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アゴ関節症 日豪プレス 2011年9月号 掲載記事 

 

 

アゴ関節は人体の中で最も頻繁に使われている関節の一つです。この関節は耳の前部に位置しています。耳の穴の前にあるくぼみに指を置き、口を開け閉めすると指先で左右のアゴ関節が動くのを感じることができます。

 

アゴ関節は下顎骨と側頭骨の2つの骨と、関節包、 ディスク(関節円盤)によって形成されていて、靭帯や 筋肉が関節周辺をサポートしています。関節内部にあるディスクが、2つの骨同士が直接摩擦し合うのを防いでいます。

 

一般的によく患者さんが訴える症状として、

  • 口の開閉時の痛み、顎が鳴る、
  • 口が開けづらい、閉めづらい

があります。症状は良くなったり、悪くなったりというのを繰り返すパターンが多いようです。

 

主な原因として考えられるのは、

  • 歯ぎしり、くいしばり
  • 口を大きく開けないで、ぼそぼそ話す。
  • スポーツなどで顔面、口、頭などのケガを以前にしたことがある
  • 猫背の姿勢で長時間座っている

上記は、全てではありませんが、心当たりはありませんか?

 

何がおこっているのか?

例えば、歯ぎしりをしてしまう方は、一晩中筋力トレーニングを行っていることになり、朝起きるとアゴ関節周辺、そして首の痛みや頭痛につながることもあります。また、ぼそぼそ話す癖があると、関節の内部にあるディスクがズレてしまい、無意識にアゴ関節をもとに戻そうとするため、さらに歯ぎしりやくいしばりが続く悪循環に陥ってしまいます。

他にも、スポーツなどで顔面周辺にケガをした過去をお持ちの場合、関節包や靭帯が固くなってしまい本来3次元の動きができる関節の可動域が制限され、アゴの不具合につながります。

しかし、現代の生活の中で、一番の原因はコンピューターの普及による姿勢の悪化にあると思われます。特に猫背になると、首、肩、アゴ関節に負担がかかり、他の原因と合わさってアゴの不具合を引き起します。

 

フィジオセラピーでの治療法

症状によって治療法は異なりますが、一般的に、

  • 評価、診断をうけ主因を突き止め、治療を受ける。施術ではアゴ関節周辺の筋肉をほぐしたり、関節包や靭帯を正しい方法でストレッチをかけて可動域を回復させて行きます。
  • そして治療での効果を最大限にするために、自宅で行うストレッチ運動の処方を受ける。
  • セラピストの指導のもと、 主因となっている生活習慣の改善を行う。(例:姿勢の具体的な改善方法など)

 

  • 必要に応じて、マウスピースを使用する。

 

 

この記事は一般的情報提供を目的として作成しています。

 

 

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