今週の主な予定、イベント
8/29(月)
米国7月個人所得/支出、英国休場
30( 火)
日本7月雇用統計、ユーロ圏8月消費者信頼感、米8月消費者信頼感
31(水)
独8月失業率、ユーロ圏7月失業率、米8月ADP雇用者数
9/1(木)
豪州Q2民間設備投資、中国8月製造業/非製造業PMI、中国8月財新メディア製造業PMI、米8月ISM製造業景況指数、米新規失業保険申請件数
2(金)
米8月雇用統計、米7月製造業受注
<マーケットの焦点>
キーワード:米国利上げ観測/日銀緩和観測、日銀限界論、米8月雇用統計、日銀のETF買い入れ動向、原油価格
こんにちは、暫くシドニーを離れておりブログアップができず申し訳ありませんでした。
ややstaleですが月曜時点での今週の見通しを掲載させていただきます。
先週は注目のジャクソンホールでのイエレン議長の講演以外に大きなイベントはなく各通貨供に金曜日まではチャート的には小さなコマを並べた“揉み合い相場”でした。
主要国の株価は金曜日までは前週末に比較してやや軟調、商品相場もやや値を下げています。
9月のOPEC増産凍結会議を控えて49ドル台まで一時反発した原油価格はイラクの増産凍結に否定的な発言に46ドル台まで一時反落したが、イランがOPEC会議出席を明言したこともあり47ドル台に反発ました。係る中行われたジャクソンホールシンポジウムにおけるイエレン議長の講演。ここまでフィッシャーFRB副議長やその他地区連銀総裁が軒並み9月利上げを含めたタカ派発言を繰り返しただけにイエレン議長もタカ派トーンを維持すれば俄然9月利上げ観測が高まるという状況でした。
ただ筆者は同シンポジウムは昨年イエレン議長がさしたる理由もなく欠席していた(それほど重要視していない?)し、“講演タイトルは「Designing resilient monetary policy framework for the future」つまり”金融政策の有効性“を中心とした内容になる可能性があり、あまりインパクトはないのではないか?とたかをくくっていました。
しかし結果は第一声「この数か月追加利上げ実施への説得力が増した」との発言でドル円は100円台後半に急上昇。また講演の内容は米経済についても「米経済は目標とする最大雇用と物価安定に近づいている」と総じてポジティブなもの。”特に9月利上げの明言はなし“との市場判断で一旦100円近辺に反落したものの、その後のフィッシャーFRB副議長の発言「イエレ議長発言は9月利上げの可能性と整合」は再び9月利上げの現実性をググッと近づけるもので大きなインパクトを持ち、ドル円はストップロスの買い戻しを誘発しながら102円目前まで急騰しました。
今回のFRB議長、副議長発言を真に受ければ9月利上げの可能性は五分五分を上回ったとみられます。
いやむしろ9月利上げのシミレーションを今回すでに行ったとも言えるでしょう。つまりサプライズのドル急反発と株価の下落が予想されます。
イエレン議長の講演内容「政策決定はデータがどれだけ見通しを裏付けるか次第」であり今週金曜日の8月米雇用統計はいつにも増して重要であり注目度も高まるでしょう。
ただドルの反発はショートカバーの域を出ないと思います。理由は:
・米経済がさらに過熱して完全な引き締めサイクルに入る可能性が低いこと。1%程度の成長率で引き締めサイクル突入はないと思います。
・FRBが何度も「緩やかな利上げ」と繰り返しているように9月に利上げを行えば当分再利上げの可能性がないこと。
(12月連続利上げとなれば、従来からの緩やかな利上げ路線を逸脱し、FRBは新たに引き締めサイクルに入ったと考え直すべきでしょう)
・一方株価にはネガティブは影響が残る可能性があること。→新興国株式市場への影響も懸念される。
むしろ日銀金融政策の手詰まり感(あるいは追加緩和への市場の後ろ向き解釈)や混迷を極める米大統領選を見れば、一旦ショートカバーが終わったドルの反落の可能性が指摘されます。
<豪ドル相場>
先週の相場レンジ AUDUSD 0.7551-0.7692 AUDYEN 76.10-77.20
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7450-0.7650 AUDYEN 76.00-78.00
.今週の豪ドルは: 対ドル軟調、対円堅調でしょう
豪ドルは米ドルや鉄鉱石動向を見ながら今週は76セント、76円台中心に揉み合い相場でしたが、金曜日のイエレン講演後にドルが全面的に急反発したことから対ドルで75セント台半ばに下落する一方、対円ではドル円の急反発を受けて77円台まで値を戻しています。
引き続きドルの動向にフォローした動きが予想されますが、ドルの反発も一過性との見方は上述の通りです。
一方今週は中国の8月製造業PMI(政府と民間)が発表されますが先月は政府発表が50を割る一方、財新メディアは久しぶりに50.6と50.0を上回っておりその結果が注目されます。
さらに9月のOEPC総会を控えた主要参加国の発言も注視したいところです。
豪ドルは下値が夏休み明けのアジア中銀やソブリンウエルスファンド(SWF)の押し目買いにサポートされる展開が予想されますが、米ドルが堅調である場合には上値も限定されることに(対ドル)なります。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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