今週の主な予定、イベント
7/20(月)日本休場(海の日)
21(火)日銀議事録・月例報告
22(水)豪州Q2CPI、英中銀議事録、米6月中古住宅販売
23(木)日本6月貿易収支、NZ準備銀行理事会、米6月景気先行指数、新規失業保険申請件数
24(金)中国7月財新製造業PMI、独・ユーロ圏製造業PMI、米6月新規住宅販売件数
マーケットの焦点
キーワード:ギリシャ合意成立、日欧米の金融政策、中国株価下落/景気刺激策、GPIF
先週はギリシャ問題も終息に向けて進展を見せ、また強権発動により中国株価も下げ止まって市場のリスク許容度もやや回復しました。商品相場は依然として軟調です、主要国の株価は前週末に比べていずれも値を上げています。
ギ リシャ問題ではギリシャ議会が改革案の法制化を可決し、それに答えてEUはギリシャに対して71.6億ユーロのつなぎ融資を正式に決定しました。この融資 によりギリシャは遅延していたIMFへの返済20億ユーロや、本日期限のECBの保有するギリシャ国債償還35億ユーロの支払いを実施する模様です。
このまま問題が起きなければ期間3年、総額860億ユーロ規模の第三次救済プログラムが発動される運びとなるでしょう。
為替市場では先週は米ドルやポンドが買われて、ユーロや資源通貨が売られるなど、買い通貨と売り通貨がはっきりとしてきました。
ユーロはギリシャ問題好転にもかかわらず欧州経済の先行きやECBの金融緩和継続から、たとえギリシャが終わっても即座にユーロ買い安心感が戻る地合いではありません。
一方資源通貨群では予想外の利下げがあったカナダドルが急落。また利下げ観測が強く、乳製品価格軟調のためNZドルが、商品相場の軟調や追加利下げ観測から豪ドルが続落するなどが軒並み軟調推移しました。
一 方イエレン議長の半期に一度の議会証言では係る不安定な国際情勢にもかかわらず、同議長は「年内いずれかの時点で利上げが適切」と述べるともに「海外情勢 を考えても米経済に対するリスクは安定的」と述べ、加えて「ドル高は米経済が強くなった証」と述べて、ドル高へのある種許容姿勢も示しました。
このイエレン発言や米住宅指標の堅調を受けてドルが全般的に値を上げましたた。
また度重なるカーニー英国中銀総裁の利上げを示唆する発言を受けてポンドも堅調推移しました。
ユーロ/ポンドは2007年11月以来の0.70を割るレベルまで下落していますが、欧州中心にユーロ/ポンド取引が盛んであり、ポンドの相対通貨としてのユーロ売りもユーロ軟調の一因といえます。
ユーロ/ポンドは0.70をはっきりと割り込めば2000年-2007年の取引レンジであった0.60-0.70レンジに移行する可能性も出てきます。
今週はギリシャ情勢も一服で先週の流れを受けて徐々に米国はじめとした各国金融政策や経済指標に焦点が移っていくことでしょう。
一方ギリシャに対する第三次救済プログラム決定にはまだ時間がかなり、その間ユーロ圏各国の意見の相違や、ギリシャ国内政局などネガティブな材料が再び出てくる可能性には留意したいところです。
また強権発動で沈静化しつつある中国株価動向ですが、自力による正常化とは程遠い状況であり、不安定な動きが再燃する可能性にも留意したいところです。
基本的には安全通貨という意味合いも含めてドルが堅調推移する展開を予想します。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7350-0.7488 AUDYEN 90.80-92.43
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7250-0.7400 AUDYEN 90.00-93.00
今週の豪ドルは: 再び売りセンチメントが強まるでしょう
豪ドルは再び73セント台前半(対円では91円台前半)まで2009年5月以来の安値を更新しました。カナダの利下げやNZの利下げ観測が飛び火している面もあるでしょう。
ただ本日NZのキー首相は「NZドルの下落は想定より早い」と述べて下落速度けん制ともいえる発言をしてNZドルは100ポイント以上急反発しました。
今週水曜日には豪州Q2CPIが発表されますが予想前期比+0.8%(前回+0.2%)、前年比+1.7%(前回+1.3%)と上昇予想となている背景は豪ドル安からくる輸入物価の上昇が大きな要因でしょう。
因みに豪州の生活必需品のほとんどは輸入に頼っており豪ドル安の影響は無視できないレベルまで来ています。
加えて豪ドルの購買力平価低下は豪州国民の生活水準の低下を意味するとの分析もあります。
RBAのスティーブンス総裁は“豪ドルは安ければ安いほどいい”というスタンスですが、それはかなり輸出産業を偏重した発言であるように思います。
豪ドルもそろそろ底値を確認するのではないでしょうか。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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