「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田 穣)9...
9 December 2024 ◎<ポイント> ―ドルは水準を維持し、米株は史上高値更新― ・今週の予想レンジ:148.00-153.50円 先週…
9/25(月)独9月ifo景況感指数、ECB当局講演(ドラギ総裁、クーレ理事、メルシュ理事、コンスタンシオ副総裁)、地区連銀総裁講演(NYKFED、シカゴFED) 26(火)米8月新築住宅販売、米9月消費者信頼感、プラートECB理事講演、FRB当局講演(イエレン議長、クリーブランドFED、ミネアポリスFED) 27(水)米8月耐久財受注、米週間原油在庫、NZ準備銀行理事会、セントルイスFED総裁講演 28(木)米Q2GDP、ECB当局講演(プラート理事、ラウテンシュレーガー理事)、地区連銀総裁講演(ボストンFED、カンザスシティーFED) 29(金)日本8月雇用統計/CPI、米8月個人所得支出、ドラギ総裁講演、フィラデルフィアFED総裁講演 30(土)中国9月製造業PMI
先週も北朝鮮リスクの割には主要国の株価は堅調推移し、NYKダウは7日連騰で史上高値を22413.26まで更新後やや反落、日経平均は20300台に年初来の高値を更新しました。 またFOMC後に米債利回、米ドル共に上昇しました。 北朝鮮問題では金委員長を“ロケットマン”と揶揄したトランプ大統領に北朝鮮側が猛反発し、対抗措置として太平洋上で過去最大級の水爆実験をする可能性に言及しています。 金融面ではFOMCが注目されましたが、金利据え置きと10月からのQE(量的緩和)縮小開始は予想通りでしたが、スタッフ予想(ドットチャート)で年内更に1回の利上げ見通しが明らかになり、またインフレ見通しは下方修正されたもののイエレン議長が「インフレ鈍化は一時的要因、インフレは目標に向けて上昇の見込み」と述べたことがややタカ派的と受けられ、FOMC後は米債利回りが上昇し、ドル円相場は112円台半ばまで上昇しました。 またメイ英国首相は金曜日にEU離脱に関する演説を行いましたが、「EU単一市場と関税同盟からの離脱」を改めて明言し、また具体的な拠出金の額や離脱交渉の停滞を招いている離脱費に言及がなかったことから、講演後はポンドの失望売りが見られました。 米国は北朝鮮の水爆実験など挑発的な発言に対して爆撃機や戦闘機を北朝鮮海域に飛行させるなど米国のけん制も新段階に入っている模様であり、今週も北朝鮮問題から目をそらせるわけにはいきません。10月10日には朝鮮共産党創建72周年を迎えます。 またイランが米国の圧力に屈せず兵器開発を断言し、イラク北部のクルド人自治区独立の動き、独総選挙における難民排斥の右翼政党“独のための選択肢”の躍進など、世界的に不穏な空気が漂い始めた気がします。 金融面では今週はイエレンFRB議長、ドラギECB総裁、カーニーBOE総裁はじめ多数のFRB、ECB当局者の講演も予定され注目する必要があります。 前週はラガードIMF専務理事は「米国の税制改革やインフラ投資の実践が大幅に遅れており、トランプ政権が目標にする3-4%成長の達成は非常に困難」と述べています。 FOMCでのタカ派的発言で反発したドルですが、係るトランプ政策への懐疑的見方以外にも、ロシアゲート疑惑が依然として燻っていることに加えて、本日はトランプ大統領の娘婿であるクシュナー上席顧問が公務に私的メールを使用していた疑惑が浮上するなど(大統領選挙時にトランプ大統領はヒラリー・クリントンの私的メール問題を攻撃していた)、新たな問題も指摘され、ドル買いポジションが増えつつある状況でのネガティブ材料にドルが反落する可能性もあるでしょう。
今週の豪ドルは増えつつある地政学的リスクに上値がやや重い展開でしょう
先週のレンジ: AUDUSD 0.7908-0.8104 AUDYEN 88.46-90.30
今週の予想レンジ: AUDUSD 0.7850-0.8050 AUDYEN 87.00-90.00
先週の豪ドルは一時81セント台、90円台と対ドルでは今年の高値に迫り、対円では今年の高値を付ける動きとなりました。 北朝鮮リスクの後退(慣れ?)と商品価格の堅調(原油は50ドル台)、更にRBAは80セント近辺の豪ドル高は黙認との思惑が豪ドルをサポートしているようです。 また中国の9月製造業PMIが51台をキープし、一時の50割れ懸念が後退していることも豪ドル好材料と言えます。 たた一時79セント割れに反落するなど、やはりドルの動きに敏感に反応しています。 今週も大きな国内イベントがない一方、FRBやECBなど主要国の金融当局の発言が多く、主要国の金融政策や、ドル相場の動きに反応する相場が継続するでしょう。 RBAは昨年8月の利下げ以来1年以上政策据え置きをしていますが、次の一手は利上げであることはほぼ確実です。現在利上げはあっても来年の後半との見方が主流ですが、現在改善が指摘される労働市場を反映して、豪州経済の懸念材料である賃金の伸び率がピックアップし出せば、早晩利上げ前倒し観測が浮上する可能性がある点は留意すべきと思います。 豪ドルは下値が押し目買いにサポートされる展開が予想されます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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