今週の主な予定、イベント
9/17(月)日本祝日(敬老の日)、豪州8月新車販売、インド中銀政策金利、スペイン37.5億ユーロ国債償還、米9月NY連銀製造業景気指数
18(火)RBA議事録、英8月消費者物価、独9月ZEW景況感調査、地区連銀総裁講演(ラッカー・リッチモンド、ダドリーNY)
19(水)日銀金融政策決定会合、日本航空一部上場、英中銀議事録、米8月中古住宅販売・住宅着工・建設許可件数、バーナンキFRB議長上院と非公式会合、ジョージ・カンザスシティ連銀総裁講演
20(木)日銀月報、日本8月通関ベース貿易収支、英8月小売売上高、ギリシャ16億ユーロ国債償還、スペイン66億ユーロ国債償還、米新規失業保険、米9月フィラデルフィア連銀景況指数、伊西首脳会談、地区連銀総裁講演(ローゼングレン・ボストン、ロックハート・アトランタ、ピアナルト・クリープランド)
21(金)地区連銀総裁講演(ブラード・セントルイス、ロックハート・アトランタ)
マーケットの焦点
キーワード―欧州重要イベントのその後、米国QE3のその後、次は日本か??中国の反日運動
先週は独連邦憲法裁判所による新財政協定とESMの合憲判断と米FOMCにおける量的緩和第三弾(QE3)の発表という二大イベントがあり、市場はこれらの結果を好感して株式市場-債券市場-商品相場は”トリプル高”となりました。
またリスク選好の動きを反映してユーロは1.31台後半、103円台まで急伸し、欧州通貨や資源通貨も総じてユーロにフォローして上昇しています。
また米国のQE3の後一時77円台前半まで下落したドル円も、週末に向けてはリスク選好や今週の日銀会合における追加緩和期待から78円台前半まで反発しています。
欧州問題では最大の資金拠出国ドイツ(全体の約三分の一)におけるESM合憲判断がなされ、問題国救済に対する期待感が大幅に上昇しています。
ギリシャに関するトロイカ調査団の報告が遅れており、新規融資が11月にずれ込むとの見方や、早くもギリシャは第三次支援を必要としているという憶測まで出ており、一方次の焦点と目されるスペインの国債購入要請も、ラホイ首相は「スペインは支持要請を検討しているが、国自体の救済の可能性は全くない」と述べるなど、国別対応では引き続き紆余曲折が続きそうです。
ただ救済手段としてのESM発足に大きく前進したことから、ユーロ危機は最大の山場を越したものと思われます。
ユーロ相場に関しては、年初の高値1.34後半、111円台半ばから7月には1.20台半ば、94円台前半まで落ちた後、先週は1.31台、103円台とユーロドルの戻りが顕著であり、各国別の諸問題も山積していることから足元の上値は限定的かもしれません。
ただドル円が依然として軟調地合いにありますが、今後反発に転じる場合にはユーロ円の上昇余地が出てくる可能性があります。
先週はFOMCでQE3が発表され世界的にリスク許容度が高まりました。
今週も多くの地区連銀総裁講演がありますが、大半がいわゆる”ハト派”総裁であり、おそらくはQE3サポート論に終始することでしょう。
ただ11月の大統領選に向けて現在ロムニー共和党候補(反バーナンキ路線)が支持率を伸ばしており、今後は金融政策に対する議会の論争も注視していく必要があります。
QE3を敢行したバーナンキ議長自らも量的緩和政策の副作用を認識し、FOMC後の会見でも「金融政策は万能薬ではない」と述べています。
先週発表された米国の8月鉱工業生産は約3年ぶりの低水準となりました(前月比-1.2%、予想0.0%、前回+0.5%)。今週発表される各種住宅関連指標が注目されます。
先週のFOMC直後にドル円は77円台前半まで下落し、その後”日銀レートチェック”の噂が流れました。また今週の日銀会合における追加緩和期待もあり78円台前半に反発していますが、逆に日銀が追加緩和に踏み切らない場合にはドル円が再度反落し、日銀介入の可能性をテストする可能性があります。
ただ今週発表される8月の貿易収支(通関ベース)は7月の-5,189億円を上回る赤字が予想され、加えて消費税増税法案可決、政局混迷、更には領土問題を巡る中国での大規模な反日運動など、「円売り材料」が増加しているように思えます。
政府は景気判断を2カ月連続で引き下げしていますが、欧州の前進、米国のQE3に続いて次は日本への金融緩和圧力が高まる可能性があります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0449-1.0624 AUDYEN 80.68-83.08
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0350-1.0650 AUDYEN 81.00-84.00
今週の豪ドルは基本的に堅調でしょうが、1.06、83円aboveでは利食い圧力が強まるでしょう
先週豪州国内では8月NAB企業景況感(+1、前回-3)・信頼感(-2、前回+3)、WESTPAC消費者信頼感(98.2、前回96.6)、Q2建設活動(+4.6%、前回-0.2%)などが発表になりましたが、やはり主要材料は欧米中三極中心でした。
週初に発表された中国8月貿易収支で輸入が大きく落ち込んだこと(前年比-2.2%)が嫌気され豪ドルは軟調推移しましたが、さすがに独における合憲裁判と米国のQE3により、リスク選好の動きが高まり豪ドルは一時1.06台前半、83円台まで上昇しました。
ただユーロの続伸ムードに反して豪ドルの上値は前回の高値1.06台、83円台で塞がれる形です。
結果として8月に0.86台まで上昇した豪ドル/ユーロ相場は0.80台前半まで値を下げています。
米国の追加金融緩和を受けて商品相場が堅調推移し、また中国が前週発表したインフラプロジェクト(1兆元規模)の話もあって鉄鉱石が最近の安値トン当たり85ドルから100ドルを回復しているのも豪ドルにとっては朗報。
ただ欧州危機の軽減や中国の景気回復までの道のりはまだ遠く、ここで豪ドルが1.06台、83円台を大きく上抜く展開となれば再び”豪ドル高弊害論”が高まるのは必至でしょう。
基本的にはリスク選好を受けて豪ドル堅調を予想しますが、何か悪材料が出れば調整反落する可能性は否定できません。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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