「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
28 August 2023
◎<ポイント>ドル買い材料出尽くしか?
・先週は週末のジャクソンホール会議におけるパウエル議長発言が焦点に。会議を控えてドルの買い戻しが活発化した。ドル円は146円台と年初来の高値を更新し、ユーロは1.07台、ポンドは1.25台と6月以来の安値を付け、豪ドルも0.63台と昨年11月以来の安値に下落した。
・また市場の関心を集める中国不動産債務問題では、前週まで2週間大幅続落した上海、香港株は取りえず下げ止まった形。
中国当局は利下げ、人民元買い、株価下支え、不動産規制緩和など危機に対処する姿勢を示したが不安を一掃するには至っていない。
・発表された主要国(米、欧、英国)の8月PMIは製造業のみならずサービス業にも悪化が広がり景気先行き不安につながった。
・注目のジャクソンホール会議におけるパウエル議長の発言では「必要とあれば追加の金融引き締めを行う」という従来の姿勢を繰り返すと同時に、「今後はデータを確認し、慎重なポジションを取る」ことも示されたため、直後の為替市場はアップダウン。もっとも全体を見るとインフレ対峙の姿勢に変わりなくドルが堅調時に引けたとの印象。
・今週は早9月ということで米国8月雇用統計が注目されるが、予想値は失業率(予想3.5%、前回3.5%)、nfpr +16.8万人(前回18.7万人)とそこそこ堅調予想。また同日発表される8月ISM製造業景気指数は予想値47.0(前回46.4)とこちらも50は下回るが前回を割り込まない予想となっている、
・ただ冷静に考えれば、米国はじめ主要国のターミナルレートに接近し、今後は各国ともに金融政策微調整の段階にシフトする中で、パウエル議長のタカ派発言を期待するのはいかにも「最終バスに無理やり飛び乗るような」感覚を覚える。
・むしろ前週0.628%で引けた日本の10年債利回りは先週6.50%で引けるなど、依然じり高推移しており、今後の上昇プレッシャーを示唆しているように感じる。
7月のCPIは米国が3.2%であるのに対して日本は3.3%である。
・7月の貿易収支(通関ベース)は-787億と予想値+244億を下回ったものの、昨年1年の赤字額19.6兆円からは大きな赤字幅縮小が見られる(多くは原油価格の下落による)。加えて8月の米債利払い円転玉を飲み込んでのドル円の上昇は、ドル円ブルの筆者から見ても、かなり無理があるように感じる。
(中長期的なドル円上昇予想との兼ね合いは、今月号のセントラル短資FX社の「マーケットビュー」への寄稿文をご参照されたい)。
◎<豪ドル相場>――ドル高地合のなか、中国の不動産債務問題が燻り、軟調推移
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6380-0.6488 AUDYEN 92.83-94.17
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6250-0.6550 AUDYEN 92.00-95.00
・先週豪ドルは、中国当局の不動産危機への対応策を受けて一時65セント近辺、94円台前半に反発したが、結局中国不安を払しょくできず、63セント台、93円台中心に軟調推移した。
・前週発表された7月の雇用統計の悪化(失業率は3.5%から3.7%に悪化、就業者数は-1.46万人<予想は+1.5万人>)も尾を引いているようだ。
・先週NZ準備銀行のコンウエイ・チーフエコノミストはNZドルの下落は金利差の縮小とリスク回避の動きを反映と述べ、「中国経済が大幅に減速しNZ経済の成長に悪影響を与えた場合、我々は想定より早く政策金利を引き下げるだろう」と述べたが、この状況は豪州(RBA)でも同じと考えられる。
今後とも中国の不動産問題・景気動向はクロスウオッチの必要あり。
・その意味では今週の豪州7月CPIや小売売上高にも増して、中国8月のPMI(政府発表、財新ともに)が注目される。
・豪ドルは63セント台、92円台と、かなり下値サポート付近まで下落しており、“売られ過ぎ状態”を勘案すれば、リバウンド局面も想定されるが、いまだ下値圧力を払しょくするまでには至っていない。
今週も対ドル、対円共にアップダウンが予想される。
―読者各位―
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◎セントラル短資FX社の「マーケットビュー」(https://www.central-tanshifx.com/market/marketview/column/?morecnt=0&itemtype=1&pdate=20221121)に15年近く投稿しています。
月報(毎月第三月曜日にアップ)ですが斬新な相場観をご披露します!!
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
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☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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