今週の主な予定、イベント
5/6(月)日本祝日(こどもの日振替)、ロンドン休場(バンク ホリデー)、豪州3月小売売上高-0.4%(予想+0.1%、前回+1.3%)、ANZ4月求人広告、ユーロ圏3月小売売上高、ドラギECB総裁講演
7(火)RBA理事会(キャッシュレート3.0%据え置き予想)
8(水)中国4月貿易収支
9(木)豪州4月雇用統計、中国4月CPI・PPI、ECB月報、BOE理事会、英3月鉱工業生産、米新規失業保険申請件数
10(金)~11(土)英国G7、香港休場(釈迦誕生日)、カナダ4月雇用統計、バーナンキFRB議長講演
マーケットの焦点
キーワード:ドル円100円三度目の正直?日本3月国際収支、バーナンキFRB議長講演、英国G7、北朝鮮の挑発
先週は米FOMC、ECB理事会、米国4月雇用統計など大きなイベントがありましたが、結果的には世界的にリスク許容度が増加し、主要国の株価は上昇し(NYダウは一時15,000ドルに史上高値更新、日経平均もオフショアで14,200円に上昇)、商品相場も反発に転じています。
FOMCでは最近の景気減速懸念下でどのような景気判断・政策判断がなされるか注目されましたが、一部報道で”資産購入拡大の可能性示唆”と表現されましたが、声明では「資産購入の拡大も縮小も用意」と表現され、特にハト派バイアスを強めたという印象はありません。
またECB理事会では大方の予想通りに政策金利の引き下げ(0.75%→0.50%)が発表され、驚いたことにドラギ総裁は記者質問に対して「マイナス預金金利について技術的に用意がある」と発言し一時ユーロ売りが活発化しました。
しかしその後数名の理事がマイナス金利に否定的な発言をして”ドラギ発言もみ消し”に躍起になっていたのが印象的でした。
まあECBの利下げについては”日銀の独走許さず”の雰囲気が感じられます。
一方発表された4月の米雇用統計は非農業部門就業者数が+165千人(予想+145千人、前回が+88千人から+138千人に上方修正)、失業率が7.5%(予想、前期ともに7.6%)と特に就業者数は予想の2倍近い伸びとなりました。
米雇用統計も豪州同様に調査サンプルに対するアンケート調査からの推計値であるだけに、前月修正値も含めて増減が激しく、発表後にドル円が1円以上ジャンプアップしたところを見ると、予想の裏をかかれた人がいかに多いかが分かります。
(私も含めて)最近の弱いデータから悪い数字を予想していた人にとっては”まるで詐欺にあったような”気分です。。。。
このように大きなイベントを通過して結局ドル円は先週の安値97円近辺から再び99円台に上昇しており、円クロスも豪ドル円が先週の安値99円台前半から102円台に、ユーロ円が127円台前半から130円台を回復するなど再び円下落トレンドに戻った感があります。
日本が大胆な金融緩和策に乗り出し、一方ユーロ圏も景気低迷へのテコ入れとして先週政策金利を史上最低レベルの0.5%に下げました。
米国も先週のFOMCで月額850億の資産購入継続を表明していますが、米国は日欧に比べるとやはり景況面では”マシ”であり、三極の中では金融緩和縮小に最も近いとの認識がドル堅調の背後にあるでしょう。
ただ10日に発表される3月の国際収支で日本の経常収支は2月に続いて黒字となる予想です。貿易赤字が継続するものの、2カ月続いての経常黒字は再び100円テストの障害となることも考えられます。
果たして100円トライが「三度目の正直」で成功するか?「二度あることは三度ある」で再び失敗に終わるか?
個人的には「三度目の正直」に賭けたいところです。
(何度失敗しても諦めません)
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0222-1.0384 AUDYEN 99.26-102.33
今週の予想レンジAUDUSD 1.0150-1.0350 AUDYEN 100.00-104.00
今週豪ドルは底堅い展開から上値トライでしょう
先週はギラード首相が今年度予算において歳入が大幅に減少し来年度予算も予断を許さない状況であることを表明したことからRBAは5月に利下げをせざるを得ないとの思惑が強まりました。
加えて発表された3月の住宅建設許可件数や4月AIGサービスインデックスが弱く、木曜日にECB理事会の後でドラギ総裁が”マイナス預金金利”に含みを残したことからユーロが急落したこともあり、一時1.02台前半、99円台前半まで下落しました。
しかし金曜日に発表された米国4月の雇用統計が予想を上回る強い結果となったことから市場のリスク選好の動きが活発化し、豪ドルは1.03台、102円台まで急激に値を戻して越週しています。
ただ今朝発表された3月の小売売上高は前月比-0.4%と2月の+1.3%の反動もありマイナスに落ち、4月ANZ求人広告も前月比-1.3%と冴えないもので、豪ドルは現在1.02台後半、101円台後半にやや軟化しています。
今週の焦点は何と言っても明日のRBA理事会における利下げの有無と、木曜日の4月雇用統計にあります。
このうちRBA理事会については歳入減少から緊縮財政が今後とも予想され、更なる金融緩和で景気回復を計る必要があることから利下げ観測が高まっています。(現在51%が利下げ予想)
小職は前回と変わらず利下げの含みを残しつつ金利据え置きを予想します。中国や欧州景況が大きく悪化していないこと及び、昨年までの利下げ効果を今しばらくウオッチするとの読みです。
また4月の雇用統計は2月が非常に強くて3月が大幅ダウンと来ており、予想をすることすら困難ですが、市場も単月の結果に一喜一憂しなくなりつつあります。
2月続けての就業者数マイナスはやや不安心理を煽るでしょうが、プラスの数値であればむしろ安心感につながるものと思われます。ただ年後半失業率が6%台に上昇することを懸念するエコノミストが結構いますので、失業率の増加(3月は5.6%)には注意したいところです。
今年に入ってからの豪州経済は”まだら模様”であり、なかなかトレンドが見いだせませんが、世界を見渡せば依然として景気格差・金利格差で優位に立っているのも事実。
今週円クロスが強含む場合には豪ドル自体もサポートを受けることが考えられます。
ただ豪ドル/NZドルは2009年1月以来の安値1.20台に下落しています。
両国ともに資源通貨・高金利通貨というくくりですが、豪州政策金利が”据え置きないしはやや利下げ”観測であるのに対してNZ政策金利は”年内据え置きから来年は利上げ”観測が根強く、両国間の先行き金利見通しがNZドル有利に働く状況が暫く続きそうです。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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