今週の主な予定、イベント
3/11(月)東日本大震災二周年追悼式、黒田日銀総裁候補参院所信聴取、イタリアQ4GDP速報値
12(火)豪2月NAB企業景況感/信頼感、日銀議事録、岩田・中曾日銀副総裁候補所信聴取
13(水)NZ中銀政策金利、中国全人代で周小川中国人民銀行総裁講演、米2月小売売上高
14(木)日本1月鉱工業生産、豪2月雇用統計、ECB月報、EU首脳会談、米2月PPI、米新規失業保険、米FRB銀行の資産分析レポート発表
15(金)ユーロ圏2月CPI、米2月CPI、米2月鉱工業生産/設備稼働率、イタリア新議会招集
マーケットの焦点
キーワード:日銀新体制による異次元緩和期待、米景気期待とドル高、3月期末のリパトリ、米韓合同軍事演習、イタリア議会招集(15日)
先週はイタリアの総選挙後の政局不安も一服で米国の強い景気指標に関心が集まり、リスク選好ムードが強まりました。
世界的に株高が顕著となりNYKダウは史上高値の14,400ドルを付け、日経平均はリーマンショック後の高値12,400円、独DAX指数は8,000、豪州のASX All Ordinariesは5,160ドルを付けるなど、それぞれ大幅に上伸しました。
係るリスク選好ムードの中為替市場では円安が進行すると同時に米経済期待を反映して米国10円債利回りは2.00%を上回り、米ドルが主要通貨で上伸しました。ドル円は金曜日のかなり強い2月の米雇用統計発表後に96円台まで続伸しています。
同じリスク選好でも従来型の”円売り・ドル売り”から、米景気期待が高まって”円売り・ドル買い”が顕著となっているのが今回の特徴です。
ユーロはイタリア政局懸念を抱え、円は再び軟調地合い、ポンドは国内景気減速懸念、豪ドルも軟調地合いの中「米ドル一人勝ち」状態が現出していると言えます。
今週は本日黒田日銀総裁候補の参院での所信聴取が行われていますが同氏は「15年間のデフレ放置は日銀が責任を果たしていなかった。やれることは何でもする姿勢を打ち出して行きたい」と”やる気まんまん”です。日銀に対する”異次元の金融緩和”期待からドル円の続伸が予想されます。
また11日からは米韓合同軍事演習が実施予定ですが北朝鮮は休戦協定の白紙化、米国に対する核先制攻撃権を行使すると警告しており、これらの地政学的な懸念も円売り要因となる可能性があります。
一方円高要因としては3月期末を控えたリパトリエ-ション、つまり外貨資産の売却円転の動き活発化する可能性が指摘されます。
イタリアでは15日に議会が招集されますが、中道右派のベルルスコーニ氏には先日捜査情報漏えい罪で禁固1年の求刑(本人は控訴予定)があり、また第3勢力の5つ星運動のグリッロ氏が信任投票を棄権すれば、中道左派のベルナニ政権が成立する可能性が強いと思われます。
ただイタリア政局は常に不透明感が強く、仮に責任政党がまとまらずに再選挙ということになれば、リスク回避の円買い要因となります。
先週金曜日に発表された2月の米雇用統計は失業率が7.7%(予想7.9%、前回7.9%)、非農業部門就業者数+236千人(予想165千人、前回119千人)と予想を大きく上回る数字となりました。FRBは「労働参加率が上がっておらず、職探しを諦めた労働者の増加で失業率が下がった」と難癖をつけてくるかもしれませんが、雇用の改善基調は明白であり、足元米ドル堅調(円軟調)地合いの継続が予想されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0115-1.0301 AUDYEN 94.44-99.03
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0150-1.0350 AUDYEN 97.00-100.00
今週豪ドルは徐々に底入れ、豪ドル円は高値テストでしょう
先週の豪ドルは安値(1.01台前半)から反発(1.0300)後1.02台前半に反落、一方豪ドル円は週初の安値94円台から、米ドル円の96円台への上昇に引っ張られて一時99円台を付けた後98円台前半に反落でした。
RBA理事会では予想通りに金利据え置きで、「必要であれば再利下げ」という声明文にもかかわらず、市場では”当面金利据え置き”観測が強まっています。
発表された経済指標では1月小売売上高が前月比+0.9%と3カ月マイナス後にジャンプアップ、またQ4GDPも前期比+0.6%、前年比+3.1%とまずまずの数字でした。一方1月住宅設許可件数は前月比-2.8%と弱く1月貿易収支も悪天候による石炭など資源の輸送障害から前月比-1,057mioと久々に悪化しました。
また中国関連では2月のHSBC非製造業PMIが52.1(前回54.0)と弱く、また2月の貿易収支は+15.25bioと黒字が大幅に増加しましたが、輸入が前月比-15.2%と落ち込んだことが嫌気され、金曜日には米雇用統計の強い数字と相まって豪ドルは対米ドルで1.02近辺まで反落。
また週末に発表された2月の中国鉱工業生産と小売売上高が予想を下回ったこともあり、今週豪ドルはやや軟調にスタートしています。
今週豪州サイドでは火曜日のNAB2月企業景況感/信頼感と木曜日の豪2月雇用統計が注目されます。
国内景況はやや明るさも出始めていますが、一方中国関係ではインフレ懸念や不動産バブル抑制から金融引き締め観測があるのが豪ドルの押し下げ材料。
また景気減速懸念が完全に払拭されていない点も要注意でしょう。
したがって今週も豪ドルはやや上値の重い展開が予想され、一方豪ドル円は売りオーダーをこなしつつジワリと100円に接近する局面も予想されます。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
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☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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