今週の主な予定、イベント
2/18(月)米休場(プレジデンツデー)、ドラギECB総裁公聴会で証言
19(火)日銀議事録、独2月ZEW景況感指数
20(水)日本1月通関ベース貿易収支、英1月失業率、英中銀議事録、米1月住宅着工件数・建設許可件数、米1月PPI、FOMC議事録
21(木)米1月CPI、米1月中古住宅販売件数、米新規失業保険申請件数、地区連銀総裁講演(セントルイス、SF、ダラス連銀)
22(金)独Q4GDP(確報値)、欧州委員経済見通し公表、米パウエルFRB理事・ボストン連銀総裁講演、日米首脳会談
マーケットの焦点
キーワード:アフターG20―円安・ユーロ高相場の今後、日本の国会(日銀総裁人事、補正予算案など)、日本の1月貿易統計、日米首脳会談
先週は週末のモスクワG20を控えて発表されたG7の声明や各国金融当局者の発言からドル円相場は92円台~94円台の間で激しく振幅し、結局金曜日のニューヨーク市場では「日本が名指しで非難されない」との観測が強まりドル円は93円台半ばで越週しました。
またユーロ相場もユーロ高の動きに対する懸念と容認発言が交互になされて1.33台~1.35台で振幅、ユーロ円も126円台から週末は一時123円割れまで反落するなど不安定な展開でした。
その他通貨もポンドは英中銀のインフレ報告やキング総裁の景気判断が弱まったことで軟調推移し、NZドルは内需の強さを示す指標でサポートされて堅調推移するなど、通貨ごとでマチマチの動きとなりました。
注目のG20共同声明では、事前予想通りに日本を名指しに非難することはなく、共同声明では「通貨の競争的な切り下げを回避し、競争のために為替レートを目的としない。あらゆる形での保護主義に反対する」ことが明言され「通貨安競争」を回避する意思がアピールされました。
この結果を受けて本日シドニー市場でドル円は94円台前半まで値を上げています。
ただ今後を考えると、これで日本のアベノミクスに”青信号”が出たと考えるのは妥当でないようです。
一部アジアの国からは円安の影響を懸念する声も強く、声明文でも「国内目的のために実施される政策が他国に与える影響を監視し、最小化する」と謳われました。
したがって、足元はむしろ日本の言動が抑制され、これまでのように一方的な円安には傾かないかもしれません。
むしろ国会では問題山積。つまり日銀総裁人事や補正予算案採決が残っています。
日銀総裁候補者としては、過激な金融緩和論者よりむしろ現在、黒田アジア開発銀行総裁(元財務官)、や武藤大和総研理事長(元日銀副総裁、元財務次官)など”ハト派色が弱い”元財務官僚の下馬評が高く、その場合には金融緩和・円安ムードがやや冷やされることも考えられます。
いずれにしても来年度予算案や補正予算案もまだ可決しておらず、今後日本の”デフレ脱却”戦略が実効性が乏しく円安のみが進行する場合には、再び諸外国の圧力が高まる可能性があります。
ただ足元の動きとは別に、日本のファンダメンタルズ(3期連続マイナス成長、貿易・経常赤字)や円の需給から見て中期的にはまだ円安地合いが継続と見ます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0227-1.0374 AUDYEN 95.18-96.97
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0200-1.0500 AUDYEN 94.50-97.50
今週は豪ドルやや軟調、豪ドル円は95円台-96円台中心の保合でしょう
先週の豪ドルはG20を週末に控えた神経質な相場展開となり、豪ドル米ドルは1.02-1.03台での振幅となりましたが、今週は1.03割れでやや軟調スタート。
一方豪ドル円も95円近辺まで軟化しましたが、下値は押し目買いにサポートされる展開でした。週初はドル円の94円台への上昇を受けて96円台後半をテストしています。
最近国内指標は雇用、小売など冴えない数字が続いていましたが、先週発表されたNABの1月企業信頼感/景況感指数やWESTPACの2月消費者信頼感は久しぶりに改善を示しましたが、やはり昨年行われたたび重なる利下げの効果がやっと出てきた感じです。
また中国の鉄鉱石/石炭輸入が昨年12月以来急増しているのも豪ドルサポート要因ですが、今週春節開けの中国の株価動向が気になります。
このようにサポート材料が目立った豪ドルですが、先週エドワーズRBA理事は「豪ドルの水準は信じられない程高く、輸出業者にとって障害」と発言しています。
また週末に行われた世論調査では労働党/ギラード首相が大きく支持率を下げ、保守合同の支持率が上昇しています。
9月の下院総選挙で保守政権が返り咲けば、”産業界寄りの保守党政権で豪ドルは軟調”との思惑も働きます。
加えて先週米国のルー新財務長官は「強いドル政策」を久々に表明しており、豪ドル米ドル相場はやはり足元上値が重い展開が予想されます。
一方豪ドル円相場は依然として上昇トレンド上にありますが、今後円安相場に調整が入る場合には、豪ドル円も調整反落する可能性は否定できません。
本邦3月期末のリパトリ(外貨資産売却円転)もそろそろ聞こえてくる季節です。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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