5 August 2024

◎＜ポイント＞
161円→141円→147円、依然半値戻しである「150-151円」が天井圏か？

・ドル円は先週月曜日(8/5)に141円台と、今回の高値161円台から↓20円突っ込んだが、そこが底となり147円台後半まで反発。
・調整反落（141円台）が行き過ぎるのは“相場の常”であり、調整の調整が入るのもまた想定されたこと。ただ半値戻しの150-151円台が意識される中、さすがにここからの上攻めにも慎重だ。
・”調整の調整“―先週は日銀の内田副総裁から「緩和継続すべし」とも取れる発言があったが、株価が7月高値から12,000円以上下落し、債券利回りが1%を超える状況で円高が進み、政府が旗振りした新NISA投資の含み損が急増する中、相場を冷やしにかかったは当然であった。
・しかも日本の貿易赤字体質は変わらず、足元のインフレも元のデフレに逆戻りの可能性を考慮すれば、今後の引き締めも緩やかにならざるを得ないだろう。
・一方前回のFOMCでハト派に急転したパウエル議長も、米ISMや雇用の悪化を事前に知っての政策転換発言であったが、果たしてこのまま米インフレがすんなり低下するか？
・つまり急激な日銀引き締め観測と、急激なFRBの緩和観測の行き過ぎが調整されてのドル円反発であったが、さすがに141円台を見た後では半値戻し地点150-151円を抜くことは容易ではない。
・足元は8/14(水)に発表される米7月CPIなどの指標、及び日銀の金融政策（特に株価の変動に要注意）を見ながら150円を意識した展開となろう。
・目を先に延ばせば、日銀の金融引き締め転換から日本の経済・財政ファンダメンタルズの更なる悪化に加えて巨大地震の脅威がある。従来であれば地震＝海外の資産引き揚げ＝安全通貨円買いであったが、安全通貨円神話は既に存在せず、むしろ地震の発想は海外投資家の日本離れ＝円安要因となると考える。

◎＜豪ドル相場＞
先週豪ドルは63セント台、90円台まで続落して底入れし、65セント台、97円台まで反発。暫く揉み合い“値固め”か？

・先週豪ドルは8/5（月）には日本はじめ主要国の株価selling Climaxで豪ドルも下に突っ込んだ。
・しかし翌火曜日のRBA理事会で大方の予想通りに金融据え置き（“利上げ”行わず）を受けてむしろ買戻しが強まった。
・主要国の株価反発、ドル円反発を受けて豪ドルも高値圏65セント台、97円台まで上昇した。
・RBAブログ総裁がタカ派姿勢を堅持したことも豪ドル買い戻しを誘った
同総裁は「必要なら更なる利上げ躊躇しない」、「インフレが2025年末までに中銀目標範囲2-3%に戻るとは予想していないため、追加利上げを検討した」と述べた。
・今週は、本日RBAハウザー副総裁の講演が、また     16（金）にはブロック総裁・ハウザー副総裁の議会証言が予定され、特にインフレ関連の発言が注目される。
・指標では15（木）には7月雇用統計が発表になるが、予想値は失業率が前回と同じ4.1%、就業者数は前回の大幅増加+5.02万人から+2.0万人予想だが依然強い内容だ。
・豪ドルは先週初下値を確認した感があり、今週RBA当局者のタカ派発言が聞かれる場合には、堅調推移が予想される。特に対円では、ドル円が半値戻しである150円を再び上抜く場合には、100円の大台が再び見えてくる。

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