今週の主な予定、イベント
10/22(月)日銀地域経済報告書、日本9月通関ベース貿易収支、米大統領候補第3回討論会
23(火)香港市場重陽節で休場、カナダ中銀政策会議、グリーンスパン前FRB議長講演
24(水)豪州第三四半期消費者物価指数、独10月ifo景況感指数、米9月新築住宅販売件数、ドラギECB総裁独議会で債務危機について講演、米FOMC、NZ政策金利
25(木)英第三四半期GDP、米9月耐久財受注、米9月中古住宅販売成約件数、米新規失業保険申請件数
26(金)日本9月消費者物価指数、米第三四半期GDP
マーケットの焦点
キーワード―欧州問題(スペインの支援申請とギリシャの第二次支援問題)、中国指導部交代と景気刺激策、日銀会合と9月貿易収支、米FOMCと大統領選挙
先週もEUサミットや、米企業決算、米大統領候補の討論会などのイベントがありましたが、総じてリスク選好色強く世界的に株価は堅調推移しました。ただ米企業決算でハイテク関連(グーグルなど)が不冴えであったことからナスダックは前週比やや値を下げています。
EUサミットでは銀行監督の一元化を軸に前進し、年内に枠組みを策定することが発表され、またムーディーズがスペイン格付けを据え置きにした(ジャンク級回避)ことから市場には安心感が広がりました。
米大統領候補の第二回討論会は前回とは逆にオバマ大統領がやや優勢な結果となっていますが、本日の第三回(最終)討論会が注目されます。
11月に向けて欧州問題ではスペインの支援要請の有無、またギリシャの第二次支援がスムーズにいくか注視されますが、独のメルケル首相は引き続きスペインの銀行への直接支援(資金投入)には否定的ですし、ギリシャについても、サマラス首相の楽観的発言とは逆に未だにユーロ離脱説が囁かれています。
中国では11/8の第18回共産党大会で新指導部が決定する予定ですが、それまでにドラスティックな新たな景気刺激策が発表される可能性は少ないでしょう。先週発表された第三四半期のGDPは前期の7.6%から7.4%に更に減速しましたが。同時に発表された9月の鉱工業生産や小売売上高は久しぶりに予想値をやや上回っており、Q4における景気回復期待も聞かれます。
先程発表された日本の9月通関ベース貿易収支は対中輸出の落ち込みなどから予想値-5429億円に対して-5586億円の赤字となり、貿易収支の赤字傾向定着が鮮明になっています。
更に10/30の日銀会合では発表される”展望リポート”で実質経済成長率や物価上昇見通しが下方修正される見込みで、資産買い入れ基金を80兆円から10-20兆円増額するとの観測があり、これらの貿易赤字や追加緩和策は円安傾向に拍車をかける可能性があります。
本日米国ではオバマ大統領・ロムニー候補の選挙前最後の討論会が予定されています。前回はオバマ優勢でしたが、”変化を求めて”ロムニー氏を支持する勢力もあり両勢力は依然として拮抗しています。
今週行われるFOMCでは先月のFOMCでQE3が発表された後で、大統領選挙の直前でもあり、金融政策は現状維持となる見込みです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.02.02-1.0411 AUDYEN 79.96-82.52
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0150-1.0450 AUDYEN 80.50-83.50
今週の豪ドルは先週の上値確認で反落の可能性がありますが、下値は根強い押し目買いでサポートされるでしょう
上述のように先週はリスク選好ムードもあり豪ドルは一時1.04台前半、82円台半ばまで上昇しましたが、後半はやや失速し、今週は1.0300近辺、81円台後半でスタートしています。
先週の豪ドル堅調の背景となったリスク選好材料として、国慶節明けの中国の景気テコ入れ期待から、鉄鉱石価格が反発に転じたこともありました。
ただ、今朝豪州政府は2012/13財政年度のGDP予想値を3.25%から3.00%に下方修正(2013/14は3.00%で据え置き)しており、やはり欧州債務問題や中国の景気スローダウンに対する警戒感が強いようです。
今週はまた24日に第三四半期の消費者物価指数が発表されます。
前回はアウトラインCPI(全項目)が前年比1.2%、RBAの注視するアンダーライイングCPIが1.95%とRBAのターゲット2-3%を割り込んでいますが、Q3はややピックアップの可能性があります。
ガソリン価格など1.60ドル(1リットル)と史上高値を更新しており、シドニーなどは物価がかなり高いとの印象です。
9月雇用統計の強い数字にもかかわらず11月連続利下げ観測が相変わらず強いですが、連続利下げとなればキャッシュレートはリーマンショック後の史上最低レベル3.00%に並ぶ訳で、やや景気の現状からは違和感を感じます。
日々の相場の主流は依然として”リスク回避とその巻き戻し”ですが、やはり下がったところは個人投資家や各国中銀の資産分散投資意欲が豪ドルをサポートする展開で、大きな崩れは予想されません。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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