世界遺産や果実の名産地としても知られる和歌山県の魅力をオーストラリア人にも知ってもらおうと和歌山県主催のセミナー「Wakayama Food and World Heritage Seminar」が5月7日(火)、Hilton Sydneyにて開催された。会場には旅行、メディア関係者など約100名が参加し、和歌山県への注目度の高さがうかがえた。
冒頭では、仁坂吉伸(にさかよしのぶ)知事より、ユネスコ世界遺産にも登録されている高野山や熊野古道、温泉、食の魅力を中心に紹介し、高野山の宿坊や精進料理などの文化体験をはじめ、川の流れの中に湯がわいている仙人風呂など、ユニークな温泉が多く楽しめる土地柄であることもアピールした。
また和歌山県の名産、梅については、梅干博士として知られる和歌山県立医科大学・宇都宮洋才准教授がプレゼンテーションを担当し、近年、梅干しの(健康に対する)効能が医学的に証明されたことをはじめ、梅干しの知られざる効果を報告するとともに、梅干しを1日2粒程度(梅酒ならグラス1杯程度)摂取することで、高血圧や動脈硬化、胃がんなどの予防が期待できると述べた。
紀州の梅を使った梅酒、伝統の製法で醸造された特産品のお酢やお醤油なども併せて紹介された。
セミナーの後半では、高野山真言宗総本山金剛峯寺の僧侶、今中太定氏、馬場心悟氏が登壇、真言宗の基本理念を英語でわかりやすく解説しながら、阿字観(瞑想法)のデモンストレーションを披露された。会場の参加者も共に阿字観を体験し、会場を荘厳な空気で包み込む場面も見られた。
【会場の様子】
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会場は関係者で満席となった |
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和歌山県の魅力を紹介する仁坂吉伸知事 |
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【写真左】高野山真言宗総本山金剛峯寺・今中太定氏と 馬場心悟氏の阿字観が会場に響き渡った |
今回出展された和歌山の特産品
【左から】中野BC社の日本酒と梅酒
「純米吟醸 紀伊国屋文左衛門」(写真左端)は“ワイングラスでおいしい日本酒アワード2013”で最高金賞を受賞。同社は梅酒のラインアップは35種類と梅酒の製造にも力を入れている。
【中央より左】丸正酢醸造元社のお酢
明治12年創業当時から変わらない、醸造方法でお酢を作り続けている。お酢造りに欠かせない水には、ビン洗いも含めすべて那智の滝と同じ水源の熊野山系の伏流水を使っている。ヨーロッパではすでに知られた存在として多くのレストランで愛用されている。
【中央より右】角長社のお醤油
天保12年創業。天保時代そのままの蔵で、昔ながらの手作り醤油を造り続けている。天井や梁、桶などに醤油製造に欠かせない酵母が付着し、これこそが美味しい醤油造りに欠かせない要素になっている。
【写真右】中田食品社の梅酒
“美容と健康”をテーマにバラエティに富んだ商品の開発を行なっており、完熟の南高梅を使った糖分が少ない梅酒が人気。現在、23カ国に輸出している。
セミナー後には、総領事公邸に会場を移し、小原総領事主催の歓迎レセプションが催され、シドニーのメディア、旅行関係者などを中心に約60名の関係者が訪れた。和歌山県名産の梅酒や日本酒などがふるまわれ、和歌山訪問団との情報交換の場として会場は大いに盛り上がった。
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挨拶する小原雅博在シドニー日本国総領事 |
Katrina Hodgkinson NSW州スモールビジネス相 |
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仁坂吉伸和歌山県知事 |
乾杯の音頭をとる山下直也和歌山県議会議長(中央) |
◉仁坂吉伸和歌山県知事に聞く和歌山の魅力
オーストラリアにおけるプロモーションの意気込みをお聞きした。
弊誌「G'Day Japan!」を手にする仁坂知事
現在、和歌山県では、「観光振興アクションプログラム2013」と題し、観光誘致事業に力を入れています。その大きな柱として、まずは和歌山のことを知ってもらう、そして、来られた方を大事にし、楽しく過ごしてもらえるように設備やサービスの向上を図っています。
和歌山のことを知ってもらう、という点では、メディアへの露出や旅行者向けパッケージを企画しています。
来られた方を大事にして、楽しく過ごしてもらう、という点では、外国語表示の充実、外国語がわかるガイドの拡充、また宿泊施設の設備にもおもてなしの心を込めています。
オーストラリアは観光誘致事業でも特に力を入れている地域であり、オーストラリアの方々には高野山や熊野古道などに代表されるスピリチュアリティ、日本文化の精神性を体験していただきたいです。高野山の宿坊は100以上あるのですが、半分以上は宿泊が可能です。宿坊では、加工技術の大変優れた精進料理が味わえます。また、熊野三山の神社は“寛容の神社”と言われ、どんな宗教の方にも門戸を開いているので礼拝の決まった作法はなく、自分の神に祈ればいいという地元の温かさも魅力のひとつです。また、近海でとれる海産物、ミカンやカキを始めとする果実も豊富で一年を通して楽しむことができます。ぜひ、和歌山で日本古来の文化、食文化を体験してみてください。
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