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パースで近所の8歳の子どもの顔を平手で叩いた62歳の男性に1000ドルの罰金が科さられた。
なんでも、複数の子供たちがこの男性の家のインターンホンを鳴らしては走って逃げるいたずら、いわゆるピンポンダッシュを1週間のうちに少なくとも5回、2か月に渡ってしていたそう。男性はこのいたずらにたまらず子どもの顔を平手で5回ほど叩いた。検察や警察は起訴はせずに解決しようとしたが、子どもの母親がそれを許さず、法廷で解決されることになった。
昨年12月のある日、午後5時半頃に事件はあった。いつもの通りピンポンダッシュの被害にあった男性は、「いい加減にしろ!」とまず子供たちを怒鳴った。しかし、15分後またピンポンが鳴った。男性はたまらず路地に逃げる子供たちを追っかけ、一人の子供の肩を掴み、「もう2度とするな!」と言って顔を4、5回叩いた。弁護人によると、2人の子どもの父親でもある男性は、力も加減しており、叩いた子どもを傷つける意図はなくあくまで‘しつけ’の範囲内であったとのこと。
WA州の刑法第313条では、この種の傷害罪は最高で18ヶ月の懲役と1万8千ドルの刑が科される可能性があった。男性は子供の顔を叩いたという事実を認めていたため、判決の中では様々な要素が考慮されて量刑が決定された。まず、加害者自身が長期にわたって被害者の子どものいたずらの被害にあっており、加害者が怒る原因を作ったことが明らかであったこと。また男性は武器を使うなどの残酷な行動は一切していないこと。子どもも叩かれたことによる傷はなかったこと。そして、男性が叩いた子どもを母親のもとへ連れて行ったという責任ある行動も評価された。また、男性は前科もなく、人柄は世間での評判も良かった。被害者が子どもという社会的弱者であるという点が唯一男性には不利な点であった。
弁護人によると、判決後には男性のもとには60通を超えるEメールが寄せられ、2通を除いては、男性に同調するものだそう。罰金を肩代わりするという人も多く現れたということを見ても、しつけと体罰に対して世間の考えは様々であることがうかがえる。
実際に、事件のあった12月以降、男性はピンポンダッシュの被害にあっていないとのこと。私自身1歳になったばかりの長男がいる母親としては、しつけについて改めて考えさせられる事件でした。
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