2024年7月1日からの税率改正前にできる節税対策②（個人）

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2024.06.11

マネー

甘利会計事務所

まず、スーパーアニュエーションを使っての節税の方法について、こちらの記事をご覧ください。

それに加えて今回2023/24年度末は、7月1日に税率が変わる事、また2018/19年度の追加枠の繰り越しが、期限切れになりますので、なおさらアクションを取りたい時となっています。

先日掲載した節税対策の記事で、7月1日から税率が変わる事について解説しました。ここでは2024年6月中にスーパーアニュエーションの追加入金をすること（6月30日迄にスーパーアニュエーションで受領）について解説します。

スーパーアニュエーションの追加を今する理由①

100,000ドルの課税収入の人が、$10,000追加積立したい場合、今月積立する場合と来月以降の積立する場合のケースを比較してみましょう。（下記計算はMedicare 2%含めていますが、Medicare surchargeは含めていません）

会計年度	2024FY	2025FY
課税収入	$100,000	$100,000
所得税	$24,967	$22,788

スーパーアニュエーションに$10,000追加入金してTax Deductionに使うと課税収入が -$10,000 の $90,000 になります。

会計年度	2024FY	2025FY
課税収入	$90,000	$90,000
所得税	$21,517	$19,588

スーパーアニュエーションに$10,000追加入金によるタックスリターン時の減税は、今月中であれば $3,450 、来月であれば$3,200 となり、今月中に入れておけば7月以降に入れるより節税効果が高くなります。

スーパーアニュエーションの追加を今する理由②

今回のスーパーアニュエーションを使った年度末節税対策でポイントとなるのが、2024年7月1日から税率が変わる事に加えてもうひとつあります。

スーパーアニュエーションの追加積立のビフォータックスとして扱える年間金額内の未使用分は、5年繰り越すことができます。このシステムが始まった2018/19年度から今回が5年目になるので、2018/19年度として残っている額は、今回使わないと消えてしまうことになるのです。しかし、2018/19年度の繰り越し分を使うためには今年度2023/24年度の枠を使い切らないといけません。

数字をいれた例を見てください。

会計年度	税引き前積立枠	税引き前積立額	枠内未使用金額	未使用額累計
2018/19	$25,000	$6,500	$18,500	$18,500
2019/20	$25,000	$6,500	$18,500	$37,000
2020/21	$25,000	$7,000	$18,000	$55,000
2021/22	$27,500	$10,000	$17,500	$72,500
2022/23	$27,500	$11,000	$16,500	$89,000
2023/24	$27,500	$11,500	$16,000

積立額は雇用主からの義務のスーパー積み立て額＋追加入金して税控除として申請した分が入っています。また、会計年度中にスーパーアニュエーションが受け取った金額がその年の積立金額として計算されるので、年度を超えた入金分が発生する為、給料明細に載っている数からずれが生じます。

上記の例ですと、2023/24では、枠内使用金額がまだ$16,000残っていますので、これを消化すると、2018/19の未使用分を使える事になります。つまり、今回$16,000以下を追加しても、2023/24の枠内消化となるので、2018/19の繰り越し分の消化にはならないのです。

こうやって見ると、今回2018/19の繰り越し分を使える方は限られているとは思いますが、会計年度内に、いつもにない予定外の大きな収入、不動産や株などを売ってキャピタルゲインがでた、ボーナスやホリデーの買い上げをしてもらった、個人事業主として利益が大きく出たなどの場合には、1年分だけでなく、一気に5年の繰り越し分を使う事も可能ですので、大きな差が出るかもしれません。

繰り越し分を使える人は、前年度末（2023年6月30日）時点で残高が$500,000未満であることが条件となっています。また、以下のリスクもあることを年頭においてください。