスとの交渉ということで、カスタマーサービスと話すことはそんなに嫌じゃないようです。
アメリカ人やカナダ人は、姻戚との旅行が苦手で、それよりはカスタマーサービスとの交渉の方が楽なようです。またボスに給与アップを躊躇なく訴えられるのはインド人とメキシコ人。大勢の前でスピーチするのもメキシコ人には苦にならないようです。一番カスタマーサービスとの交渉ができるのはドイツ人のようです。やはり理路整然と説明して理詰めで相手を負かすのでしょうか? でも、相手もドイツ人ですから負けてはいないでしょう。いったいどんな交渉になるのでしょうね。
さて、あなたはどんな方法で文句を言って、溜飲を下げますか?
(水越)
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