今週の主な予定、イベント
4/29(月)日本祝日(昭和の日)、上海、労働節で休場(~5/1)、米3月中古住宅販売成約指数
30(火)日本3月雇用統計・鉱工業生産、独4月失業率・失業者数、ユーロ圏3月失業率、ユーロ圏4月CPI、スペインQ1GDP、米2月S&Pケースシラ∸住宅価格
5/1(水)香港労働節で休場、欧州(除く英国)レーバーデー休場、中国4月製造業PMI、米4月ADP雇用者数、米4月ISM製造業景気指数、米FOMC
2(木)日銀議事録、ECB理事会、米新規失業保険申請件数
3(金)日本祝日(憲法記念日)、中国4月非製造業PMI、欧州委員会春季経済見通し発表、米4月雇用統計、米4月ISM非製造業景気指数
マーケットの焦点
キーワード:ドル円100円トライ失敗と日本の機関投資が動向、先週の日銀展望リポートへの失望感、米FOMCと4月雇用統計、日本の3月経常収支、北朝鮮の挑発
G20の次週となった先週は世界的に株式市場も回復し、また商品相場も前週の大幅下落から値を戻すなど、世界的に金融市場は落ち着きを取り戻しました。
ただ弱い経済指標(Q1GDPや4月HSBC製造業PMIなど)の発表があった中国上海総合指数だけはやや値を下げています。
通貨市場ではドル円が2度目の100円トライに失敗し週末にかけては米国の予想を下回るQ1GDP(速報値)を受けて97円台半ばまで反落しました。
100円にはオプションバリアの防戦売りや本邦輸出の売り、更にはドル円ロング筋の利食いなど、”ドル売りの巨大な壁”ができていたようです。
また国内要因でも日銀会合における金融政策の現状維持と展望リポートで”2015年のコア消費者物価指数の見通しを前年比+1.9%と予想の範囲内に抑えたこと”から黒田新総裁の”異次元の量的・質的緩和”の続報を期待していた向きの失望売りを誘いました。
また発表された本邦生命保険会社の外貨建て資産への資金配分計画が予想を下回ったこと、更には金曜日に発表された米国のQ1GDPが事前予想の+3.0%(前期比年率)に対して+2.5%に留まったことで、ドルの上値が重くなりました。
本邦機関投資家動向としては、政府系の年金、ゆうちょ銀行、かんぽ生保などの資産運用計画が近々発表予定ですが、民間よりも外貨資産配分を増加させるという思惑や、海外の中央銀行や政府系ファンド(いわゆるSWFなど)が保有する円資産の価値目減りを回避する方向と言われることから、ドル円の下がったところではドル押し目買いが予想されます。
一方今週金曜日には注目の米4月雇用統計が発表になります。
予想値は失業率7.6%(前回7.6%)、非農業部門就業者数+145千人(前回88千人)とそこそこの数字ですが、米国出口戦略(金融緩和終了)の前提となる過去6カ月平均で200千人レベルには及ばないようです。また先週発表されたQ1GDPなどの弱い数字から4/30-5/1に開催されるFOMCでは再びハト派的な声明文が予想され、これもドルの上値を重くするでしょう。
また少し先5/10には日本の3月経常収支が発表されますが、2月の+6,374億円に続き黒字予想である点も円売り圧力を抑制する要因です。
一方4月上中旬の貿易収支は赤字予想である点やくすぶり続ける朝鮮半島情勢も円売り材料であり、日本がゴールデンウイークで市場が薄くなった中での乱高下が予想されます。
また4月は結果的に主要国の株価は上昇していますが、こちらも”Sell in May”の格言通りに行くのか?
注意深く見守る必要があります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0221-1.0339 AUDYEN 100.31-102.94
今週の予想レンジAUDUSD 1.0200-1.0400 AUDYEN 99.00-103.00
今週豪ドルは豪ドル円軟調から上値の重い展開でしょう
先週豪ドルは発表されたQ1消費者物価指数が予想をやや下回ったものの、週末にかけてドルが弱含んだこともあり今週は1.03台に戻しています。
一方豪ドル円はドル円が週初の100円一歩手前から97円台半ばに下落し、今週も軟調裡にスタートしていることから100円前半まで値を下げる展開になっています。
足元は4月上旬に付けた1.05台、105円台が天井と意識されますが、特に豪ドル円はドル円の100円乗せが困難になる場合には、豪ドル円買い持ち筋の利食い/損切りの売りが出やすいために、今週は上値の重い展開でしょう。
先週の予想よりやや弱いQ1CPIを受けて5月利下げ観測が再び高まっています。ただQ1CPIはヘッドライン(全項目)こそ、前年比+2.5%(予想+2.8%、前回+2.2%)とやや低めでしたが、RBAの重要視するアンダーライイングインフレーションは+2.4%(予想+2.4%、前回+2.4%)と予想通りであり、5月の利下げ観測をサポートするとは必ずしも言えません。
欧州懸念や中国景気スローダウン懸念はあるものの、これも急激に悪化している訳ではなく、国内景況(特に個人消費と住宅部門)が立ち直りを見せていることから、RBAは5月(5/7発表)は金利据え置きではないかと思われます。
むしろ5/14(火)に発表される2013/14年連邦予算案は9月に総選挙を控えているだけに大いに注目されます。
つまり支持率の低迷するギラード政権が財政の黒字転換を図るのか、あるいは景気重視で暫く赤字継続を決断するかと言う点です。
今週は予想通りにドル円の調整続落となれば豪ドル円も上値が重い展開となりますが、100円割れでは中期的な観点からの押し目買い需要が高まる可能性があります。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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