18 September 2023

◎＜ポイント＞今週はFOMC、BOE理事会、日銀政策会合―円安地合継続するか？

・先週はドル高・ユーロ安・円安が進行した。
・米8月CPIは原油の大幅反発（90ドル台まで）を反映して予想通りに下げ止まりからやや反発し（前年比で前月の3.2%から3.7%に反発）、今週のFOMCでは据え置き予想だが、年内一回の利上げ見通しは変わっていない（ブラックアウト期間入りでFRB関係者の発言はなし）。
・一方先週のECB理事会ではややサプライズの25bp利上げが実施されたが、スタッフ予想で23-25年の経済成長見通しが下方修正された（2024年6月時点での予想値を1.5%から1.0%に下方修正）ことに市場が反応。むしろ今回で「利上げ打ち止め」観測が広まり、ユーロは1.06台前半に下落した。
・一方今週の日銀決定会合を控えて植田総裁関連のニュースが話題となり、週初は読売新聞との単独インタビュー記事で「マイナス金利政策を柱とした大規模な金融緩和の解除に向けて、年内にも判断できる材料が出揃う可能性がある」とのマイナス金利解除を示唆する発言に、週初ドル円は一時146円割れまで急落。
・しかし先週末には関係者の話として「日銀内には植田発言と市場の解釈のギャップを指摘する声が出ている」、「総裁発言は従来から踏み込んだものではなく、年内に十分な情報がそろう可能性が“ゼロ”ではないとの発言も一般論に過ぎない」との報道があり、円売り戻しを誘って結局147円台後半で越週した。
・今週のFOMCでは据え置き予想となっているが今後のドット・プロットや経済予測に注目したい。
・BOE理事会では25bp利上げ予想で、政策金利はFRBと並ぶ5.5%となるが、果たして達成感が出るか？
・日銀政策会合では読売新聞の単独インタビューに対する植田総裁の「後講釈」が注目される。
・ドル円は約2週間以上にわたって145円を割っていないが、はたしてこのまま新高値（151円を上回るレベル）に続伸するのか？あるいは上放れの時期はまだ先で、ドルが対主要通貨で調整反落するのか？（筆者の見立ては後者）
・今週の主要国中銀の政策会合を経てその答えが出そうだ。

◎＜豪ドル相場＞――中国不動産懸念一服で豪ドル反発

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6380-0.6473  AUDYEN  93.87-95.54
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6300-0.6600  AUDYEN  93.00-97.00

・先週豪ドルは、中国不動産大手碧桂園控股が元建て債6本返済の3年延長で債権者からの承認を得たことから、当面のデフォルトが回避されたとして中国・香港株が底入れしたことが支援材料となり、64セント台後半に反発した。
・また発表された中国8月の諸指標（失業率、小売売上高、鉱工業生産等）が強めであったことも中国経済への不安感をやや和らげた。
・対円ではドル円の147円台後半への反発との相乗効果で95円台前半を回復している。
・本日RBAのブロック新総裁が誕生することも、市場は前向きに捉えているようだ。
・ただ、中国の不動産債務問題も根本的な解決とは程遠く、RBAの利上げ終了観測などから売られ過ぎ状態（豪ドルドルのRSIは30台前半まで下落）であった豪ドルショートポジションに調整が入ったと考えるべきだろう。
・足元のドルの堅調が継続すれば豪ドルの上値は65セント台でキャップされるであろう。一方今週のFOMCを経てドル堅調地合に調整が入るようであれば、豪ドルショートが更にあぶり出される展開も予想される。

―読者各位―
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