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タロンガ動物園の開園100周年を祝い、名古屋市の代表団がシドニーを訪問 シドニー市役所の表敬訪問・祝賀会を開催

タロンガ動物園が今年開園100周年迎えるにあたり、姉妹動物園を有する姉妹都市の名古屋市から代表団がシドニーを訪問。11月2日(水)にシドニー市役所の表敬訪問と祝賀会を行なった。

 

名古屋市にある東山動物園とタロンガ動物園は、1996年に両動物園は姉妹動物園提携を締結。両動物園は、1980年の名古屋市とシドニー市の姉妹都市提携を機に交流を深め、1984年にタロンガ動物園より東山動物園へ日本初のコアラが贈られるなど、交流が続いている。最近では、2001年に東山動物園よりタロンガ動物園(ダボ市内にあるタロンガウエスタンプレインズ動物園)に贈られたインドサイの「ドラ」に子供が生まれ、オーストラリアで初めて親となったインドサイとして注目を浴びている。

 

シドニー市のジェス・スカリー市議会議員を迎え、会談が行なわれた

 

午前中に行なわれた表敬訪問では、シドニー市のジェス・スカリー市議会議員が一行を歓迎。姉妹都市36年を迎えたこと、シドニー市役所内には名古屋から贈られたさまざまなギフトが飾られていること、また、交換留学プログラムなどをはじめ、さまざまな方法で両都市間の交流が行なわれていることなど両都市間のこれまでの交流についての話がなされた。

 

名古屋市より寄贈された茶器、通称”名古屋セット”が使用された

 

<左から>

黒邉雅実氏(東山動物園 園長)/伊藤毅氏(名古屋市観光文化交流局観光交流部主幹)/渡邊正則氏(名古屋市観光文化交流局長)/新開輝夫氏(名古屋市副市長)/加藤一登氏(名古屋市会議長)/ジェス・スカリー氏(シドニー市議会議員)/おくむら文洋氏(名古屋市会議員)/ふじた和秀氏(名古屋市会議員)/金庭宣雄氏(名古屋市会議員)/上坊勝則氏(クレア・シドニー事務所 所長)

 

夕方には、名古屋市主催のタロンガ動物園創立100周年記念祝賀会が催され、タロンガ動物園関係者からシドニー市役所関係者、日本政府関係機関代表者、シドニー名古屋姉妹都市委員会委員まで、およそ50名がQVBのThe Tea Roomに集まった。

 

新開輝夫氏(名古屋市副市長)

 

冒頭にて、新開輝夫氏(名古屋市副市長)は「開園100周年おめでとうございます。シドニーと名古屋の姉妹都市交流のなかでも、姉妹動物園は大きな柱です。シドニーと名古屋、そしてタロンガ動物園と東山動物園のますますの発展をお祈りします」と挨拶。つづいて、加藤一登氏(名古屋市会議長)により、両市、両園のさらなる発展を祈って乾杯が行なわれた。

 

加藤一登氏(名古屋市会議長)による乾杯の挨拶

 

会の途中には、黒邉雅実氏(東山動物園 園長)がこれまでのタロンガ動物園と東山動物園の交流の軌跡が映像とともに紹介。思い出話に花を咲かせながら、歓談を楽しんだ。

 

これまでの両動物園の交流の軌跡が会場の壁に映し出された

 

黒邉園長に話をうかがうと、「東山動物園は2017年3月で80周年を迎えますが、じつは前身の名古屋市立動物園から数えると、タロンガ動物園とほぼ同い年で、なにか運命的なものを感じます。昨年、東山動物園が寄贈したインドサイのドラがお父さんになりましたが、両都市間に子供や孫ができたようで、よろこびも分かち合うことができるんです。動物交流は花が開くまでに年月がかかるんですけど、それゆえにうまくいったときに感慨深いものがあります」と、両動物園間の交流の深さ、そして姉妹動物園の意義について熱く語ってくれた。

 

記念品として贈られた七宝絵皿

 

祝賀会の終わりには、名古屋市より川村市長からのメッセージと記念品としてコアラと名古屋城が描かれた七宝絵皿が、キャメロン・カー氏(タロンガ動物園 園長)に贈られた。

カー園長は、「名古屋市とこのような素晴らしい関係を築けていることを光栄に思います。姉妹動物園提携を通しての文化交流は、さらに両都市の関係性を豊かにするものだと感じています。みなさんにこのようにお祝いしていただくことができて、とても光栄に感じています」と名古屋市への感謝を表した。

 

また、祝賀会の一幕として、同会場にてデイビッド・ブッチャー氏へ総領事表彰が授与された。

ブッチャー氏は、1984年に最初のコアラがタロンガ動物園に寄贈された際、コアラに輸送の指揮をとった功労者。2013年以降はシドニーシドニー・名古屋姉妹都市委員会の委員長に就任し、2015年の35周年記念行事や毎年の名古屋市からの学生訪問の歓迎などにあたり、シドニー・名古屋姉妹都市関係の発展に尽力している。

 

竹若敬三氏(在シドニー日本国総領事)と総領事表彰を授与されたデイビッド・ブッチャー氏

 

竹若敬三氏(在シドニー日本国総領事)は「日本におけるコアラブームの立役者はタロンガ動物園の功績だといっても過言ではありません。コアラの輸送をはじめ、さまざまな活動を通し両都市の交流に大きく貢献されたブッチャー氏を表彰させていただきたいと思います」と話し、ブッチャー氏に表彰状を授与した。

これを受けて、ブッチャー氏は「栄誉ある賞をありがとうございます。1984年のコアラ輸送のとき、私の乗った車を指差しながら、観衆のみなさんが"コアラだ!"と勘違いされていたことを覚えています(笑)」と、思い出話を交えながら、表彰への感謝を表明。「交換留学プログラムの一環で、毎年名古屋市の高校生たちのホームステイの受け入れなどをしていますが、学生たちが”シドニーのお父さんと呼んでもいい?”と言ってくれるたびに、自分のこれまでの活動はこのような関係を築きたいという思いにつながっていたのだなと感じます。これからもこういった交流を続け、お互いに家族と呼び合えるような関係を築いていきたいと思っています」と、今後も両都市のために、できるかぎりのことをしていきたいと話した。

 

その他の地域でも姉妹動物園はあるが、タロンガ動物園と東山動物園のように、職員の長期間の派遣を行なうなどの密に交流関係を築いているのはめずらしい。黒邉園長の言葉にもあったように、動物交流がシドニー市と名古屋市の友好関係をさらに密接なものにしていることは間違いない。

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