今週の主な予定、イベント
9/21(月)
日本 敬老の日
ユーロ圏クーレECB 専務理事講演
米国 6月中古住宅販売件数 予想-1.3% 前回2.0%
ユーロ圏プラートECB 専務理事講演
米国ロックハートアトランタ連銀総裁講演
22( 火)
日本 国民の休日
米国ロックハートアトランタ連銀総裁講演
豪州2Q住宅価格指数
米国 7月FHFA 住宅価格指数
ユーロ圏9月消費者信頼感指数
23(水)
日本 秋分の日
中国9月財新製造業PMI
ユーロ圏9月製造業PMI、 ユーロ圏9月サービス業PMI、23:00 ユーロ圏ドラギECB 総裁四半期報告
米国ロックハートアトランタ連銀総裁講演
24(木)
独9月Ifo 景況景気指数
米国新規失業保険申請件数 、8月耐久財受注 、 米国8月新築住宅販売件数
25(金)
米国イエレンFRB 議長講演
日本8月消費者物価指数
米国2QGDP確定値
米中首脳会談
マーケットの焦点
キーワード:米中首脳会談、中国株価動向、欧州追加緩和、世界同時株安、GPIF
先週は週初株価も持ち直し、金曜日朝のFOMC結果発表に向けて市場では楽観的なムードも漂いました。どちらかというと中国はじめ主要国の株価も落ち着いており、米国がゼロ金利を解除してもむしろそれは市場の自信を取り戻す材料になったのかもしれません。
しかしいざ蓋を開けてみるとFOMCでは金利据え置き(据え置き派9:利上げ派1)の圧倒的多数で据え置きとなり、また声明やイエレン議長の会見でも予想以上にハト派的な印象を感じました。
スタッフ予想では今年年末のFF金利(中央値)が0.375%(前回は0.625%)となり、ゼロ金利解除の時期については2015年13人(前回15人)、2016年3人(2人)、2017年1人(0)となり、集約すれば「年内利上げ1回を見越しつつも、依然として来年に利上げがずれ込む可能性もなしとせず」といったところです。
この結果を受けて初期反応としてドルが売られドル円は一時119円台前半、ユーロ1.14台半ば、ポンド1.56台半ばまでドルが急伸しました。
しかしその後は米国の利上げ先送りは”欧州の利下げの呼び水になる”との思惑が急浮上し、追加緩和期待の高まりからユーロが1.11台に反落し、利上げか期待の後退からポンドも1.54台まで反落しました。
係るドル高欧州通貨安からドル円も120円台半ばに上昇するなど、FOMCで一旦急落したドルが反発するという“皮肉な結果”になっています。
今週は東京市場が3日間休場ですが、昨日、本日と中国株価は小じっかり、また昨日はNYダウは反発しています。しかしFOMC直後の主要国の株価の急落を見ていると、市場はむしろFOMCにおける金利据え置きに失望しているようです。「あれだけ米国指標が堅調にもかかわらず世界経済への懸念はそこまで強いのか??」という不安感を増したことでしょう。
加えてECB当局やBOE当局からも追加緩和や利上げに慎重な意見が聞かれて、FOMC後はむしろリスク回避ムードが強まったように思えます。
イエレン議長は言い訳がましく「10月も含めてすべての会合で利上げの可能性あり」と述べていますが、9月がだめで10月が利上げOKとなる論拠にも乏しく、市場の大半は利上げはあっても12月というシナリオに傾きつつあります。
そうなると再び年末までリスク回避やその巻き戻しに翻弄される不安定な相場が続くことになります。
ただ今週は米中首脳会談が開催されますが、良くも悪しくも世界経済・金融市場に大きな影響をもたらす中国が世界経済第二位の国として責任を果たす姿勢を前面に打ち出してくれれば、市場センチメントは好転するでしょう。
全体の流れとしてはやはり利上げ時期は伸びたものの、“年内利上げコンセンサス”がある以上、ドルが底堅い動きをすることが予想されます。
ユーロは追加緩和期待に加えて“リスク回避のユーロ買い”なる現象もあるようで、上下に定まらない展開が予想されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7063-0.7280 AUDYEN 84.94-87.56
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7050-0.7350 AUDYEN 84.50-87.50
今週の豪ドルは: FOMCを通過し、ある程度底堅い動きでしょう
先週の豪ドルは週初は前週末発表された中国8月鉱工業生産や都市部固定資産投資の不冴えな数字に中国株価軟調で70セント台半ば、84円台後半の安値圏でオープン。しかし月曜夜に自由党大会でターンブル氏が新党首に選出されたことを市場は好感して豪ドルは徐々に堅調を取り戻しました。
FOMCにおける金利据え置きの結果を受けて豪ドルは72セント台後半、87円台半ばまで急反発しましたが、その後はドル反発地合いに転換する中、ユーロに歩調を合わせて軟調地合いとなっています。
今週は豪州国内で大きな指標はなく、中国はじめ主要国の株価や主要国の金融政策を眺めながらの展開となります。
その中でやはり米中首脳会談の行方は大いに注目されます。
ポジティブな内容は市場のリスク許容度を増幅させるでしょう。
一方発表されたユーロ圏の9月ZEW景況感調査は昨年末以来の水準に低下しましたが、中国の交易ナンバー1のユーロ圏の景況は中国景気にも大きく影響します。
依然として豪ドル不安要因(商品相場安、中国不安)に著変はありませんが、先週スティーブンスRBA総裁も「豪ドルは過去著しく調整した」と(めずらしく(?)認めています。
市場のリスク許容度が再び大きく後退しない限り、今週は底堅い動きが予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。