今週の主な予定、イベント
1/21(月)米国休場(キング牧師誕生日)、オバマ大統領就任式、ユーロ圏財務相会合
22(火)日銀金融政策決定会合―政府・日銀共同声明、独1月ZEW景況感指数、スペイン短期債入札、ドラギ総裁講演、EU財務相理事会、米12月中古住宅販売件数
23(水)日銀月報、豪第四四半期CPI、英12月失業率、英中銀議事録、世界経済フォーラム年次総会
24(木)日本12月通関ベース貿易収支、米新規失業保険
25(金)白川日銀総裁講演、日本12月CPI、英第四四半期GDP、米12月新築住宅販売件数
マーケットの焦点
キーワード:日銀政策会合、ドル円90円台、米国債務上限引き上げ問題
ドル円がいよいよ2年7カ月ぶりに90円台に乗ってきました。
今朝は明日の日銀会合を控えた調整の動きで89円台半ばまで反落していますが、一部言われていた”90円天井”と考えるのは時期尚早のようです。
何度も指摘していますように日本のファンダメンタルズ悪化(第四四半期で景気後退―リセッション―入りした可能性、貿易収支・経常収支の赤字化、巨額の財政赤字など)に加えて貿易収支や経常収支の赤字化に伴う円買い需要の減退という、実需面からの円売りサポート要因もあります。
これに加えて明日の日銀政策会合ではインフレ目標値の引き上げや連続追加緩和観測が高まっています。
具体的には物価上昇目標を従来の1%から2%に引き上げることは確実視されており、達成手段としては:
・資産買い入れ等基金の増額10-20兆円(2カ月連続)
・日銀への銀行超過準備預金の利率引き下げあるいは撤廃
・買い入れ国債年限の5年程度の長期化
・資産買い入れの無期限、無制限化 など
これらの達成手段がポジティブ・サプライズを与えればドル円続伸、逆に消極的との印象を与えれば反落の可能性もあります。
いよいよドル円が90円台に続伸してきました。
政府閣僚の発言も先週は”円安デメリット”発言が報道されるなどして相場が振幅しましたが結局「過度の円高が是正される段階であるとの認識」が共有されているようです。
ただドル円が90円を越して更に続伸していけば先週も数多く見られた各国からの”円安けん制発言”が更に増えるでしょう。
米政府は現在債務上限引き上げ問題に追われてあまり円安問題に反応してはいませんが、日銀がアグレッシブな金融緩和を断行しドル円が100円を目指す展開となれば、日本を”為替操作国”に認定し、報復関税をかける、あるいはTPP参加を交換条件に突き付けるなどの手段を取る可能性も否定できません。
ただ市場の流れとしては1980年代の240円から昨年75円台まで歴史的な下落を見せてきたドル円も、円を取り巻く市場環境の大きな変化を受けて転換点を迎えつつあるのは事実だと思います。
本日オバマ大統領は2期目の就任式を迎えますが、米国では債務上限引き上げ問題が引き続き焦点です。
米連邦債務上限である16兆3940億ドルは昨年12月末時点で到達しており、債務上限が引き上げられなければ、2月下旬から3月にかけ米国がデフォルト(債務不履行)に陥るとの観測があります。
今週米下院は3ヶ月間の暫定的債務上限引き上げ法案を承認する見込みですが、承認がこじれる場合には再びドル売り材料視される可能性があります。
いずれにしても今週もドル円相場が市場の焦点ですが、ドル円が更に100円を目指して続伸するとの見通しが強まれば、本邦輸入業者はドル買い予約を前倒しで取るでしょうし、一方既に低い水準でドル売り予約をしている輸出業者は、輸出予約の買い戻しを図るでしょう。また本邦機関投資家は仕組み債などの円高ヘッジポジションの巻き戻しを考えるでしょうし、日本株式投資をしている海外投資家も円売りヘッジを行う可能性があるなど、円安が更に円安を呼ぶ展開もあり得ます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0485-1.0580 AUDYEN 92.47-95.02
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0400-1.0600 AUDYEN 92.50-95.50
今週の豪ドルは利食い売り一巡後は、下値が押し目買いでサポートされ反発するでしょう
先週の豪ドルはユーロにフォローして UPS & DWONSの不安定な展開でした。前週ECBのドラギ総裁会見で「利下げ要請なし」を受けてユーロが急伸しましたが、先週はユンケル・ユーログループ議長の「ユーロは危険なほど高過ぎる」発言でユーロが下落し、ノボトニー・オーストリア中銀総裁の「ユーロドルの現在の水準深刻な懸念ではない」で戻すなどユーロは不安定な動き。
豪ドルもこの動きにフォローし、特に木曜日発表された12月雇用統計が就業者数-5.5千人(予想+4.5千人、前回+17.1千人)と冴えない数字で安値1.05台割れ、92円台半ばまで反落しましたが、その後は反発し、結局豪ドル円は95円台のリーマンショック後の高値を付けるに至っています。
今週の国内指標では木曜に第四四半期の消費者物価指数が発表されますが、前期よりもやや弱いというのが事前予想です。前期比で+0.4%予想(前回は+1.4%)、RBAの重視するアンダーライイング・インフレーション(前期比)が予想+0.65%(前回+0.75%)です。
今回の12月雇用統計を受けて2月利下げ観測が高まっており、特に1.05台で豪ドル・ドルの上値を抑えるでしょう。
ただし下値圏では引き続き中銀の豪ドル債購入意欲や個人投資家の買いがサポートしそうです。
一方豪ドル円はドル円の振幅に連動して上下動しそうですが、利食い一巡後は再び95円をテストして上伸することが考えられます。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/