中国新聞網は、オーストラリアのホテル事情について、
多くの中国人観光客が「ひどい」と感じているとする評論記事を掲載した。
記事は、「星つきのホテルであってもチェックインに5分以上待たされる、
インターネットができなければファックスも送れない、スタッフも見つからない。
焦る客に対して、従業員たちはのんびり」
という状況が、オーストラリアを訪れる中国人観光客にとって「珍しいことではない」と紹介。
「5つ星ホテルの3つ星サービス」と中国人観光客に揶揄(やゆ)されているとした。
そして、オーストラリアは自然や地理環境の良さから
中国人の国外旅行の人気スポットになっている一方で、
ハードとソフト両面のサービスが深刻なネックとなっており、
観光地としての名声を傷つけ始めていると論じた。
今後10年でオーストラリアを訪れる中国人観光客の数は倍増し、
市場価値も70-90億オーストラリアドルに達するとの予測があり、
観光業が資源開発業に続いて
「中豪経済貿易協力発展の新たな担い手となる」との見方もある中で、
中国人観光客の評判を落としているというのはオーストラリアにとって頭の痛い問題だ。
しかし、「政府レベルの壮大な志し」とは裏腹に、
観光業界はまとまりとやる気に欠けているようだ。
オーストラリアのあるコンサルティング企業CEOは
「中国人観光客は日本人観光客の倍のお金を使ってくれる。
それなのに然るべきケアができていない、
中国語ガイドやインフラ設備などの不足は深刻だ」と指摘した。
オーストラリアホテル協会のクロケット会長は
「中国人観光客の意見により耳を傾ける一方、
中国の同業者とさまざまな交流や協力を図るべきだ」と語り、
中国のホテル業界関係者も
「中国人観光客の習慣や好みを知る、という経験が不足している」として、
今後両国のホテル業界が協力して市場を開発していくことに期待を寄せた。