今週の主な予定、イベント
1/28(月)シドニー休場(Australian Day)、通常国会召集、米12月耐久財受注、米12月中古住宅販売
29(火)2002年下半期日銀議事録公表、インド中銀政策金利、豪州11月コンフェレンスボード景気先行指数、豪州12月NAB企業信頼感/景況感指数
30(水)スペインQ4GDP、米Q4GDP、米1月ADP雇用者数、米FOMC、NZ政策金利、モンティ伊首相講演
31(木)日本12月鉱工業生産、独1月失業率/失業者数、米12月PCEデフレーター、米新規失業保険申請件数
2/1(金)日本12月雇用統計、中国1月製造業PMI、ユーロ圏12月失業率、米1月雇用統計、米1月ISM製造業景況指数
マーケットの焦点
キーワード:ドル円91円台、米国週間(Q4GDP、FOMC、1月雇用統計)、中国1月PMI、欧州不安はどこに行った?
先週まで石破レンジと言って85-90円がドル円の適正レンジとか囁かれていましたが早くもそのレンジを飛び越えて、今週初から91円を巡る攻防が始まっています。
麻生財務相が「10-15円程度動いたからといって文句を言ってくるのはおかしい」と諸外国を牽制すれば、甘利経済再生相は「ダボス会議で円安誘導との批判は無かった。日本の政策支援の声があった」と現在の円安をサポートする発言をしています。
はたして今週も過去3週間続いた“週初の調整”がまた始まるのでしょうか?
振り返ってみれば1995年に当時の史上安値79円台をつけたドル円は、ミスター円(榊原財務官)指揮の介入の下年末には100円を回復し、これが1998年の147円までの上昇につながったわけですが、当時は大きく貿易・経常黒字に傾いていた中でのドル円大反発でした。
当時介入を指揮し、ミスター円と呼ばれた榊原氏が昨年のドル円75円時に、「ドル円は60円に行く」などと発言していたのが忘れられません。
経済学者にしては経済理論を度外視した円高発言と言えますね?
さて、このドル円の上昇。まだ始まったばかりですが、繰り返しになりますが90円から100円への道のりは意外と遠いかもしれません。
やはり100円が近づくにしたがって円安牽制発言は更に強まるでしょう。
ただ円安が行き過ぎかどうかはその時(100円接近時)の日本の経常赤字や貿易赤字が改善しているか?あるいはまったく改善の跡が見られないか?これを冷静に見ていくべきかと思います。
さて今週もドル円がホットですが、他にも今週は米国発の材料が豊富です。
3Q比減速が予想される4QGDP(30日、水)、年内QE(量的緩和)終了が示唆されているFOMC(30日、水)、そして雇用統計、ISM(2/1、金)の発表が注目されます。
先月7.8%と改善が足踏みしている失業率が特に注目されます。
ただ米国は最近それほど悪い指標はなく、また企業決算も今のところ順調です。
日本は月末から2月1日にかけ外貨投信の設定が多いようです。リーマンショック後の2009年1月にも大手証券の大型外貨投信をきっかけに円安が進みましたが、日本の投資家にはたして海外投資余力が戻ってきたかどうか注目されます。日本では今週から通常国会が始まり、1月上旬貿易統計の発表があります。
中国は政府とHSBCの製造業PMIの発表があります。山口民主党代表の訪中で外交関係改善の兆しが見えたとのとらえ方もありますが、果たして日本との領土問題、通貨問題にどのような対応をしてくるか?また北朝鮮は核実験実施を示唆しており、こうした地政学的リスクも忘れてはならないと思います。
ユーロは昨年後半の上昇基調が続き年初からは他通貨比で最強通貨となっています。ユーロポンドやユーロスイスも上昇。南欧債務国の金利は低下、独などユーロ圏先進国の金利は上昇していて債務危機がさらに沈静化しているとの印象を与えます。
今週はスペインのGDP発表、独消費者物価指数に注目したいところ。
ただユーロ相場はリーマンショック以降も基本的にサイクル運動を繰り返しており、今回の上昇もそろそろという気もします。
欧州不安もまだ完治したわけではありませんから。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0403-1.0578 AUDYEN 92.80-95.09
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0350-1.0550 AUDYEN 93.00-96.00
今週は豪ドルドルー保合い、豪ドル円―堅調でしょう
先週の豪ドルは豪ドルドルがやや軟調推移で、今週は一時1.03台後半に下落する一方、豪ドル円もQ4CPI発表後は一時93円割れまで軟化しましたが、その後はドル円の上昇を受けて95円台を付けるなど”行って来い”の展開となりました。
国内景況では前週の弱い12月雇用統計に加えて、Q4CPIも予想を下回り2月利下げ観測が高っています。
ただ本日発表された12月のNAB企業景況感(-4、前回は-6)、企業信頼感+3(前回は-9)は久々に改善しており、豪ドルは1.04台半ば、95円近辺まで買い戻されています。
最近ユーロの上昇を横目に豪ドルドルが軟調推移している背景には、長年続いた欧州危機の避難通貨(haven currency)として買われてきた豪ドルの買いポジションが、欧州危機緩和に伴い巻き戻されているという指摘があります。
一方、最近の鉄鉱石価格の反発や、その背景にある中国経済の回復期待などが豪ドルサポート要因であり、欧州懸念の後退をはじめとして市場のリスク許容度が増加しつつある現状、豪ドルが大きく値を崩す可能性も少ないように思えます。
来週のRBA理事会における利下げは市場ほぼ織り込み済みですが、RBAの声明が更なる金融緩和を示唆するかどうか、注目したいところです。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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