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◆◆サイコロジスト:引き続く研修。EMDR-両側性の刺激が、トラウマの処理に有効◆◆

私たちサイコロジストにとって継続的な研修と学習、アップデートは必須です。Australian Psychological Societyというオーストラリアのサイコロジストの学会のメンバーシップを維持するために、Professional Development Pointとして年間に集めなければならないポイントも決められています。

そのために最近は、Mental Health Professional Networkの自主ワークショップに出ています。サイコロジストを中心に、メンタルヘルス・ワーカーが集まるものです。

Mental Health Professional Networkのグループ・メンバーとして出ているのは・・・

*EMDR Meeting (トラウマを想起させながら眼球の左右運動をさせることで、トラウマの心理的処理を促進させる療法)

*Eating Disorder Meeting(摂食障害) @ シドニー大学病院摂食障害クリニック

*North Sydney Chronic Pain Meeting(慢性疼痛) 

その他、CALD(非英語文化圏出身者コミュニティ)のメンタルヘルスに関する研修には、進んで出ます。最近では・・・

*CALDと自閉性障害

*CALDとギャンブルの問題

また私は、Transcultural Mental Health Center のBilingual Sessional Clinicianを十年以上続けているので、その主催のワークショップにもよく出ます。Westmeadの大病院キャンパスの一角のCumberland hoslitalにあるので、ドライブで行くのが少し大変ですが。

そして週に一回のケース・スーパービジョン。私のバックグラウンドである精神分析と現代的な各心理療法の統合を目指して、精神分析と交流分析が専門であるスーパーバイザーに受けています。

さてEMDR・・・10年以上前にワークショップに出たものの、EMDRを施す前と後の冗長なインタビューに辟易し、ほんの時々しか使っては来ませんでした。最近、Mental Health Professional NetworkのEMDR Meeting に出て、EMDRを日々実践しているサイコロジストたちと知り合ったことをきっかけに、また学習と実践を深めています。次回はそのお話をします。

まずは日本EMDR学会のサイトでの、EMDRの説明を載せておきます。

EMDRとは

  EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に対して、エビデンスのある心理療法です。さらに、他の精神科疾患、精神衛生の問題、身体的症状の治療にも、学術雑誌などに成功例がしっかり記述されています。

  EMDRは、適応的情報処理(AIP)というモデルに基づいています。このモデルでは、精神病理の多くが、トラウマ的な、もしくは苦痛でいやな人生経験が、不適応的にコーディングされた、もしくは、不完全に処理されたことによると仮定されています。これにより、クライエントは経験を適応的に統合する能力に障害を受けます。EMDRの8段階、3分岐の過程が健常な情報処理、統合の再開を促します。この治療アプローチでは、過去経験、現在の引き金、未来の潜在的挑戦をターゲットにし、現在の症状を緩和し、苦痛な記憶からストレスを減じたり、除いたりし、自己の見方が改善し、身体的苦痛から解放され、現在と未来の予測される引き金が解決するのです。1989年にアメリカでFrancine Shapiroという臨床心理学者が発表して以来、今日までに全世界で40,000人以上の心の専門家(精神科医、臨床心理士など)がこの方法のトレーニングを受け、2,000,000人以上の人が治療を受けています。

  日本でも1500名以上の専門家がトレーニングを終えました(2012年5月時点)。EMDRにおいて、眼球運動や他の両側性の刺激は大きな役割を果たし、脳を直接的に刺激し、脳が本来もっている情報処理のプロセスを活性化できるのです。手続き的には簡単に見えても、しっかりとEMDRの研修を積んだ精神保健の専門家のみが実施すべきです。起こりうるさまざまな悪影響にしっかり備えることが重要です。しっかりした研修と実践を経れば、5年、10年かけて、心のどこかに落ち着いていくプロセスを非常に短時間に進めることができます。そして、その過程は患者さんの脳の本来の力を引き出すので、マインドコントロールのように洗脳される、臨床家に操られるというような心配は全くありません。また、止めたいときにはいつの時点でも止めることができます。また、これまでの治療方法では、起こったできごとのすべてをこと細かく語ることが必要とされることが多かったのに比べて、大変ストレスの少ない方法です。

 

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次回の他都市への出張カウンセリングは、3月4日から6日、ケアンズを予定しています。ご関心のある方は、お早めにご連絡ください。

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★ シドニーこころクリニック(臨床心理士:やのしおり) ★

住所: ワールドシティ日本語医療・歯科センター内, Level 1, 722 George Street, Sydney 2000

電話: 0416-006-835 (電話受付時間8:00-22:00)

営業時間: 月~金 8:30-20:00・隔週土曜 8:30-18:00(全予約制)

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