”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート) |
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Joe Tsuda のプロフィール
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。
豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。
趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
今週の主な予定、イベント
2/6(月)豪州12月小売売上高、ブラード・セントルイス連銀総裁講演、フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
7(火)RBA理事会(4.25%→4.00%、0.25%利下げ予想)、米大統領共和党コロラド、ミネソタ、ミズーリ州予備選
8(水)NZQ4失業率、独5年債入札、ウイリアムズSF連銀総裁講演
9(木)中国1月PPI・CPI、英12月鉱工業生産、BOE理事会、ECB理事会―ドラギ総裁定例会見、米新規失業保険、米・伊首脳会談(ホワイトハウス)
3(金)英1月PPI、米2月ミシガン大学消費者信頼感指数、ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
マーケットの焦点
キーワード― 欧州債務問題(ギリシャ債務交換協議の行方)、米国1月雇用統計(改善)と金融政策、円高の行方?
先週の株価は日本や豪州で若干前週末比下げましたが、その他主要国で上昇する一方、商品相場はやや反落しました。
また前週の米FOMCにおける超低金利継続声明を受けて米ドルが軟調推移したことがユーロや豪ドルなどのリスク通貨を押し上げる局面がありましたが、一方ギリシャの債務交換協議もなかなか合意には至らず、ユーロも買い進めない状況となりました。
金曜日に発表された1月の米雇用統計は失業率が8.5%から8.3%に改善し、しかも非農業部門就業者数が150千人増加の予想に対して243千人増加するなど、強い数字となったことが週末に向けて米ドル買戻しを誘いました。
ギリシャの債務交換協議は今週も継続されますが、パパデモス首相退陣の可能性も示唆されており、不透明感が否めません。
また本日日本時間午後7時までにギリシャ政府は第二次支援策受け入れの是非をトロイカ調査団(ECB、EU、IMF合同)に回答する必要があり、ギリシャ政府も正念場を迎えます。
また上記のように米国1月の強い雇用統計を受けて、FRBタカ派のフィッシャー・ダラス連銀総裁は「14年までの超低金利政策維持に反対、追加の資産買い入れは正当化されない」と述べる一方、ハト派と目されるブラード・フィラデルフィア連銀総裁も「予想外の景気の底堅さはQE3の可能性を弱めている。2014年以前に利上げが実施される公算」と述べており、FOMC直後に早くも金融緩和策に対する疑問の声が上がっている点注目に値します。
1月末に78円台まで上昇したドル円は再び76円台に反落しています。
78円台への上昇要因として日本企業による海外企業買収観測が伝わりましたが、それら実需も一巡し、再び需給面では円買い需要が指摘されます。たとえば原子力賠償支援や震災の復興資金需要による本邦金融機関や機関投資家のリパトリ観測による円買い需要です。
一方、円売り材料は中東リスクによる原油の高騰や、2月に発表される日本の第四四半期GDPがマイナスになるとの観測、更には76円割れでの政府・日銀の円売り介入などです。
先週IMFは2/6-2/13の日程で日本に使節団を派遣し、急激な円高や欧州債務問題が日本経済に及ぼす影響について協議することを明らかにしています。
今週財務省によるQ4の為替平衡操作実施状況が発表になりますが10/28-11/28に9兆916億円の円売り介入を実施していますが、その後の覆面介入の有無が確認できるためその結果が注目されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0525-1.0794 AUDYEN 80.52-82.61
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0550-1.0850 AUDYEN 80.50-83.50
今週の豪ドルは上部の利食いと、下部の押し目買いで揉み合う展開でしょう
先週の豪ドルは週初欧州不安が再燃しリスク許容度が低下してユーロが下落した流れに沿って軟調裡にスタートしましたが、発表されたナショナル オーストラリア銀行(NAB)の企業信頼感/景況感が予想を若干上回ったことや、発表された1月の中国製造業PMIやユーロ圏PMIが予想を上回ったことから反発に転じました。
金曜日には1.08台手前の今年の高値を付け、また対円でも82円台半ばまで上昇しましたが、発表された強い米国1月雇用統計を受けて、米ドルが対主要通貨で上昇したことから一時1.06台後半、81円台半ばに小緩み、結局NYダウの反発からリスク選好の動き強まり、1.07ドル台後半、82円台半ばまで値を戻して越週しました。
ただ今週は再び欧州不安からユーロが軟調裡にオープンしていること及び、発表された12月の豪州小売売上高が前月比-0.1%(予想+0.2%)と好調だと伝えられたクリスマス商戦にもかかわらず弱い数字となり1.07台前半、82円台前半に小反落しています。
本日の弱い12月小売売上高の影響は今のところ限定的ですが、明日は利下げが予想されるRBA理事会を控えています。
ただ、たとえ利下げがあったとしても、主な原因は国内要因と言うよりは欧州情勢など海外要因であることや、日欧米の超低金利が当面継続しそうなこと、更には利下げ後のキャッシュレート4.0%は依然先進国中最高水準にあることなどから金利格差の極端な縮小とはならないでしょう。
むしろシカゴIMM通貨先物取引の豪ドル買いコントラクト(1/31付)は依然増加しており、リスク通貨間でも豪ドルのユーロやポンドに対する優位に著変はありません。
明日利下げで反落した局面はむしろ豪ドル”押し目買い”のチャンスかもしれません。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j
サンプル例を添付させて頂きます。
・現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
・外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!
本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、
それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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