”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート) |
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Joe Tsuda のプロフィール
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。
豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。
趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
今週の主な予定、イベント
6/4(月)英国休場、日銀白川総裁講演、ユーロ圏4月PPI、米4月製造業新規受注
5(火)英国休場、RBA理事会(25bp利下げ予想)、豪州第一四半期経常収支、ユーロ圏4月小売売上高、カナダ中銀政策会議、米5月ISM非製造業景況指数、地区連銀総裁講演(エバンス・シカゴ連銀、フィッシャー・ダラス連銀、ブラード・セントルイス連銀)
6(水)豪第一四半期GDP、ユーロ圏第一四半期GDP改定値、ECB政策金利、米地区連銀経済報告書(ベージュブック)、地区連銀総裁講演(ロックハート・アトランタ連銀、ウイリアムズSF連銀)
7(木)豪州5月雇用統計、BOE政策金利、米新規失業保険、バーナンキFRB議長上下合同経済委員会で証言、地区連銀総裁講演(ウイリアムズSF連銀、ロックハート・アトランタ連銀、コチャラコタ・ミネアポリス連銀、フィッシャー・ダラス連銀、イエレンFRB副議長)
8(金)日本第二次四半期GDP第二次速報値、日本4月国際収支、豪州4月貿易収支、英5月PPI、カナダ5月雇用統計、スティーブンスRBA総裁講演、英中銀インフレ報告、ブラジル中銀議事録、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
マーケットの焦点
キーワード―欧州問題(ギリシャの再選挙に対する世論調査、スペインの銀行問題)、英・欧・米・中の金融緩和観測、日銀覆面介入(?)と日本の格下げ問題
先週も欧州ソブリンリスクや米国の弱い5月雇用統計を受けてリスク回避の動きが更に高まり、世界的に株価や商品相場は年初来の安値を更新しています。
欧州不安も17日のギリシャの再選挙を控えて、ギリシャのみならずスペインの銀行不安や格下げ問題、その他周辺国の財政懸念に加えて今後欧州共同体の財政統合問題に関する意見も聞かれましたが、いずれにしても簡単に片付く問題ではありません。
ギリシャの世論調査では財政緊縮派が反緊縮派をややリードしているようですが、17日まで紆余曲折が予想されます。
一方、先週金曜日に発表された米国の5月雇用統計は、非農業部門就業者数が15万人の増加予想に対して6万9千人に留まり、失業率も8.2%に1ポイント逆戻りするなど、非常に失望を誘う結果となりました。
欧州や英国や中国の景気減速懸念から金融緩和観測が高まっていますが、回復期待のあった米国もこのあり様で、再び量的緩和第三弾(QE3)観測が高まるのは必至です。
今週はバーナンキFRB議長の議会証言をはじめとして、多くの地区連銀総裁の講演が予定されますが、その内容が大いに注目されます。
またフィッチは5月下旬に日本の消費増税審議に切迫感がないとして日本の国債格付けを引き下げましたが、現在の政局混迷で更に決断が先送りされるようであればムーディーズやS&Pも格下げに追随する可能性があります。
先週金曜日の米雇用統計発表後にドル円が77円台に下落した折に、日銀の覆面介入のうわさが流れてドル円は1円ばかり急反発しましたが、増税に追い打ちをかける再度の円高は政府日銀も許容できるところではなく、78円割れでは日銀の覆面介入の可能性が高まるでしょう。
全般的にはリスク回避色を払しょくする材料に事欠く状況ですが、ギリシャの財政緊縮派の勢力を増大する場合には、巨大に膨れ上がったユーロショートポジション(売りポジション)の巻き戻しを誘う可能性がある点には注意したいところです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9581-0.9897 AUDYEN74.48-78.66
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9500-0.9800 AUDYEN 74.00-77.00
今週の豪ドルは”利食いの買い戻しと新規売り交錯”でしょう。当面の底値を確認できるか注目!
先週の豪ドルは前週末のギリシャ世論調査における財政緊縮派のリードや中国の刺激策に対する期待感から高値圏でオープンしましたが、スペインの格下げ(米イーガー・ジョーンズ)や中国が大規模な景気刺激策を導入しないとの見方、更には発表された5月の中国製造業PMIが不冴えであったこと、極めつけは金曜日の米雇用統計が弱かったことで、リスク通貨豪ドルも一時0.95台後半、74円台半ばまで続落しました。
また発表された国内指標も4月の小売売上高、住宅建設許可件数と軟調な数字が続き、6月の追加利下げ観測が高まったことも豪ドルを圧迫しました。
今週は明日のRBA理事会をはじめ、Q1の経常収支、Q1GDP、5月雇用統計、4月貿易収支と多くのイベントが予定されます。
中でも明日のRBA理事会がメインイベントですが、市場予想は25bpの利下げが主流で、一部は5月に続いて50bpの利下げを予想しています。
スティーブンスRBA総裁は以前から「利上げや利下げは状況に御応じて柔軟に行う」と発言していますが、少々行き過ぎるキライがあり、今回も”下げ過ぎ”がや心配されるところです。
今回もし50bpの利下げが行われてキャッシュレートが2.75%となれば、国債利回りももう一段下がるでしょうし、海外投資家の豪ドルに対する興味も一気に失せることとなるでしょう。
内外ともにまだ豪ドルの底値確認となる材料が見出せませんが、ギリシャがユーロ圏にとどまることになってギリシャのデフォルト懸念が遠きユーロが反発地合いとなれば、豪ドルもフォローする可能性が出てきます。
ただその前に50bpの利下げが明日行われるのであれば、豪ドルの反発は極めて鈍いものとなるでしょう。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。
http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j
「29_december_2010.pdf」をダウンロード
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!
本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、
それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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