「今週の相場見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
14 October 2024 ◎<ポイント> ―150円超えの可能性を残す― ・今週の予想レンジ:147.00-151.00 ―しつこくw、150円台回…
”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート) | ||
(米ドル円日足) |
(豪ドル米ドル日足) |
(豪ドル円日足) |
8/5(月)豪州6月小売売上高、中国7月HSBC非製造業PMI、6月ユーロ圏小売売上高、米7月ISM非製造業景況指数、ダラス連銀総裁講演
6(火)RBA理事会(予想キャッシュレート2.75%→2.50%)、イタリアQ2GDP速報値、英6月鉱工業生産・製造業生産高、シカゴ連銀総裁講演
7(水)BOE四半期インフレ報告(カーニー総裁)、地区連銀総裁講演(フィラデルフィア、クリーブランド)
8(木)日銀会合、日本6月国際収支/対外・対内証券売買契約、豪州7月雇用統計、中国7月貿易収支、ECB月報、米・ギリシャ首脳会議、米新規失業保険申請件数
9(金)日銀月報、RBA四半期金融報告書、中国7月(CPI、PPI、小売売上高、鉱工業生産)
キーワード:米国緩和縮小観測の行方、ポストバーナンキ人事、中国景況、日銀会合、円需給
先週初は米国主要イベント(GDP、FOMC、7月雇用統計)を控えて株価も上値重くNYKダウは15,500で頭打ち、日経平均も一時13,600円程度まで反落しました。
市場では米GDPが弱いとの予想やFOMCではより踏み込んだ緩和策が取られるなど種々の思惑が交錯しました。
また米ドルは一時ドル円97円台半ば、ユーロ1.33台、ポンド1.54台、豪ドル0.92台に調整反落しました。
ただ実際発表されたQ2GDPは+1.7%と予想を上回り、またFOMCではディスインフレーションのリスクが新たに明示されましたが、緩和縮小の基準を厳格化するいわゆる”フォーワードガイダンスの改善”は行われず、現状の緩和維持が確認されました。
このようにGDPやFOMCを無事通過して米ドルは反発地合となり、金曜日の7月雇用統計を前にドル円100円近辺に上昇し、ドルはその他通貨に対しても買い戻される展開となりました。
注目された金曜日の7月米雇用統計は失業率は7.4%と2ポイント改善されましたが、非農業部門就業者数(NFPR)は事前予想185千人に対して162千人に留まり、ドル円は99円割れまで反落し、ユーロは1.32台後半に反発するなど、ややドルが売り戻されて越週しています。
市場の最大関心事は依然として米経済と金融政策の行方にあります。
今週はさして大きな米国イベントはありませんが、7月ISM非製造業景気指数や新規失業保険申請件数が発表されます。
また地区連銀総裁講演が4連銀ほど予定されますが、タカ派、ハト派両陣営の意見であり、先週のFOMCの内幕など垣間見られる可能性もあり注目されます。
9月緩和縮小観測は雇用統計の後で後退していますが、NFPRは毎回修正が大きいこともあり、確報値を確認するまで早計は避けるべきであり、まだ9月緩和縮小開始の可能性が完全に消滅した訳ではなりません。
また7/8日には日銀金融政策決定会合が開催され、日本版長期資金供給オペ(LTRO)などの追加緩和策が示されるか注視されます。ただコアインフレーションがプラスに転換しており、現状の金融政策が維持される可能性が高いでしょう。
むしろ消費増税問題の議論は景気先行きに影響を与えるものとして見守る必要があります。
性急な実施の運びとなれば円買い戻しを誘う可能性もあります。
その他木曜日には日本の6月国際収支が発表されますが、6月の経常収支は4000億円の黒字予想であり、5カ月連続の黒字となれば円売り圧力がやや後退する可能性があります。一方発表される7月上中旬の貿易収支は、7月上旬の5903億円の赤字が急増するようであれば、円売り材料視されるでしょう。
米経済は回復基調にあり出口戦略に近づきつつあるのは確かですが、一方バーナンキ議長はじめFRBの大部分は慎重派であり、先行き不透明な状況からドル相場の振幅が予想されます。
先週の相場レンジ AUDUSD 0.8870-0.9287 AUDYEN 87.24-90.97
今週の予想レンジAUDUSD 0.8750-0.9050 AUDYEN 86.50-89.50
今週の豪ドルは下値テストと買い戻しの交錯する展開でしょう
先週の豪ドルは予想よりも大幅に下げて年初来の安値を更新しました。
豪ドルドルは2010年8月以来の安値0.88台後半、豪ドル円は2010年12月以来の安値87円前半まで下落しました。
また豪ドルユーロは2010年10月以来の安値0.66台後半に、また豪ドルNZドルは2008年10月以来の安値1.12近辺まで値を下げました。
今回の豪ドル大幅下落の背景は中国経済減速懸念と資源投資ブームの終焉観測です。
またRBA・政府は係る状況下にあって資源産業から非資源産業に景気の牽引車をシフトする政策転換を図っており、その一環として金融緩和を継続し、また豪ドル高が豪州経済の発展を阻害するとの立場を鮮明にしていることがあります。
ただ豪州は歴史的に巨額の経常赤字を海外からの資本収支の黒字で補てんしており、今後豪ドルが大幅に続落して海外からの投資資金が流出すれば、経常赤字補てんに支障をきたし大きな経済問題となるでしょう。
資源投資ブームが下火になったからといって必要以上に豪ドル価値の下落を人工的に促す政策には賛同しかねるところです。
今週のRBA理事会では2.75%から2.50%へ史上最低レベルを更新する利下げが行われることが確実視されています。
2010年に4.75%まで無用の利上げをやった当時超タカ派のスティーブンス総裁は現在過去のトラウマに取りつかれているか(?)超ハト派に変貌していますが、RBA内部にも更なる金融緩和に対して慎重派もいる訳で、今回利下げが行われれば、意外と”利下げ打ち止め感”が出てもおかしくはないと思います。
ただ豪ドルが底放れするには中国発の好材料が必要であり、市場のリスク選好の動きが盛り上がることが必要となります。
今朝発表された6月の小売売上高は0.0%と事前予想をやや下回りました。
今週は明日のRBA理事会、木曜日の7月雇用統計、金曜日のRBA四半期金融政策報告書が発表されます。
足元豪ドルが下値を確認できるかが焦点となります。
猶今朝、ケビン・ラッド首相は9/4総選挙実施を発表していますが、最新世論調査でも労働党が自由連合よりやや劣勢です。
それでは Have a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j
サンプル例を添付させて頂きます。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!
本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、
それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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