今年で姉妹都市提携35周年を迎えるシドニー市と名古屋市が行う交換留学プログラムの一環でシドニーを訪れた名古屋市の高校生16名が、8月4日にシドニー市役所を表敬訪問した。引率の教員2名を含めた総勢18名の一団は、7月27日から8月7日の日程でシドニーに滞在し、ホームステイやチェスターヒル高校での現地校入学を体験。この日は市役所の見学ツアーのあとに歓迎レセプションに臨んだ。
レセプションではシドニー市を代表し、ロバート・コック市議会議員が、まず「コンニチハ!」と日本語で挨拶。自身と日本とのつながりをまじえながら、今留学プログラムの意義について触れ、「みなさんの一番のお土産は、この交流会に参加したことです。みなさんは若き名古屋大使です。みなさんがいらっしゃった ことを私は誇りに思います。ぜひ、日本とオーストラリアの関係を深められるよう活躍してください」などと語った。
続いてシドニー・名古屋姉妹都市委員会のデイビッド・ブッチャー会長も挨拶に立ち、「世界中で人種差別などさまざまな問題が起きていますが、それは互いの ことを知らないということが大きな要因です。姉妹都市提携は、これを緩和することができるものだと私は信じています。シドニー、名古屋の素敵な市民のみな さんに感謝したいです」などと語った。
●山谷正之名古屋市立名東高等学校長
「みなさんのあたたかい歓迎を心から感謝します。英語教師の瀬古径子先生と一緒に、名古屋市8校から集まった16名の生徒たちと来ました。先週シドニーに到着し、チェスターヒル高校とセントアロイシャスカレッジを訪問して、さまざまなことを話し、学ぶことができたことを嬉しく思います。生徒たちはジャンバルーでのホームステイ体験でとても素敵な時間を過ごすことができました。この素晴らしい機会を与えてくれたみなさんに感謝します。これからもぜひこのプログラムを続けていきたいと思っています」
●鈴木秀和くん(名古屋市立桜台高等学校3年生)
「12歳でこのプログラムを知り、それから6年たった今、僕の夢が叶いました。シドニーはまるで世界が凝縮したような街で、さまざまな異なった民族のバックグラウンドを持つ人たちと出会いました。まるで“外国人”という言葉がここには存在しないのではと感じるほどに、異なる文化の一つ一つがオーストラリアの文化となっているように感じます。現地の高校を訪問したときには、多くのオーストラリアの生徒たちが“こんにちは、はじめまして”と日本語であいさつをしてくれたり、日本や名古屋のことについてたくさん質問をしてくれたりと、とても嬉しかったです。授業では先生の話を遮るほどに生徒たちが質問をしていた様子に驚きました。ランチタイムにも、みんなで外に出て、楽しそうに話しながらお昼を食べている様子に、日本との違いを感じました。最初は緊張したけれど、素晴らしい友だちができました。ジャンバルーでのホームステイ体験で丘の頂上から見た景色は、一生忘れません。今回の滞在で作りあげたシドニーの人たちとの絆は、僕たち全員の宝物です」