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子はかすがい? それとも足かせ?

最近日本で、児童虐待のニュースが続いています。泣き止まないとか、ウザイとか、自分のストレスを子どもに八つ当たりして、食事を与えないとか、体罰を加えるなど、随分と酷い実態が明らかになっています。

あげくの果てには子どもを死なせてしまう親が結構いるのです。それも父親による体罰どころか、母親による育児放棄やせっかん死があります。いまや子どもの存在は、若い親にとっては面倒な存在でもあるようです。

もちろんこれは極端なケースだと思いますし、多くの親は子どもを懸命に育てているわけです。「子はかすがい」などと言いますが、夫婦関係は子どもに対する愛情によって繋ぎ止められる面があります。ところが児童虐待の事件を知るにつけ、「子は足かせ」とでもいう風潮が感じられます。

結婚して子どもが生まれ、家庭を築くのが人としての幸せだという考え方が、これまで当たり前とされてきましたが、どうもそうではないようです。子どもを持つ夫婦は、子どものいない夫婦より幸せかというと、必ずしもそうではないというのです。

夫婦の間では、お互いが尊重し合い、寛容になることが大事だとされています。ほんの小さな、ちょっとしたことに、お互いを気遣う姿勢があれば、夫婦関係は深い結びつきを続けることができ、それこそ幸せな関係といえるでしょう。

ところが子どもができると、親子関係が夫婦関係に優先されてしまい、子どもに対する親の愛情がまず先にでて、夫婦お互いの愛情が抑えられるようです。

初めての子どもができると、まず性生活が変わります。そして子どもに気を使い、パートナーへの気遣いが少なくなります。普通でもお互いに忙しい毎日を送っているのに、子どもができるとなおさらです。どうしても子ども中心の生活になります。そして、日本はもちろん、オーストラリアでも、育児は母親任せの家庭が多いようです。

このほど導入された育児休暇制度で、男性も子どもの世話のために休暇を取得することが当たり前になりつつありますが、社会に定着するまでにはまだ時間がかかるようです。まだ当分は、妻であり母親である女性が頑張ることになります。

女性はそれでも幸せな家庭を築くために良妻賢母の役割を演じようと努力しますが、男性はどうしても、仕方なく無理してやってあげているんだと思いがちです。ここに男女の違いが如実に現れます。このズレが深まっていくと、最悪の場合は離婚にまで至ります。

こうなると、「baby makes…. trouble」となってしまいます。そのため、必ずしも子どものいるカップルが、子どものいない夫婦に比べて、幸せだとはいえないわけですね。もちろん子どもの有る無しに関わらず、パートナーを思いやり、気遣う心があれば、夫婦の関係は幸せとなります。

ひとり親の場合はどうしても身近にパートナーとの関係がないために、孤立してしまい、幸せを実感する度合いが低いとされています。それは可哀想だとなりますが、ただし、その人が年収6万ドル以上の場合は、子どものいるカップル同様の幸せを感じるようです。

そうなると、結局、お金なの? 子どもの存在はどうなの? 疑問が残りますが、夫婦関係でいえば、例えば、花を贈るといういかにもの行為でも、意外と効果が大きいものです。ちょっとした気遣い、優しい言葉が、カップルの間の潤滑油となるのですね。

そうすると、子どもの有る無しに関わらず、生活が安定していて、パートナーや友人などと良い関係を保つことが、幸せなカップルでいられる条件ということになります。

子どものいない私には、花を贈る習慣を身につけるのが、一番のようです。

(水越)

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