シドニー指圧クリニックは、タウンホール駅とウインヤード駅の間のGeorge Stに位置するThe Dymocksという本屋にあります。
Dymocksは、ディモックスではなく、ディミックスと読みます。この場合の「O」は、「イ」に変化します。Womanの複数形Womenの「O」が「イ」と発音するのと同じ理屈です。
The Dymocksは、この本屋の創始者 William Dymocksの名前から由来してます。元々The Dymocksという本屋は、1879年(明治12年)Market Stにあり、その後、George StにあったRoyal Hotelを1922年(大正11年)に買い取り、改修増築。今の建物になったのが、10年後の1932年(昭和7年)。五一五事件のあった年です。
つまり、築82年の建物で、1939年に始まった第二次世界大戦を経験しています。爆撃によるダメージを少しでも抑えるため、建物内の窓やガラス戸には、粘着テープが貼られ、ガラスの破損による飛散防止がされていました。
戦争が終わり、テープが剥ぎ取られましたが、粘着力が強く、それほど品質の良くなかったテープだったこともあり、ガラスの表面がところどころ剥げています。
当時のガラス戸を今も使っており、ガラスの表面には、水泡のような痕跡が見られます。シドニー指圧クリニックの入り口のガラス戸は、第二次世界大戦の悲しい傷跡でもあります。