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第12回 親指のつけ根から手首にかけての痛み

日豪プレス 2012年8月号 掲載記事

第12回 親指のつけ根から手首にかけての痛み


▶▶▶フィジオセラピーは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神 経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専 門家で、必要に応じてMRIや専門医に紹介し、包括的な治療を 行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、 体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう !

手の親指のつけ根から手首にかけて突発的な鋭い痛みを感じながら、忙しくて治療を受けないまま、ふとした拍子に痛みが再発したという経験をお持ちの人もいるのではないでしょうか。

このような症状は腱鞘炎や親指の関節炎の人によく見られます。今回は生まれたばかりの赤ちゃんや小さなお子さんをお持ちのお母さんに特に発症しやすい親指周辺の腱・滑膜の炎症の一種である、ド・ケルバン腱鞘炎をご紹介しましょう。
赤ちゃんのいるお母さんに多い

ド・ケルバン腱鞘炎は赤ちゃんを生んだばかりや授乳中のお母さん、そして閉経を迎えた女性に多い症状だと言えます。赤ちゃんをお持ちのお母さんは出産時のホルモンの影響により、通常よりも腱が軟らかくなっています。その上、毎日何度も赤ちゃんを持ち上げることにより手首を酷使しています。

その動作の中で親指の腱と腱を包んでいる滑膜の間で摩擦が起こり、炎症を引き起すことによって水が溜まったような腫れや痛みを生じます。

閉経を迎えた女性は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンのレベルが低くなり、腱が軟らかくなり弱くなります。その時に手首に負荷がかかる動作をしたことが引き金となって発症することが多いようです。

クリニックでお会いする人の多くは、痛みを覚えるようになってからも赤ちゃんを抱くことを控えることはできないし、痛い方の手をなるべく使わないようにして数週間様子を見てからいらっしゃいます。

しかし、これは痛みの慢性化の原因になるばかりではなく、急性時に治療を開始した場合と比べて回復に3倍くらいの時間がかかってしまいます。慢性化を防ぐために早期に治療を開始することが大切です。
マッサージやストレッチで改善

フィジオセラピーでは炎症からくる腫れをマッサージやストレッチを用いて早く改善させることを目指します。

これにより、炎症からくる筋肉と腱、滑膜などの癒着や筋力低下、関節の強張りを最小限に抑えます。急性期にはサポーターやテーピングなどで患部を補助し、なるべく今まで通りの活動を続けられるようにします。

赤ちゃんをお持ちのお母さんは予防と悪化を防ぐため、赤ちゃんを抱き抱える時はヒザの屈伸を上手に使い、なるべく手首を真ん中で固定して抱きかかえるようにしましょう。

*同コラムは、一般医療情報の提供を目的としています。症状や治療法は人によって異なりますので、必ず専門家の指示に従ってください。

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