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2013年はアジアの時代の幕開け?

2011年から2012年にかけて、ヨーロッパ諸国の債務危機に生じた金融不安が世界的な経済不安となりました。唯一期待されていた中国の経済成長もここにきて鈍化しはじめ、世界経済の先行き不安が大きく報じられていましたが、さて、2013年はどんな年になるのでしょうか。

2012年後半から、中国や日本、韓国での政界トップの交代や政権交代があり、2013年は新たな気持ちでの政権運営が行われるものと思われますが、昨年来の経済不安を払拭できるのかどうか、注目されています。

オーストラリア政府は昨年、「アジア白書」を発表して、アジアは世界最大の生産拠点であり、また、一大消費地でもあるとして、今後のアジアとの経済関係が非常に重要になると見ています。そのためオーストラリアは、まず生産性の向上を図り、一人当たりGDPで世界のトップテンに入り、平均所得も7万3000ドルを達成するとしています。また、世界の教育制度や大学ランク、ビジネス環境ランクなどで上位に入り、アジア学習を取り入れて、少なくても中国語、ヒンディー語、インドネシア語、日本語のひとつを学べるようにするとしました。

この背景には、中国との資源貿易を中心に発展してきたオーストラリア経済があります。中国の経済成長の減速により多少かげりが見られますが、それでも中国やインドを含めたアジア地域の経済発展の可能性は今後ますます高くなると見られていて、オーストラリアとしても無視することはできません。

2012年12月、米国の国家情報局が発表した2030年の世界の情勢を示した報告書「Global Trends 2030: Alternative Worlds」によると、東アジアの情勢は、経済的には中国に、そして、安全保障面では米国に追随する方向で各国が動き、あくまでも米中関係がアジアを動かす大きな軸になるとしています。もはや日本のパワーは減退し、中国とインドが大きく成長すると見られ、今後世界は、米国、西欧、東アジアの三極による展開となり、中でも東アジアの発展、パワーが大きく世界の動向を左右すると見られています。

すでに高度成長を達し、「失われた20年」などと言われている日本にかつての力はなく、ますます少子高齢化社会に突き進む日本は、その社会構造の大きな転換が求められているようです。

オーストラリアは今後の東アジアの発展を見据えて、「アジア白書」で訴えたように、ますますアジアへ大きく舵をとって、さらに経済成長を遂げようともくろんでいます。例えば、観光産業で言えば、かつて1980年代から90年代にかけて日本人観光客が牽引してきたオーストラリアの観光業界ですが、その後の日本経済の減退で観光客が激減し、長らく次なる国が求められていました。それが、ここ数年、かつての日本人ツアーのように中国人ツアー客が大挙として押し寄せ、オーストラリア経済を支えるような状況が現れています。

このように2013年はアジア時代の幕開けのような感じがするのですが、もちろんそう簡単にアジアに眼を向けたからといって、即、経済発展につながるわけではありません。中国との急激な接近が、さまざまな場面で問題を起こしているのも事実です。そんな状況を乗り越えて、オーストラリアはうまくアジアと付き合っていけるのかどうか、今年は注目の年となりそうです。

 

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