今週の主な予定、イベント
4/8(月)日本2月国際収支、世界経済フォーラム地域会議
9(火)日銀議事録、中国3月CPI/PPI、英2月鉱工業生産、IMF世界経済見通し
10(水)中国3月貿易収支、米2014年予算教書、米FOMC議事録、地区連銀総裁講演(ミネアポリス、アトランタ)
11(木)豪州3月雇用統計、ルー財務長官上院証言、米新規失業保険申請件数
12(金)ユーロ圏2月鉱工業生産、米3月小売売上高、米3月生産者物価指数、ユーロ圏財務相会合、EU財務相理事会
マーケットの焦点
キーワード:日銀異次元の量的緩和、他国の円安批判、日本2月貿易赤字・経常黒字、バーナンキ議長講演、ルーシーリング、北朝鮮の挑発
ご無沙汰しました。
東京→京都→九州(湯布院、高千穂峡)と移動しましたがどこも桜が満開に近く10数年ぶりに見る日本の桜を堪能しました。
さて私がシドニーを発ちました3/19と昨日の市況を見ますと株式市場では意外と日経の大幅上昇(12,468→13,192)とNYKダウ(14,455→14,613)上昇以外は、どこもやや値を落としており、また商品相場もやや軟調と言ったところですね。
通貨市場ではやはりドル円及び円クロスが大きく上伸しているのが特徴で、EURUSDやAUDUSDはUPS & DOWNSのサイクル運動のようです。
イベントとしてはやはり黒田総裁初の日銀金融政策決定会合でドラスティックな金融緩和策が発表になったとと、更にはキプロス問題は取り敢えず収まりつつあるといったところでしょうか。
ドル円も3月上旬に付けた96円台で頭が押さえられ、結局4月初にかけてむしろ調整の動きが出て92円台まで値を下げました。その間日本のアベノミクスや黒田節(と自分は言っています)効果も徐々にはげ落ち、キプロス/イタリア問題が意外に大きく取り上げられ、ドル円の再上昇には新たなカンフル剤が必要な状況でした。
ユーロも然りでキプロス問題やイタリアの政局混迷を嫌気して3月末から4月初にかけて1.27台の下値を何度かトライし、下げ圧力の大きさを感じました。
ところが4月4日の黒田総裁最初の日銀政策会合で状況は大きく変わります。
黒田総裁は”異次元の金融緩和、市場予想を超えた質量ともに次元が違う”と表現される大規模な金融緩和に打って出ました。
最大のポイントは従来の金利による金融政策から量的緩和に方向を転換したことで、具体的には長期国債の購入を月間従来の3.3兆円から7.5兆円に、また平均残存期間も従来の2倍に伸ばしました。
FRBの月間買い入れ額が850億ドル(8.2兆円)ですから、米国のGDPが日本の2.6倍であることを考慮すれば、月間の長期債購入ペースは米国の2.3倍と言うことになります。
かかる黒田総裁の果敢な攻め姿勢を市場は評価して(あるいは甘く見ていた連中にひと泡吹かせて)ドル円は昨日のシドニー市場で前週のNY市場引けから1円ギャップオープンし、昨日は99円台後半まで上値をテストしました。
ただ円安に青信号が点灯した訳ではありません。
韓国や中国の当局は早速に日本に出し抜かれた格好の日本の超金融緩和に国際的な是非論を呼びかけています。
今回の円安2段ロケット着火の背景には北朝鮮の挑発など地政学的な懸念もあるようです。
ただ今週11日にはルー財務長官の上院証言がありますが、おそらく米自動車産業など輸出関連を代表する議員から円安集中砲火を浴びるでしょうし、先般 ”強いドルは米国の国益発言”をしたルー財務長官の真意が見られるかもしれません。
また3月の米雇用に陰りが見られたことなどから、今週2回予定されるバーナンキ議長の議会証言でも、超金融緩和継続姿勢が確認されそうですし、これもドルの上値を重くする可能性があります。
このように円買い戻しを誘う材料はたくさんあります。
しかし先週金曜日の弱い米雇用統計の後の米ドルの反発や、日本国債の下落(資本の海外流出?)など、依然として大きな流れは円安方向だと思われます。
引き続き”調整を交えながらの二歩前進一歩後退”相場となりそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0355-1.0497 AUDYEN 96.91-101.78
今週の予想レンジAUDUSD 1.0300-1.0500 AUDYEN 100.00-105.00
今週豪ドルは売り買い交錯でしょう。
豪ドルは先週のRBA理事会で金利が据え置かれたことや、改善された2月貿易収支(前回の-1.05bioの赤字から-178mioに赤字縮小)や強い2月小売売上高(+1.3%、予想+0.3%、前回+1.2%←+0.9%から上方修正)を受けて1.05近辺まで上昇しましたが、やはりというか対ドルでは1.05でキャップされその後は一旦1.03台半ばに反落した後1.04台に戻るなど揉み合っています。
一方豪ドル円は、ドル円の100円に迫る大幅上昇を受けて先週は101円台まで値を上げ、今週も103円台後半まで続伸しています。
今週は木曜日に3月の雇用統計が発表されますが、2月が驚異的な強い数字であっただけにその反動がやや懸念されます。
豪ドル円はあっけなく2008年8月以来の100円を突破して103円台まで続伸しています。
今回日本の個人投資家さんは、70円台、80円台で仕込んだ先発組はやはり100円を待たずに円転した方が多いでした。
ただなかなか落ちない豪ドル円にしびれを切らした方、またあまりレベルにこだわらずに不動産や金利収入目的に資産分散を図る方は100円を超えても買いの姿勢を崩してはいません。
かかる円クロスの買い意欲が豪ドル米ドルをサポートしている部分もあり、足元豪ドルは底堅い動きが予想されます。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/