今週の主な予定、イベント
9/3(月)米国休場、豪州7月小売売上高、豪州8月TD Securitiesインフレ指数、中国8月HSBC製造業PMI(final)、イタリア8月財政収支
4(火)RBA理事会(金利据え置き予想)、ユーロ圏7月PPI、米8月ISM製造業景気指数、仏伊首脳会談、米民主党大会(~8/6)
5(水)豪第二四半期GDP、ユーロ圏7月小売売上高、カナダ中銀政策金利
6(木)豪州8月雇用統計、ECB理事会、BOE理事会、ユーロ圏第二四半期GDP、独西首脳会談、米8月ADP雇用者数、米8月ISM非製造業景況指数、米新規失業保険
7(金)NZ7月貿易収支、独7月貿易収支・経常収支、BOEインフレ期待調査報告、ギリシャ第二四半期GDP(改定値)、カナダ8月雇用統計、米8月雇用統計
マーケットの焦点
キーワード―欧州情勢、米国の雇用統計、中国景気の減速
相変わらず欧州―米国―中国の3極を中心に世界経済は動いていますが、夏休み明けで主要国の株価もやや調整反落気味です。
ギリシャ問題は9月のトロイカ調査団の結果を見る必要がありますが、先週もスペインへの全面支援の期待感が膨らみ、またECBに対する期待感も手伝ってユーロは1.26台、99円近辺まで反発しています。
また週末の米ジャクソンホールにおけるバーナンキFRB議長の演説で米国の追加緩和(QE3以外にも時間軸の延長など)が示唆されるとの思惑強まり米ドルは軟調地合いで、ドル円は78円台前半に下落し、上記のようにユーロを押し上げました。
一方中国の景気減速懸念根強く、前週発表された8月HSBC製造業PMIが弱く、また同行は中国の本年のGDP予想を8.4%から8.0%に、また来年も8.8%から8.5%に下げています。
8%台であれば他国に比べて随分高い数字ですが、やはり世界経済の牽引車としては市場は不満なのでしょう。
先週月曜日に温家宝首相は「経済は下半期に好ましくない状況になる。政府の景気支援政策の調整を加速とともに、企業の事業環境や景況感を向上させる」と述べています。
また週末発表された8月の中国製造業PMIも49.2(予想50.0、前回50.1)と減速しており、株価(上海総合指数)も年初の水準を下回っています。
指導部トップの交代が予想される10月の中国共産党大会に向けて、預金準備率の引き下げを含めて新たな景気刺激策が取られるか注目されます。
先週金曜日/土曜日の米ジャクソンホールにおけるバーナンキ議長の演説では「景気回復強化と労働市場の改善を促すために必要ならば追加緩和」と述べましたが、これは従来からの姿勢を繰り返しただけです。
ただ市場の追加緩和期待は収まらず、この従来のフレーズ繰り返しですら、”追加緩和示唆”と受け止める向きが多く、米ドルは週初から軟調地合いを継続しています。
5月、6月と大幅に雇用状況が悪化した米国ですが、7月の数字は雇用者数が+163千人にリバウンドしました。この流れが8月も継続しているのか?米景況、特に労働市場の先行きを占う上でも今週金曜日に発表される米国8月の雇用統計が従来にも増して注視されます。
また現在11月の米大統領選挙に向けて共和党のロムニー候補が躍進しているようですが、同氏は従来から「自分が当選すればバーナンキ議長は再任しない。更なる金融緩和はドルの価値を損ねる」と発言しており、今後米大統領選挙の行方も米金融政策を左右するものとして注目されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0276-1.0419 AUDYEN80.65-82.08
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0150-1.0350 AUDYEN 79.50-82.50
今週の豪ドルは依然下値テストの可能性がありますが、徐々に底入れでしょう
先週も豪ドルは8月上旬以来の下げトレンドを継続し7月下旬以来の安値1.02台半ば、80円台前半まで値を下げました。
上述のように中国の景気減速懸念及びその影響が大きい商品相場(特に鉄鉱石や石炭などの資源価格)の下落が大きな要因ですが、発表された国内指標、Q2の建設活動(前期比-0.2%、予想+0.5%、前回+7.8%)や7月の住宅建設許可件数(-17.3%、予想-5.0%、前回-2.5%)が不冴え、また注目されたQ2の民間設備投資は+3.4%と予想値+3.0%を若干上回りましたが、前回の7.7%からは縮小が明らかで、これら国内指標も豪ドルを圧迫しました。
また本日発表になった7月の小売売上高も-0.8%(予想+0.2%、前回+1.0%)と弱く、今週水曜日に発表されるQ2GDPや木曜日の8月雇用統計が不安視されます。
このように国内経済は7月の頃の底堅さが失われつつありますが、明日のRBA理事会では、欧州不安の一服もあり金利据え置き予想が強いようです。
8月上旬以来軟調推移してる豪ドルですが、これはむしろ6月からの大幅上昇に対する調整局面ととらえることができると思います。
ただ中国情勢、欧州情勢共に不確定要因多く、足元軟調地合いを継続する可能性はありますが、豪州の比較優位(金利格差、景気格差)は変わらず、中国・欧州両情勢共に余程のデザスターとならない限り、豪ドルは徐々に底入れする可能性があるものと思われます。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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