シドニー日本商工会議所主催のシドニービジネス塾が、2012年8月13日(月)、シドニー市内の日本貿易振興機構(ジェトロ)シドニー事務所会議室にて開催された。
今回のビジネス塾では、「チャイナ・ジレンマと『境界国家』論」と題して、小原雅博 在シドニー日本国総領事による講演が行われた。
近年、オーストラリアでも経済・投資の分野をはじめ、中国の存在感は非常に大きくなっている。そこで、中国の政治・経済・社会の現状と課題を整理し、その行方を展望し、中国の台頭がもたらす経済チャンスと政治・安全保障リスク(「チャイナ・ジレンマ」)にどう向き合うかについて、小原総領事が、ビジネス界の代表者などに向けて具体的に語った。
会場には、シドニー日本商工会議所会員企業の代表者をはじめ、約50人ほどの日本人ビジネスパーソンが参加して、熱心に小原総領事の話しに耳を傾けていた。
小原総領事は今日の中国の現状を解説しつつ、経済大国として発展する中国は、かつて世界に君臨した中華帝国の復興であり、まさに「大復興」する中国ととらえるべきだと述べ、また、その中国に経済的に緊密な関係を保つ「アジア回帰」する米国との狭間で、いわば「境界国家」としての日本の戦略はどうあるべきか、と疑問を呈して、これまで外交官としてアジア太平洋外交に携わってきた小原総領事がその経験と信念から、今後の日本の対中外交の戦略などを語ってくれた。
また、講演の後は会場からの質疑応答を受けて、小原総領事がさらに具体的に中国問題を解説してくれた。
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講演される小原総領事 |
メモを取るなど熱心に耳を傾ける参加者 |
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