OCEAN ROOMの看板メニュー RAITA’S TASTING MENUが、今年の冬に合わせた7品の新作メニューと共に、リニューアルデビューです!今回は新たに仲間入りした、新作メニューの中から前菜の3品を、開発秘話と共に、私シェフの野田雷太がご紹介いたします…
ちょっとその前に、私が普段メニューを作る時の流れについてお話したいと思います。
メニューを考える際、私は極力調理場以外の場所を選ぶようにしています。と言いますのは、実際に食材と調理器具を目の前にしてしまうと、どうしても手元に あるものを使ってしまうので、自由な発想が出来なくなってしまい、結果今ある料理と似通ったものになりがちです。そこでまずは何もない場所で、頭の中で料 理をして、かなり細部までしっかりとしたイメージを組み立ててから、調理場で実際に作り、細かい修正を加え、お客様にお出しする料理が完成!となります。 でも実際にメニューに登場するのはほんのわずか…。 10のアイデアから1つでも決まれば本当に御の字で、大半はボツとなってしまい、中には途中経過で消えていく料理も数知れず…といった感じです。
WHITE GAZPACHO
さて、前置きが長くなってしまいましたが、こんな風に料理を考えていると、自分の得意な食材・苦手な食材がはっきりしてきます。私にとって、どうしても納 得出来る結果を出しにくい食材の一つが「帆立」なんです。苦手なのか、それとも鬼門と言うべきなのか、不思議と相性があまり良くないのですが、今回のメ ニューで使おうと自分で決めていた食材リストには、かなり早い段階から何故か「帆立」の二文字があり、その結果、私は新しいコースメニューの開始前夜ま で、とことん頭を悩まされてしまいました…。
何品試作したのか判らなくなるほどのボツの山…、時間的に妥協せざるを得ないとあきらめかけていた時、何故かふと頭に浮かんだのがアホブランコというスペイン料理のスープ。そこから方向性を180度転換して完成したのが、このWhite Gazpachoです。
渋皮をとったアーモンドと、杏仁豆腐に使用される杏仁(あんずの種の天神様)を一緒に煮て、丁寧裏ごして作ったアーモンドミルクに、完熟トマトのエキスや 酢漬けにしたハバネロチリなどを合わた、一風変わった真っ白なガスパチョです。散々私の頭を悩ませた帆立は軽く炙ってからセビーチェにし、スモークしたス イカのピクルスと一緒に楊枝に挿して、存在感がスープに埋もれてしまわないように、あえて写真のような形でお出しすることにいたしました。
通常のガスパチョは夏向きですが、アーモンドの優しい口当たりと香ばしさのおかげで、寒い冬にもすんなりと馴染む冷たいスープが出来てくれて、正直胸をなでおろしてます(笑)。
UNI TAMAGO
お次は見た目朝食の食卓に出てきそうな卵なのですが…。
こちらは半熟の温度玉子の殻をカットして、中に今が旬のタスマニア産雲丹をたっぷり使った軽いムースを詰めたお料理って…、比較的どこにでもありそうですよね。
ただ、雲丹は見た目も味も非常に個性的なので、オージーのお客様には苦手な方も多く、ちょっとチャレンジ要素が強いので、使うべきかどうか、少々悩みました。でも旬の雲丹の美味しさを知ってもらいたい! その一心でこの料理を考えてみました。
雲丹の個性的な風味を抑え込むのは簡単です。でもそうなると我々日本人の雲丹好きにとっては面白くない料理になってしまいます。しかもいい加減に調理すると、簡単にへそを曲げ、悪い部分を全開にするところが雲丹の厄介なところなのです。
そこで美味しく仕上げるために、重要なカギとなる加熱時間や温度など、かなり細かいところに気を配ることで、いい意味で雲丹らしさを前面に押し出した料理が出来たのでは?なんて思ってます。
WINTER FISH IN BATH
OCEAN ROOMのコースで、非常に重要なポジショニングをとっているのが吸物、いわゆる「御椀」です。
コースの前半と後半をバランス良くつなぐ、いわばサッカーにおけるボランチ(?)の役割を果たすのがこの「御椀」なのですが、
シンプルでごまかしが利かない、繊細で難しい料理なので、OCEAN ROOMでは比較的最近までお出ししていませんでした。
でもオープン以来早6年半、調理場のスタッフも十分に実力をつけ、それなりにしっかりとした御椀をお出し出来るだろうと思い、
前回の秋のメニューからお出ししています。
この冬の御椀は、その日に一番美味しい白身魚の葛揚、焼いたエリンギとしめじ、揚げ餅に、ごく薄くとろみをつけた薄葛仕立のお吸い物です。これ自体冬の定 番ですから、若干面白みに欠ける部分は否めないかもしれません…が、必ず「その日の一番美味しい」という言葉通りに、市場に出回る中で、最も美味しい魚を 仕入れお出ししています!
冬場は、脂の乗った鮪やブリなどのメジャーな魚が美味しい季節なので、どうしても影をひそめてしまいがちですが、実は白身魚のバラエティーが豊富で、一番 美味しい季節なのをご存知ですか?中でも甘鯛や金目鯛など、漁獲量は僅かですが日本でも有名で、しかも本当に美味しい魚が手に入ります。我々以上に魚屋さ んに頑張ってもらわなくてはいけないのですが、シドニーではなかなか口に出来ない本当に美味しい白身を、シンプルな御椀の中で是非楽しんで頂きたいです ね!
料理の事になると思わずアツくなってしまい、随分ダラダラと長く書いてしまいましたが、次回はコースの後半戦を、近日中にご紹介します!
最後になりますが、ブログをご覧いただいた方には、ちょっぴりお得なお知らせです!
8月6日 (土)までに、こちらのRAITA’S TASTING MENU ($95.00 / 12品コース)をご注文頂きますと、
お料理に合わせた私のお勧めの本当に旨い日本酒をサービスさせて頂きます!
お手数ですが、ご予約の際に「JAMS.TVを見た」とお申し付けください。
皆さまのお越しを、楽しみにお待ちしています!
RAITA NODA
Director / Executive Chef
日本語でのお問い合わせは、0416 150 576 (月~土 14:30 ~ 18:00) 長谷川まで、お気軽どうぞ。
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