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ヨーグルトは植物から

子どもの頃は遊びが仕事で、勉強なんかしないで、毎日遊んでいました。少し大きくなると、今度は先生が嫌いで勉強も嫌いになり、結局遊んでいました。大きくなると好きなことは勉強しても、関心のないことは知らんふりで、やっぱりあまり勉強しませんでした。

そんなわけで、子どもたちに「勉強しないとだめだよ」なんて言える立場ではありませんが、でも、あまりに知識がないと、そんなことではだめだよと言いたくなります。

先日、新聞に、小・中学校の6年生と10年生を対象にした全国調査の結果が載り、それによると食品に対する基本的な知識がほとんどないということが明らかになりました。

6年生の75%、10年生の40%が、綿は動物から採れると思っています。また、6年生の27%は、ヨーグルトが植物から採れると思っていて、10年生でヨーグルトが工場で生産されていると回答したのはわずか13%でした。

学校では、6年生の53%が学校菜園での実習を体験しているのですが、なかなか知識になっていないようです。

また、10年生の37%は、農地では野生生物は棲息できないと考えています。それに6年生と10年生の多くの生徒が、材木は主に原生林から得られると思っています。

この調査は、子どもたちの農産物に対する知識を知ろうということで、Primary Industries Education Foundation(第一次産業教育基金)の依頼で行われたのですが、結局、子どもたちが学校のランチに持っていくパンやチーズ、バナナが農産物だと知っている子は6年生で半数以下の45%しかいないということが分かったのです。

専門家は、非常に基礎的、基本的な知識が不足しているのは問題だとして、もっと農産物や食べ物の流通過程を学んでもらう必要があるとしています。

結局、これは社会の都市化による弊害なんでしょうね。オーストラリアに限らず、日本でも都会の子どもたちにとっては、自然が身近にないために、基本的な知識が不足していることが指摘されています。

いまでは小学校の子どもたちが学校単位で、田舎に行って田植えの体験学習をしたりするほどですから、深刻な問題なんですね。

小さい頃、ご飯を残したり、食べ物を粗末にしたりすると、よく母親に、「お百姓さんに申し訳ない」と言われました。こんな言葉が死語になるほど私たちの生活が変わってしまいました。

ゲームには強くても、周りの身近な生活の知恵や知識に欠けていると問題ですね。これから先、どうなるんでしょうか。

(水越)

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