今週の主な予定、イベント
9/10(月)日本Q2GDP(確報値)、日本7月国際収支、中国8月貿易収支
11(火)夏季ダボス会議、サマラス・ドラギ会談、第67回国連総会開幕、米7月貿易収支、米同時テロから11年
12(水)ユーロ圏7月鉱工業生産、独連邦憲法裁判所ESMと新財政協定の合憲性判断、オランダ総選挙
13(木)米FOMC結果発表、NZ中銀政策会議、スイス中銀政策会議、仏オランド大統領講演、ECB月報、米8月PPI、米新規失業保険申請件数
14(金)ユーロ圏8月CPI、米8月CPI、米8月鉱工業生産/設備稼働率、ユーロ圏財務相会合
15(土)EU財務相会議
マーケットの焦点
キーワード―12日(水)独憲法裁判所の判断、13日(木)早朝FOMC結果発表、中国景気の減速懸念
今週も欧州―米国―中国の3極を中心に忙しい週となりそうです。
先週もECB理事会、そして金曜日の米国8月の雇用統計という2大イベントがありました。
結果は予想されていたこととはいえECB理事会において”国債購入プログラム”の決定が発表され、市場は歓迎ムードに沸き上がりました。
逆に期待感が高かった金曜日の米国の8月雇用統計は、失業率こそ予想値8.3%から8.1%に改善しましたが、非農業部門就業者数(NFPR)の伸びは予想値120千人に及ばず+96千人に留まりました。
ただ逆に弱い米雇用指数から追加緩和期待が高まり、ECB理事会での決定事項を好感したリスク選好の動きと相まって、世界的に株価は週を通して値を上げ、また商品相場も堅調裡に終わっています。
またユーロは前週引け値の1.25台後半、98円台半ばから1.28台前半、100円台前半まで大幅上伸し、ユーロとは反対にこのところ軟調推移していた豪ドル、NZドル、カナダドルといったオセアニア通貨・資源通貨もユーロに連れ高になる形で、先週はボトムアウトしています。
さて、今週も独連邦裁判所における欧州安定メカニズム(ESM)と新財政協定に対する合憲性の判断が12日(水)に下されます。
市場では憲法裁判所は条件付きで合憲の判断を下し、スペインは10月上旬に欧州連合(EU)に対して金融支援を要請するという楽観的な見方が一般的ですが、もし予想に反して違憲との判断が下されれば、ESMの発足が先送りされ、欧州ソブリンリスクがまた一気にぶり返す可能性があります。
またもう一つの焦点は13日(木)早朝に発表される米国FOMCの結果です。
先週の弱い米雇用統計で再びQE3観測が高まっていますが、もしQE3発動となれば、やはり米金利低下からドル安となるでしょう。
その場合ドル円の77円台では日銀介入の可能性が高まります。
一方”異例の低金利政策”の時間軸を現行の2014年後半から2015年以降にずらす場合には、かなり予想されているだけにドル相場への影響は軽微でしょう。
また金融政策の現状維持の場合は、11月の米大統領選挙以降の12月まで追加緩和が先送りされるとの見方が強く(共和党陣営が勝利すれば従来のような金融緩和政策が取られない可能性もあるため)この場合にはドルは堅調推移するでしょう。
いずれにしても今後の米国金融政策は大統領選挙との絡みでとらえていく必要があると思います。
週末に中国の8月各種指標(CPI、PPI、鉱工業生産、小売売上高)が発表されましたが、CPIが前回の1.8%から2.0%に上昇し、小売売上高(前年比)が前回の+13.1%から+13.2%に上昇し、一方PPIは前内の-2.9%が-3.5%に更に低下し、また鉱工業生産は前月の前年比9.2%から8.9%に低下するなど、やはり全体としては不冴えの感が否めません。
中国も10月には指導部の交代が予定されますが、その時までに新たな財政・金融面での景気刺激策が発動されるか注目されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0166-1.0400 AUDYEN 79.67-81.77
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0200-1.0500 AUDYEN 80.00-83.00
今週の豪ドルは上値での利食い売りと、押し目買いの揉み合いでしょう
先週も豪ドルは水曜日までは、中国景気減速懸念や資源価格の下落を受けて前週からの軟調地合いを継続しましたが、木曜日のECB理事会における債券購入プログラムの決定で、地合いが一変しで急反発しました。
金曜日の弱い米雇用統計も本来であれば”リスク許容度の減少”ですが、むしろ”米ドル軟調”の裏返しとして豪ドル続伸となり、8月下旬以来の1.0400に一時タッチしています。
ただ豪ドル円は米ドル円が米雇用統計を受けて78円台前半に反落したことから、81円台後半から81円台前半に値を下げています。
先週はRBA理事会初め、7月の小売売上高、Q2GDP、8月雇用統計など重要国内指標が発表になっていますがRBA理事会では金利が据え置きとなりました。一方各種経済指標は総じて軟調であり、10月利下げ観測が一時高まりましたが、その後は欧州問題解決期待も高まり、10月以降の利下げの有無については再び不透明感が出ている状況です。
今週は上記のように独憲法裁判所の判断や米FOMC、更には中国景況などの国外要因が再びメインとなりますが、テクニカル(チャート的)にも8月上旬から続落した豪ドルも、取り敢えず先週で下値を確認した可能性が高いと思われます。
欧州問題が解決に向かえば欧州を最大の貿易相手国とする中国の景況感を改善させ、これは即ち中国を最大の貿易相手国とする豪州に恩恵を与えます。
ただ独の憲法判断が違憲とでもなれば、一気に欧州ソブリンリスクが復活する点は要注意でしょう。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/