パートナービザ(配偶者ビザ)申請のために知っておくべきこと
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読者の中には、ここ数週間で新しいオーストラリア留学生の入学制限が導入されるという話を耳にされた方もいらっしゃるかもしれません。
2024年8月27日、オーストラリア政府はNational Planning Level(NPL)と呼ばれる入学制限枠を発表し、毎年の留学生プログラムに対して厳格な制限を設けることを決定しました。現在国会で審議中です。
この変更により、オーストラリアの各種教育機関はもちろん、多くのオーストラリア留学生やオーストラリア留学を検討している方々が、自身のオーストラリア留学計画にどのような影響があるのかを懸念しています。
現在のところ、施行スケジュールや審議時間が限られているにもかかわらず、オーストラリア内務省は、法案が可決された場合、2025年1月1日までにシステム変更が整うと述べています。
今回は、オーストラリアのビザ申請への影響を考察しながら、入学制限の概要やよくある質問に答え、今後のオーストラリア留学オプションを検討する際に何が起こり得るのかを解説します。
2025年から、オーストラリア政府は留学生の数を27万人に制限する予定です。
公立大学には145,000人、職業教育・訓練(VET)セクターには約95,000人、私立教育機関には約30,000人の枠が割り当てられています。
この制限は、最近のオーストラリアの住宅供給難を反映して、国内の都市部におけるインフラやサービスへの負担を軽減したり、オーストラリア留学生の学費に過度に依存することを防いだり、教育の質を保つために設けられました。
また、留学生をオーストラリア全土にバランスよく分散させる狙いもあります。
2023-24年度には約332,000件の学生ビザがオーストラリアで発給されましたが、2025年の制限はこれに比べて18%の削減となる見込みです。
特にオーストラリアの大都市にある公立および私立の多くの大学では、コロナ禍前のレベルと比較して、新規入学枠が大幅に減少することになります。
新規入学とは、2025年に新たに学業を開始し、これまでに当該教育機関に在籍していなかった学生を指します。これには、1年生や他の大学からの転校生、休学後に復帰する学生が含まれます。
ただし、以下のグループはこの制限の対象外とされます。
入学制限(ISP:Indicative Student Profiles)は、オーストラリア各機関の2019年のパンデミック前の入学数に基づいて算定されています。
2019年から2023年にかけて留学生数が増加した大学には、オーストラリアのキャンパスに在籍する留学生の割合を考慮した数式が適用されました。留学生が少ないオーストラリアの大学は、増加分の全てを2025年の制限に含めることができます。
ですが、37%以上の留学生がいるオーストラリアの大学は、その増加分の50%しか保持できません。そのため、ISPは教育機関ごとに大きく異なり、職業教育・訓練(VET)セクターについても、オーストラリア留学生の割合が多いほど割り当てが少なくなります。
留学生の割合が高く、特にオーストラリア都市部にある有力なGroup of Eightと呼ばれる8大学は、入学枠が大幅に削減されると見込まれています。
一方、オーストラリアの地方にある小規模大学では、大幅な増加枠が与えられる予定です。
職業教育・訓練(VET)セクターも、新たなオーストラリア留学生の入学制限によって大きな影響を受ける見通しです。
具体的な数字はまだ公表されていませんが、オーストラリア独立系高等教育協議会(Independent Tertiary Education Council of Australia)のCEOは、この削減により、最大で300校のオーストラリア独立系教育機関が、閉鎖の危機に直面する可能性があると警鐘を鳴らしています。
この制限は、2025年からのオーストラリアの新規入学者にのみ適用されます。すでにオーストラリアにて就学している学生については、コース要件を満たす限り、そして、他校へ転校や編入学をしない限り、受け入れ制限の影響を受けることなく引き続きの在籍が保証されます。
ただし、留学生の数が減少した場合、一部のオーストラリア教育機関では予算や資金不足が生じ、結果としてサービスの低下、クラスの規模への影響、教員数の減少などの間接的な影響が出る可能性があると予想されています。
シドニー大学やメルボルン大学のように、入学枠が大幅に削減されるオーストラリアの大学への出願を検討している場合、入学をめぐる競争が激化する可能性があります。一方、オーストラリアの地方の大学は、留学生の受け入れ枠を増やしており、入学の可能性が高まると見られています。
新しい入学枠制限は、以前のオーストラリアの大臣指令107(Ministerial Direction 107)に取って代わります。
これまでオーストラリアでは、この指令に基づいてリスクの高い教育機関に在籍する学生のビザ審査が遅延したり、却下されることがありましたが、今回の変更によりそのようなリスク評価に基づいた学生ビザの却下は減少すると見込まれています。
しかし、新しい制限により、全体的なオーストラリア留学生数自体が制限されるため、学生ビザの承認率自体は改善されたとしても、定員が減少する大学では入学競争が激しくなる可能性のほうが懸念されます。
そのため、オーストラリア留学を検討中の方々は、今まで以上に迅速な判断と準備が肝要となることでしょう。
なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。
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