今週の主な予定、イベント
1/7(月)ユーロ圏11月生産者物価指数
8(火)豪州11月貿易収支、ユーロ圏11月失業率・小売売上高
9(水)豪州11月小売売上高
10(木)中国12月貿易収支、ギリシャ10月失業率、BOE政策金利、ECB政策金利、米新規米失業保険、地区連銀総裁講演(カンザスシティー、セントルイス)
11(金)日本11月国際収支、中国12月CPI・PPI、英11月鉱工業生産、米11月貿易収支、地区連銀総裁講演(ミネアポリス、フィラデルフィア)
マーケットの焦点
キーワード:アベノミクス、日本の11月国際収支、円買い介入(?!)、米国債務上限引き上げ問題
年末にはギリギリのところで米財政の崖回避法案が可決され、年初にはリスク選好ムードが強まってNYKダウは2007年以来となる13,500ドル台まで上昇し、日経平均も2011年3月以来となる10,500円を回復しました。
係るリスク選好の円売りに加えて、年末の衆院選で圧勝した安倍自民党の掲げるアベノミクスが「円安・株高政策」を標榜したことも日本の景況感を好転させ、ドル円はリーマンショック後の高値88円台まで上昇し、円クロスも総じて同ショック以後の高値圏まで上昇しています。
今週11日(金)に発表される日本の11月国際収支では経常収支が前回の+3,769億円から-301億円に、また貿易収支も前回の-4,503億年から-8,310億円に赤字幅が拡大することが予想され、日本のリセッション入り(Q3、Q4GDPが連続マイナス)が確実視される中、実需面からの円買い需要の減退もドル円上昇を示唆します。
また本日麻生財務相は「欧州のESM債購入は円を含む通貨安定に資する。外貨準備を活用し購入する」と語り、ユーロ円相場が上昇した局面もありました。
ただドル円相場は昨年11月の80円割れから足元の88円台までほぼ一直線で上昇しており、その上昇速度の速さを懸念する声も聞かれます。
週末に麻生財務相は「投機的な円高・円安進行時に介入を実施しないとは言わない」と発言しており、目先調整の可能性も否定できません。
ただし、中期的にはまだ”ドル円上昇の道半ば”という気がします。
円安要因に加えて、今年は米景気回復期待や、米国のゼロ金利解除が従来予想より前倒しされるのでは?との思惑から米ドルの上昇余地が指摘されます。
ただ米ドルのアキレス腱はやはり米国の財政赤字問題です。
米国の連邦債務上限(16兆3,940億ドル)は昨年12月末時点で到達しています。2月下旬から3月下旬にかけて債務上限が引き上げられなければ米国のデフォルト(債務不履行)、格下げ懸念が高まりドルを押し下げる可能性がある点には留意すべきでしょう。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0364-1.0527 AUDYEN 89.24-92.84
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0300-1.0600 AUDYEN 90.00-93.00
今週の豪ドルは売り買い交錯でしょう
年末年始に豪州国内では大きなイベントはなく、豪ドルは主にユーロの動きに連れてアップダウンしました。
年末にかけては欧州不安軽減からユーロが上伸するのを横目に、豪ドルは本年のRBAによる追加利下げ観測や国内景気の不冴えからむしろ上値が1.04台と頭の重い展開でした。
しかしさすがに米財政の崖クリアによるリスク選好の動きを受けて再び1.05台を回復し、特に豪ドル円は92円台後半とリーマンショック後の高値まで上昇しました。
一部豪銀やエコノミストはRBAが現在3.0%と史上最低レベルにあるオフィシャルキャッシュレートを今年年末までに2%まで下げるとの思惑があります。
その背景はRBAが豪州の資源ブームが今年後半にピークアウトすると予測しており、資源産業から非資源産業へ産業構造の転換を円滑に行うためにも現行の金融緩和を継続すると読んでいる点です。
また今年世界経済が昨年の3.3%から3.6%にやや拡大幅を広げるのと反対にRBAは豪州経済は昨年の+3.3%から2.75%に減速すると予測している点も豪ドル先安感をはぐくんでいます。
ただ先進国中で政策金利は依然として相対的に優位にあり、また数が減りつつあるトリプルA格の豪州債は世界の中銀並びに個人投資家の人気を博している点も、豪ドルの大幅下落を阻止するでしょう。
本日発表された11月の豪州貿易収支は-2.637bioと予想-2.3bioを上回り(前回は-2.44bio)2008年3月以来の大幅赤字となりました。
明日発表予定の11月の小売売上高が注目されます。
また中国は昨年末都市化政策を発表したことから上海総合指数は反転上昇しつており、先週発表された各種PMI指数もそこそこで、鉄鉱石価格は154ドル(トン当たり)まで上昇して豪ドル相場をサポートしています。
ただ中国は新指導部のもとで安定成長路線を取りつつあり、今後爆発的な資源需要には結びつかないとの指摘があります。
足元豪ドルは対米ドルでは保合い推移が予想されますが、対円ではドル円の堅調地合いを受けて利食いをこなしつつ上値ターゲット93-94円近辺をテストする可能性があります。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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