私のカウンセリング・クリニックのお隣の部屋の女医と話していて・・・
人生は一筋縄ではいかず、いろいろ大変こともあるけれど、
自分が生きていく上でもレジリエンスが大事、
子どもたちを育てる上でもレジリエンスを身につけさせるように育てることがいかに大事か、
と生活や仕事をしていっている実感から、同感しました。
人生は自分にだけ都合良くはできていず、
みながさまざまな思惑で生きているので、
しんどいことやストレスは必ず、次々にやってきます。
そんな負荷に接したときにでも、それに屈せず、
跳ね返って元に戻る力、復元力を、Resilienceレジリエンスと言います。
「ストレスにも簡単には折れないこころ」のあり方です。
精神的に弱い方を見ていると、このレジリエンスが非常に弱い。
少しのストレスや違和感を、一つも残さずに拾い上げるように全て反応して、
簡単に精神的な具合が悪くなる。
こういう方と一日外出したり、いっしょに旅行なんかに行くとたいへんです。
旅行や外出は日常場面から離れてちがう世界を体験することによって
気分が変わってリフレッシュしてとても良いものなのですが、
このような方たちは、日常とはちがう、いつもの自分のルーティン
通りには行かないことに対して一々いらだちを感じてしまい、
機嫌が悪くなって、他の人に八つ当たりしたりします。
他の人たちにとっては、せっかくの楽しいはずの旅行が台無しです。
旅行や、大きく言えば人生を楽しむにも、ある程度の精神的なスキルと、
レジリエンスが必要なのです。
(中には、自閉症的な発達障害を持っていて、いつものルーティンと違うことに
非常にストレスを感じてしまう脳の特徴を持つ方もいるので、その場合は、
本人の考え方や性格のためではなく、生まれつきの脳の特徴としてとらえ、
対処法を本人も周囲も考えていかなければならないのですが)。
細かいことには拘泥せずに受け流し、楽しもうとする姿勢。
いつもの通りにはいかないことにイライラしまくるよりも、
「それよりもいつもと違う風景が見られて、楽しいじゃん」と、
いつもどおりにはいかないことさえ、面白がってしまう姿勢。
物事を、自分の気分を落とさせる方に考えず、
自分の気分の安定に役立つ考え方を積極的に採用しようとする
意思とモチベーション。
具体的なほうに落とし込んで言うと、
レジリエンスに役立つ考え方のことばとして、
以下のようなものがあるのではないでしょうか。
このような考え方をしていこう!と、
物事のとらえ方を調節していこうとするのは、
認知行動療法のやり方でもあります。
「そういうこともあるさ~」
「思ったようには行ってないけど、これはこれでけっこう面白いじゃん」
「あんまり愉快ではないけど、別にこれで世界や命の終わりではないし、まあいいか」
「心配事を作り出すのは損なので、気にしないでおこう!」
「どうにかなるさ~」
「同じようなことがあっても今までだって大事にはならずに過ぎ去ったし、今回もきっと大丈夫だ~」
「一見嫌なことばかりに思えるこの出来事から、自分が得ていることは何か?」
「世の中は自分中心に回っているわけではいから、そういうこともあるさ~」
「得られなかったけど、きっと長い目で見たらその方が良いから、そうなったんだ。無理は禁物~」
・・・
「深刻になりすぎずに、おめでたく生きたい」
それを目指してがんばろうと、よくクライエントと
私も目標を共有しています。
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